参院選の物価問題は、本質論を置き去りにした、当面のパッチワーク中心の論戦で中空状態になってしまっているようで大変心配です。
特に、この所の円安の進展の中で、理論のない単純な対症療法の主張中心の言論合戦の様相を見せて来てしまっているようで、良識の府、理性の府である参院選にはおよそ相応しくないものに感じられます。
物価上昇が低所得者を直撃する事の指摘はその通りですが、低所得者が増えているのは、格差社会化が急速に進んだからだという事は、既に誰もが理解している所でしょう。
ならば、議論のベースには、格差社会化の是正を置かなければならないでしょう。格差社会化の進展を阻止し、より格差が少ない社会に作り変えていくという視点が、日本の経済社会の問題をより長期的に考える役割の参議院議員の選挙であれば、特に重視されなければならないでしょう。
選挙戦では、国際関係の不安定による国際商品の価格上昇、それに追い打ちの円安のインフレ効果という「現象」にばかり目が行ってしまい、当面消費税を半額にすべきとか、低所得所帯に給付金を出すとかいった後追い議論が目立ち、これで問題解決への本質的前進があるのでしょうか。
今回は特に円安→物価上昇という問題に触れておきたいと思いますが、$1=135円前後の円レートが、日本経済にどう影響するかを正面から論じる声はありません。
今の円安が良いか悪いかの判断もせず、それによって起きる物価上昇に対して政府がカネを出すべきだ、減税だ、給付金だ、で事が済むのでしょうか。
円安は、輸入品の価格を上げ、インフレの原因になりますが、輸出品の値段も円建てでは上りますから、本来輸出入がチャラ程度の日本経済では、損と得はプラマイ・ゼロになるはずのものです。
プラマイ・ゼロと言っても円安になった分だけ日本の物価が上がった上でという条件が付きます。
こうした理論、プラザ合意で円が2倍の円高になった時にも、全く逆の形で、そのまま通用するような明確な理論立てで、為替レートを短期でなく長期で見ながら、基本的な目標としては、嘗ての日本がそうであった様な、所得格差の少ない社会の方向を目指す議論が本気でほしい所です。
そして、そのための政策としては、「税制と社会保障制度」による国民所得の再分配を、どのような形のものにしていくが望ましいのか、といった所に与野党の議論の焦点を置くような選挙戦であるべきではないでしょうか。
参議院にはそうした議論こそが相応しいように思う所です。
そうすれば、与党と野党の違いは、格差の程度をどの程度まで認めるかというのが基本的な違いで(アメリカとフィンランドの間のどの辺に?)枝葉末節に走る議論の混乱や擦れ違いも少なくなるのではないでしょうか。
参院選も中盤に入りますが、あまりに粗雑な議論が横行するので、円レートと物価問題の関係だけでも、この際自分の頭のなかも含めて改めて整理してみようと思った次第です。
特に、この所の円安の進展の中で、理論のない単純な対症療法の主張中心の言論合戦の様相を見せて来てしまっているようで、良識の府、理性の府である参院選にはおよそ相応しくないものに感じられます。
物価上昇が低所得者を直撃する事の指摘はその通りですが、低所得者が増えているのは、格差社会化が急速に進んだからだという事は、既に誰もが理解している所でしょう。
ならば、議論のベースには、格差社会化の是正を置かなければならないでしょう。格差社会化の進展を阻止し、より格差が少ない社会に作り変えていくという視点が、日本の経済社会の問題をより長期的に考える役割の参議院議員の選挙であれば、特に重視されなければならないでしょう。
選挙戦では、国際関係の不安定による国際商品の価格上昇、それに追い打ちの円安のインフレ効果という「現象」にばかり目が行ってしまい、当面消費税を半額にすべきとか、低所得所帯に給付金を出すとかいった後追い議論が目立ち、これで問題解決への本質的前進があるのでしょうか。
今回は特に円安→物価上昇という問題に触れておきたいと思いますが、$1=135円前後の円レートが、日本経済にどう影響するかを正面から論じる声はありません。
今の円安が良いか悪いかの判断もせず、それによって起きる物価上昇に対して政府がカネを出すべきだ、減税だ、給付金だ、で事が済むのでしょうか。
円安は、輸入品の価格を上げ、インフレの原因になりますが、輸出品の値段も円建てでは上りますから、本来輸出入がチャラ程度の日本経済では、損と得はプラマイ・ゼロになるはずのものです。
プラマイ・ゼロと言っても円安になった分だけ日本の物価が上がった上でという条件が付きます。
こうした理論、プラザ合意で円が2倍の円高になった時にも、全く逆の形で、そのまま通用するような明確な理論立てで、為替レートを短期でなく長期で見ながら、基本的な目標としては、嘗ての日本がそうであった様な、所得格差の少ない社会の方向を目指す議論が本気でほしい所です。
そして、そのための政策としては、「税制と社会保障制度」による国民所得の再分配を、どのような形のものにしていくが望ましいのか、といった所に与野党の議論の焦点を置くような選挙戦であるべきではないでしょうか。
参議院にはそうした議論こそが相応しいように思う所です。
そうすれば、与党と野党の違いは、格差の程度をどの程度まで認めるかというのが基本的な違いで(アメリカとフィンランドの間のどの辺に?)枝葉末節に走る議論の混乱や擦れ違いも少なくなるのではないでしょうか。
参院選も中盤に入りますが、あまりに粗雑な議論が横行するので、円レートと物価問題の関係だけでも、この際自分の頭のなかも含めて改めて整理してみようと思った次第です。