tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて日本は米中関係安定に努力を

2023年06月22日 13時54分37秒 | 国際関係
イギリス訪問中の林外務大臣が、イギリスの王立国際問題研究所で、日本の外交政策と日英関係をテーマに講演しました。

大変大事なのは、林外相はその中で、インド太平洋地域の平和と安定を述べ、特に中国の立場の重要性に触れ、中国は、力や威嚇によって国際秩序を変更しないという戦略的な決断を下さなければならないと指摘したとニュースが伝えていることです。

その上で、中国とは国際社会が直面する共通の課題では協力する事が大事だとして、建設的で安定的な関係の構築を図る考えを強調したという事です。

詳しい講演の内容を見ているわけではありません。また、林外相の訪英が、日本政府のいかなる意図で行なわれたのかも詳細を知るところではありません。

然し、この時期に、日本の外相が訪英し、中国に対する平和的で建設的な関係が、今の世界にとって必要だという事を強調したことは大変良かったのではないかと思います。

ブリンケン米国務長官が訪中し、米中対立の片隅に微かな意思疎通の部分を作ったことは、まさに、アメリカでなれば出来ない事ですが、この所、世界からもアメリカべったりのように思われそうな日本が、日本として世界に役立つことを堂々と「日本として」主張することはまさに大事でしょう。

アメリカでは、ブリンケン国務長官がようやく対話の道を付けた直後なのに、バイデン大統領が習近平は独裁者(来年の選挙を意識してか)などと言ってしまい、またトラブルのもとになりそうです。

中国も対立激化は避けたいでしょうから、大事に至らなければいと思いますが、「禍は口より出ずる」の諺は、アメリカでも同じでしょう。

こうした、何かあれば米中をはじめ、バランスが崩れそうな微妙な世界情勢の中で、不戦を謳う日本は、痩せても枯れても世界第3位の経済大国ですから、地道に真剣に世界平和へのバランスの回復に、日本らしい独自の立場で、世界の多くの国々が納得るような主張と行動を常に心がけることがその役割なのではないでしょうか。

ロシアの様に異次元の感覚を持つリーダーが、世界中が望まない暴挙に踏み切り、剰え、核の脅しを乱用するような情況の中で、常に破壊を否定し、世界の平和と繁栄のために発言する日本というあり方を明確に堅持することが、今の世界情勢を考えれば考えるほど、日本の果たすべき役割と思念すべきでしょう。

そのためにも、日本が、アメリカと話すだけではなく、中国とも積極的に話し合い、米中関係の安定に最善の役割を果たすという旗印を世界に向けて掲げることを、先ずは、今日の時点で、日本の現政権に期待するところです。