tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本経済の安定成長を考える 1

2023年06月24日 14時23分12秒 | 経済
<賃金、物価、生産性、為替レートの関係の基本から>
日本経済が、従来の長期低迷から脱出するのではないかという見方が最近強くなっています。

昨年から日本の消費者物価が上昇を始めました。欧米に比べれば小幅と思われていますが、5月の消費者物価のコアコア指数を見れば、アメリカは4月の5.5%から5.3%に下がり、日本は同3.9%から4.3%に上昇、このままではアメリカを追い越す気配です。

これも昨年からですが、家計調査(毎月)の平均消費性向が長年の低下傾向から反転上昇する月が殆どになって来ました。

春闘で労使が「共に」賃上げが必要と言い始め、春闘の賃上げ率が、これまでの2%台から3%台に上ったようです。(そろそろ厚労省から最終結果が出るでしょう)

国際情勢の変化からでしょうか、製造業の生産設備の国内回帰が盛んになり、また半導体分野などでは海外企業が日本に巨大工場の建設に動き、日本自体も主要企業が協力しまた政府系機関も大規模生産設備に踏み切りつつあります。

コロナの終息状況から、インバウンドの急速な拡大が見込まれるという指摘が多くなりました。

最近はヨーロッパの機関投資家を中心に東京のマネーマーケットに関心を高めたようで、大量の資本が流入し、急速な日経平均の上昇がありました。

貿易赤字が常態化するような気配があり、円安が、じわじわと想定外の水準まで進んだりする様相が見られます。

動きの中には健全な経済活動とみられるものから、物価や為替など先行きが心配されるような動きもあります。

工場の国内回帰のような実体経済そのものの活動もありますし、株式市場への投機資金流入のような、マネー経済の動きもあります。

それらは、円レートの動きなどと相互に影響し合いながら、これからの日本経済が、健全な成長路線に向かうという、国民の願いにそれぞれにプラスあるいはマイナスの効果を持つのでしょう。

経済活動は、こうした複雑な要素の合成の結果なのですから、大変わかりにくいということになるわけですが、例えば、政府・日銀がインフレ率2%という極めて単純な指標で日本経済の動向を判断し、また政策の調整をしようとしていますように、誰にも解り易い、基本的な数字もあるはずです。

そんな意識を前提にして、今後の日本経済の安定成長のために適切なバランスを構成するべき指標、その数字について、出来ればそれらのバランスの在り方から望ましい方向を確かめてみたいと思いつつ、現状を出来るだけ整理してみたと思います。