最近永田町で石橋湛山が再評価され、「石橋湛山研究会に石破総理を始め超党派の数十人の国会議員が集まって、かなり頻繁に開かれているというニュースがありました。
当初受けた印象では、自民党の中で、党の意見と違うような正論を敢て言っていた石場氏が主唱して出来た研究会かと思いましたが、そうではなくて、昨年、石橋湛山残没後50年を記念して出来た研究会で、最近頻繁に開かれているという事のようです。
研究会を作ろうと言い出したのは誰かとネットで探しましたが、その情報は見つかりませんでした。
しかし、最近の世界情勢の中で、この日本において石橋湛山に興味を持つ国会議員が超党派で数十人も集まっているという事は素晴らしいことなので、応援したくなり、あえて取り上げた次第です。
このブログでも、石橋湛山については折に触れて取り上げていますが、取り上げている趣旨は「リベラル」とは何かということを論じる場合、リベラリスト石橋湛山として論じるということがほとんどです。
リベラルというのは、幅広い豊かな知識を持って、自分の考え方をきちんと作り上げ、それに従って発言し、行動できるということでしょうか。政治家としてはまさに必須の要件の様な気がするものです。
石橋湛山の主張で最も有名なのは軍国主義日本が、アジア進出を積極化する大正時代に、ジャーナリストとして、民主主義を主張、日本は、満州、朝鮮半島、台湾を放棄し、中国とは争うのではなくその経済発展を援助し、交易を盛んにすることがアジアの安定、日本の経済的成功の道と、所謂小日本論(当時は大日本帝国意識が全盛)を主張したことでしょう(戦後はまさにその通りになり、日本は大発展しました)。
大変な先見性と洞察力ですが、当時の石橋湛山の知識の集積、研究、思想、人間性といった人間力によるものでしょう。
「リベラル」は、全体主義、付和雷同とは正反対です。例えば、自由民主党の中にあっても「安倍総理の言うことは嘘でも正しい」のではなく、是は是、非は非と自分の意見を言える政治家は、リベラルな思想の持ち主で、信用できるという事になるのでしょう。
超党派でそうして国会議員が集まり、意見を戦わせれば、国会審議とは別に、本当の日本の政治の在り方を求めて意見が一致する問題も出て来るはずです。
国会全体がそのようになれば日本の政治は全く変わるでしょう。
石橋湛山は山梨県の甲府中学の出身ですが、甲府中学に在学中、校長に大島正健が赴任したそうですが、この人は札幌農学校の第1期生で、クラーク博士の薫陶を受けた方だそうです。
石橋湛山は、大島校長との出会いが自分の人生観に大きな影響を与えたと記しているとのことですが、ここにリベラリスト石橋湛山の原点があったのかもしれません
民主主義に本来の優れた価値を与えるためには、それに参加する個々の人間が、リベラルであってほしいのですが、そのためにも、石橋湛山研究会の成果を期待したいと思っています。