巨大な台風10号が、まともに日本列島縦断の進路を取りそうな動きで進んできています。現状935ヘクトパスカル、上陸時には925に発達する予測もあります。
未曽有の強さで,瞬間風速70メートルに達するといわれています。気象庁は国民に厳重な警戒をと呼びかけています。
ところで、政府は常に「国民の生命と財産を守るために」と言います。
今年は、元日から能登半島で、まさに「激震」が走りました。春から夏にかけて集中豪雨や強風、突風などの被害も異常に多いような気もします。
過日は南海トラフを震源とする巨大地震の注意報がありました。一週間ほどの緊張が続きました。一週間と期限が切られましたが、その後も注意は必要という事です。
政府は、国土強靭化を言いますが、地球環境の変化による自然災害の深刻化は政府の対策のより速いスピードで進んでいるようです。
自民党政府は、「裏金問題」収取もできずに、次期総裁選びに候補乱立、「国民の生命財産と自分の政治生命や裏金とどちらが大事なんだろう」と思われるほど迷走状態です。
そして「国民の生命と財産を守る」という言葉が使われる局面がもう一つあります。
もうすでに多くの方はご存じと思いますが「先島諸島からの12万人避難計画」というのがあります。
勿論、日本には平和憲法がありますし、国民の多くは日本はもう戦争などしないと思っていますから、「国民の生命と財産を守る」という大義名分で、この計画を正面から打ち出しましたら、「何だ、政府は戦争をする気なのか」「戦争になれば国民の生命と財産は失わる」と大問題になるでしょうから、何かひっそりとやっているようです。
具体的には、台湾有事で先島諸島にミサアイルや無人機が飛んでくるようになると、民間人がいると巻き添えになって、自衛隊の活動がやりにくくなるから、民間人12万人ほどを九州に疎開させるという計画なのだそうです。
戦時中、沖縄の子供たちを本土に疎開させようとして米軍に撃沈され、多くの子供が犠牲になった対馬丸の記憶を彷彿されるような話ですが、これは集団的自衛権の範囲の問題で、アメリカの意思決定次第で、日本は協力する義務があるという事でしょう。
しかも、先島諸島限定というのは、日本政府の想定です。今の戦争は、ミサイルや無人機が中心ですから、相手の戦略・戦術次第で、いざ戦争となれば、米軍基地のある日本中が攻撃の対象になるかもしれません。
という事で、さて、「国民の生命と財産を守る」といった場合、国民としては、政府は本気で言っているのか、国土強靭化の遅れのために失われる生命財産だけでも大変なのに、ミサイルや無人機からも守ってくれるなど期待できなことは見え見えでしょう。
考えてみれば、台風や地震、集中豪雨や落雷・竜巻といった自然現象は人間の力ではどうにもなりませんが、戦争は、人間がやることですから、人間の善意や知恵や努力で避けることが可能です。
日本政府は勇気をもって、戦争の阻止に全力で立ち向かい、「国民の生命と財産を守る努力は」国土強靭化など自然災害対策に集中するようにお願いしたいものです。
そういう政府でしたら、国民は総力で支えるのではないでしょうか。