tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2018年1-3月GDP速報:家計消費減速

2018年05月16日 11時19分14秒 | 経済
2018年1-3月GDP速報:家計消費減速
 今朝、内閣府から1-3月のGDP統計の速報が発表されました。あまり良い景色ではありません。
 マスコミの見出しは「1~3月実質GDP、年率0.6%減 9期ぶりマイナス」といったものです。

 このところ景気はゆっくりですが順調に上向いているような様子でしたが、年が変わって久しぶりのマイナスです。
 足を引っ張っているのは民間需要で、対前期比の数字は
民間最終所費支出:-0.0%
民間住宅:-2.1%
民間企業設備:-0.1%、という状態です。(数字は以下も全て実質値)

 公的支出は0.0%で財政難では景気牽引どころでないでしょう。
 ということで結局はマイナス成長ということになっているわけですが、第2次速報の時には、法人企業統計の季報が発表になって、これはプラスの可能性がありますから、多少修正の可能性はあるかもしれません。

 しかし、いずれにしても問題なのは、消費支出が全くの低迷状態になっているという事です。家計最終消費支出は、昨年の1-3月期から見ますと0.5、0.7、-0.7、0.2、-0.0(%)ということで(民間最終消費支出も全く同じです)、乱高下しながら低下傾向のようです。

 いずれにしてもGDPの中身は6割以上が消費支出ですから、消費が伸びなければGDPは伸びません。
 今年に入ってからは、このブログでも取り上げていますように、1月の消費性向は上がりましたが、2月、3月と落ち込みが急で、心配していました。

 いつもご紹介している前年同月比の数字を見ても、昨年1-3月期からの家計最終消費支出は、0.6、1.7、0.6、0.8、0.2(%)と下がってきていて、最後の今年の1-3月期もやっと0.2%のプラスです。

 この消費の低迷には、国会がまともな経済政策の議論をほとんどせず、政府の言うことが信用できないのではないかという低次元の問題に明け暮れていることに原因があるのではないかといった意見や、日銀が、何時までもゼロ金利で、いくら貯金して貯金が増えないので、自分で利息分貯金をしなければならない、など、いろいろな議論があります。

 国会で真面目な政策をしてほしいのですが、政府の言うことが信用できることが議論の大前提ですから、まず政府のいうことが嘘かどうかをはっきりさせることが先決で、それに1年以上かかって未だはっきりしないのでは、どうにもなりません。

 貯金に利息が付かないので、タンス預金にしたり、慣れない金融商品に手を出して損したりでは消費も増えないでしょう。真面目な人は金利分ぐらいはと貯金を積み増すのでこれ間消費にはマイナスです。

 いろいろな意見があるようですが、早く政治情勢(金融政策も含めて)を国民が安心して信頼できるような状態に戻してほしいというが、最も基本の経済対策ではないでしょうか。

不思議の国アメリカ

2018年05月15日 11時07分13秒 | 国際政治
不思議の国アメリカ
 トランプさんは、かつてからの発言通りに、アメリカのイスラエル大使館をエルサレムに移しました。 
 イスラエルは喜び、アラブ諸国は現状総じて慎重に状況を見守るようですが、ガザ地区では抗議のデモ隊に、イスラエル軍が発砲、55人が死亡と報道されています。

 アメリカを代表して式典に出席したクシュナー氏はパレスチナ側の抗議行動が原因とイスラエルを擁護したとのことです。
 もともとこの大使館移転はトランプさんの公約から発したもので、それが無ければこんなことは起きないで済むのでしょう。

 55人もの人が亡くなるような事が起きるというのは、日本人にとっては大変重たいことに感じられるのですが、その原因は何処にあるのかと我が身を振り返り、事の重大さを考えるといった思考回路はアメリカ(トランプさん?)にはないようです。

 もともと、エルサレムに大使館などを置くべきではないというのは 国連決議で決まっていることです。
 アメリカは平然と国連決議を無視した行動をとっているという事です。

 思い出してみれば、北朝鮮への経済制裁では、アメリカは国連決議を世界の関係する国々に、徹底して守るように協力に要請していました。
 これでは、なんとまあアメリカはご都合主義の国かということになってしまいます。アメリアの良識ある人の説明を聞いてみたい気がします。

 アメリカは世界の覇権国・基軸通貨国です。アメリカでも、「ノブレス オブリージェ」という言葉は広く知られていると思います。
 片方で、北朝鮮との交渉を主導し、世界の安定と平和維持に貢献しようとしていると見えるアメリカですが、他方ではこうした殺戮の誘因を作っているのです。

 確かに、アメリカには多様な意見があるようです。しかし覇権国が国際的な行動に出るような場合には、それはアメリカの統一した意見になるという事でしょう。
 いったいアメリカは人類社会に対して何をしようとしていうのか。このままのアメリカでいいのか、今のアメリカについての疑問は尽きません。

今年のホタル:中間報告

2018年05月14日 21時53分16秒 | 環境
今年のホタル:中間報告
 今年のホタルは新規蒔き直しと 報告いたしましたが、改めて仕入れた種ボタル、ゲンジ30匹ほど、ヘイケ60匹ほどが、現在すべて上陸を終えています。

ゲンジはU字溝の近くの庭の隅のどこかで、ヘイケは発泡スチロールの箱にミズゴケ、赤玉土、ミズゴケと庭の土と層別に積み上げた上陸装置と、一部は水の漏れなくなったU字溝のなかに底が水につくように置いた植木鉢に同じように層別に作った上陸装置に分けて、発泡スチロールは家の中、U字溝は屋外ということで羽化の時期を待っています。

今年は春先が暖かかったので、ゲンジもヘイケも上陸は早かったのですが、その後寒い日が多かったりして、羽化は遅れているようです。

ゲンジの方は、庭に置いた発泡スチロールの中から4月の10日にはもう1匹もいなくなっていましたから、その辺りの植え込みの中に上陸し、蛹を作ったことと思っています。
蛹の期間はゲンジの場合約40日と言われますから、こそそろ、暖かい湿った晩には羽化するのが出てもいいころかなと思っています。

羽化したらすぐに籠に入れて、交尾・産卵ということにあるので、夕暮れには忙しくなります。
今日は、雨上がりの割合暖かい晩なので若しかしたらと見ていますが、未だのようです。例年ですと皇帝ダリアが1mぐらい伸びることにゲンジが羽化するのですが、今年は上陸が早すぎて、皇帝ダリアはまだ全く伸びていません。

ヘイケの方は羽化し始めたら、上陸装置ごと籠に入れて、駕籠の中で羽化するように考えています。
私の住む国分寺市はホタルのホッチというのがシンボル・キャラクターですので、狭い庭の片隅でも、少し人間が協力すればホタルの再生サイクルが可能という実績を積み重ねたいと思っています。

プーチンのロシア、平均余命延伸目標の意味は?

2018年05月12日 11時26分31秒 | 政治
プーチンのロシア、平均余命延伸目標の意味は?
 去る3月、最大の政敵を立候補不能にしたうえで76%という圧倒的な支持を得て大統領に当選したプーチンさんですが、この当選に対しては、反対のデモも過去最大かどうかは別として相当なものだったようです。

 北朝鮮の大きな変化も予測され、中国も、独裁色を強めるとは言われながらも、政治の浄化、国民生活の安定向上に舵を切らなければならなくなっているようです。
 世界各国の情勢も動かないように見えて、動くときは急速なのかもしれません。

 背後には情報通信手段の急速な進歩などがあり、世界のあらゆる情報が至る所に浸透していくといった状況があるのでしょう。
 アメリカがそうした状況の先陣を切りながら、内向き政策に走るというのは大変な皮肉ですが、アメリカの良識は、トランプ政策とはかなり違っているように思います。

 こうした世界人類社会の変化を見ての事でしょうか、プーチンさんも、これまでの軍事力や領土拡張一辺倒の様なスタンスから、ロシア人の平均余命を78歳に伸ばすという内向きの、国民を喜ばせるような政策目標を打ち出しました。

 おそらくこれは象徴的な指標で、ロシア国民の生活をより良くしていくという政策意図を国民に示そうとしたという事でしょう。
 ロシア人の平均寿命は現状72.9歳だそうで、2024年に75歳台に、2030年に77歳台に伸びるという予測とのことですが、プーチンさんは、それを大きく先取りし、2024年までに78歳にすることを大統領令で目標に定めているとのことです。

 国民の平均余命が大統領令で決められるのかどうかは解りませんが、それに政策資源の一定部分をつぎ込むという意思は明らかでしょう。
 領土拡大ではなく、民生の安定向上に力を入れようという事であれば、これはロシアにとっても、世界にとっても大変良いことだといえそうです。

 民生の安定向上にはカネがかかります。経済制裁を受け、経済成長もままならないロシアですから、民政にカネを掛ければ軍事力の増強などには影響が出ることは当然です。
 プーチンさんも、そこまでやらなければ、今後国民の支持は得られないと読んだのでしょう。

 これは大変重要なことのように思われます。より多くの国の指導者が、国民の生活の安定を重視し始めるということは、その国の国民にとっても、地球市民にとっても、大変結構なことです。

 そして多くの国の経験から見れば、いったん国民生活の改善に力を入れて国民の支持を得ようと言いう政策をとると、国民の要望はどんどん大きくなり、それが財政を圧迫し、軍事力増強などに振り向ける原資の捻出が次第に難しくなるという結果を招きます。

 これは世界の平和と安定には大変結構なことでしょう。
さて、今後、ロシアの政策はどう展開していくのでしょうか。

2018年3月期決算:利益は過去最高へ

2018年05月11日 21時58分45秒 | 経済
2018年3月期決算:利益は過去最高へ
 前期の決算発表は今週に殆ど集中したようです。
 SMBC日興証券が10日までの800社弱の決算を集計していますが、利益額は24兆円を超えていて、今期の上場企業の利益は過去最高を記録するようです。

 このブログでも、2018年度の企業の状況、景気の動きについては、種々の経済指標を取り上げながら、かなり手放しで楽観的な予想をしてきましたが、大方の予想もそうだったように、確かに企業経営は好調のようです。

 ただ、今年に入って、アメリカのドル安選好ともいえる発言も出て1$=104円まで円高になったり、トランプさんの輸入関税の発言が出たりして、先行き懸念も根強いようで、今年度決算(2019年3月期)については、企業の見方は慎重という解説が一般的です。

 前年度は、東芝など海外投資で大幅な損失を出した大企業の、海外投資行動の失敗などもあり、益々海外進出を強める日本企業の投資行動についての懸念も一部に言われますが、巨大な海外投資行動はソフトバンクや武田薬品に見られますように、ますます盛んな様相で、2013年以降の円安で改善した財務体質を背景に今後も活発化の様相が見られます。

 これはある意味では国内経済の不振の反映という面もありますが、経営や技術開発競争の急速な国際化を背景に、海外投資の動きはますます積極化しそうな気配です。

 政治的には米朝首脳会談の行方、経済的にはアメリカの自国優先、貿易戦争も辞さずといった異常な行動が本当にどこまで進むのか、などなど、先行き不透明なことが多すぎますが、こうした問題が余りに変な方向に行かず、トラブルを避けるような動きが見えてくれば、世界景気は何とか順調に、ゆっくりでも前に進む気配で、今年度の日本経済も日本の企業収益もそうした中で堅調な推移を辿る可能性はありそうです。

 こうした政治・や貿易に絡む問題と同時に、来年3月期決算の決算予想について、多くの企業がかなり慎重な見通し(多くは多少の減益傾向)を見通しているのは、為替が円高に動く可能性を読んでいるからということのようです。

 アメリカの利上げの傾向は大方の予測ですから、日銀が異次元緩和を続ければ、ドル高・円安というのが金利と為替の関係ですが、世の中は経済理論度通りにはいかないと企業は見ているのでしょう。

 アメリカの本音は「当面ドル安が良い」ということだとの理解は一般的でしょうし、日銀がいつまで異次元緩和を続けられるかには金融システムの機能不全など困難が見え見えになってきているのではないでしょうか。

 多くに企業が来年3月期の決算を厳しく見ている理由には、もしも円高が進行したらということで、とりあえず円高を想定した予測が多いという事ですが、折しも前年度の経常黒字が22兆円と史上最大に近づくという数字が発表されました。こうした大幅黒字を出しながら、金融緩和で円安にということが可能かどうか誰もが不安でしょう。

 為替レートの安定が、日本経済にも企業経営にも大きく響かざるを得ない中で、不測の円高を防ぐためにも、「 日本経済の体質に根差す経常黒字」の拡大という問題を本気で考えなければならない時期に来ていると思うところです。

近づく米朝首脳会談、思惑の腕比べ

2018年05月10日 09時53分21秒 | 国際政治
近づく米朝首脳会談、思惑の腕比べ
 米朝首脳会談もそろそろ時と場所が決まるようです。トランプさんは中間選挙での勝利を目指し、金正恩さんは金王朝の存続を目指し、旗印としては世界の平和と安定を掲げながら、一方では自らの保身と政権の継続を目指しての複雑な思惑を抱いての腕くらべ、知恵くらべになるのでしょう。

 中心問題の非核化では、北朝鮮問題に先立って、イランの核合意問題があったわけですが、トランプさんは、オバマ前大統領との選挙戦で打ち出していた「イラン核合意は欠陥商品」という指摘をそのまま維持し、ヨーロッパからの非難を無視し、離脱を決めました。

 当然これには北朝鮮の非核化問題が絡んでいるでしょう、イランでは段階的、北朝鮮では即時という事ではなかなか説明がつきにくいということもあるのでしょうか。

 北朝鮮の方は、最初から丸裸にされてしまったのでは交渉にならない、金王朝の基盤存続のためには自分でなければ出来ない事を国民に見せつけなければならない、という意識が強くはたらくことでしょう。

 先ずは中国を強力な後ろ盾にしたという力量を見せ、アメリカに体制維持を確約させ、その上に、急速に国民生活を豊かにして見せるという実績を着々実現しなければ、これまでの独裁で築いてきた権力基盤を普通の国になっても維持することは容易ではないでしょう。

 こうした緊迫する情勢の中で、マスコミが言うように、何か日本は蚊帳の外です。安倍政権も「最重要」という拉致問題についても自分からは手を触れず、アメリカはじめ外国首脳頼みで進めている状態では何とも頼りないことで、中国の李克強首相からも、日朝首脳会談をと指摘されたりしています。

 ポンペイオ氏は3人の米国人を連れて帰ることになりました。今後、否応なしに、阿部総理も自ら手を染めならなくなるのではないでしょうか。
 そして、米朝首脳会議が成功し、その後の北朝鮮が体制安定の基盤、国民生活の急速な改善を考える段階が来るとすれば、恐らく北朝鮮は、多様な手段で、出来るだけ多くのカネを日本から引き出そうと考えるのではないかということも想像に難くありません。

 さて、日本は、北朝鮮に対し、これから、如何なる態度で接していくべきなのでしょうか。蚊帳の外から、中に引きずり込まれる時の用意は出来ているのでしょうか。

賃金上昇率の動きに変化?

2018年05月09日 14時25分37秒 | 労働
賃金上昇率の動きに変化?




 前回、この3月の勤労者所帯で可処分所得は増えたのに消費支出は減って、結果的に平均消費性向が下がっているという結果を見ましたが、今回は、可処分所得の元になる賃金の動きを見てみました。

 というのは、今日、厚生労働省から「毎月勤労統計」の3月速報が発表になったからです。
 上のグラフは調査産業計の一般労働者(パートは別集計です)についてのものですが、この1年間、つまり昨年4月から今年の3月までの賃金指数(毎月勤労統計では賃金実額を1人当たりに直して、時系列比較がやり易いように賃金指数を発表しています)で対前年同月の上昇率(%)をグラフにしたものです。

 ご承知のように、「現金給与総額」は所定内給与と残業代とボーナス等の合計、所定内給与はいわば月例給という事です。

 ご覧いただきますと解りますように、昨年12月までは対前年上昇率は、どちらも1%未満という水準で、昨年7月にちょっと異常なマイナスがありますが、あまり変化はありません。

 しかしよく見ると現金給与総額の方は年末にかけて少し上がっていて、今年1月に入りますと現金給与総額も、所定内給与も、1%に載せて来ています。

 これが傾向的なものか、一時的なものかは、まだ確言は出来ないという事でしょうが、4月からは春闘の賃上げの影響が出てくるでしょうし、春闘賃上げ率は昨年を上回るようですから、4月から6月辺りにかけて、春闘の結果がこの指数に反映されてくると、賃金指数の上がり方に、何らかの上向きの変化がみられるようになるのかもしれません。

 予断は禁物ですが、今後も毎月勤労統計の賃金指数の動きには関心を持って見ていくことが必要なようです。

財布の紐を緩めない勤労者所帯

2018年05月08日 23時03分42秒 | 経済
財布の紐を緩めない勤労者所帯
 今日、総務省統計局から2018年3月分の「家計調査」の結果が発表になりました。
 早速、気になっている平均消費性向(勤労者所帯)を見てみましたが、残念ながら3月も前年同月比「低下」でした。

 勤労者保体の数字は2人以上世帯の内数で、従って単身所帯は含まれませんが、通常、代表的指標とみなされるものです。

 2018年3月、勤労者所帯の可処分所得(手取り収入)は373,320円で前年同月比は、2.8%の増加でしたが、消費支出は334,998円で前年同月比は、0.6%の低下ということで、結局、平均消費性向は前年の92.9%から3.2%ポイント下がって89.7%になっています。

 今年度の民間最終消費支出は、政府経済見通しによれば、311.5兆円ですから、日本全体の家計が勤労者並みに財布の紐を締めれば(平均消費性向が低下すれば)日本経済には10兆円ぐらいの消費支出のマイナス効果が出ることになり、経済成長率には2%ほどのマイナスになるわけです。

 もともと、政府経済見通しでは、雇用者報酬は3.4%伸びることになっているのですが、民間最終消費支出は2.1%しか増えないことになっているので、(勿論雇用者報酬と民間消費支出の算出ベースの違いはありますが)それぞれを平均的なものとみなせば、政府自体が「財布の紐は締まる」とみているということになります。

 消費拡大の必要を言いながら、消費が増えるような政策が取れないことを自認しているのでしょうか。

 確かに国会の殆ど前向きの経済政策についての議論など無い状態や働き方改革の何か職場を不安定にしそうな中身、年金や医療介護、子育て支援の財源不足の様相などを見聞きしていますと、国民はどう見ても先行き不安に駆られ、先ずは「将来の生活防衛のために貯金」と考えるのも頷けるところでしょう。

 1月の消費性向上昇でムードが変わるのかと思ったのは糠喜びで、今後も家計調査が発表になるたびに、「消費性向前年同月比で低下」などと書かなければならないということになりますと、どうにも気が重くなるところです。
 何かいいニュースはないでしょうか。

難局打開に必要な「政府の信用」:前回の続き

2018年05月07日 21時37分20秒 | 政治
難局打開に必要な「政府の信用」
 前回、閣僚や官僚は『嘘』をつかいないでほしい、と書きましたが、政府が国民から信用されなければ、民主主義は機能しないでしょう。
 裏を返せば、政府が本当に国民に信用されていれば、不可能と思われるようなことでも可能にすることもできるということになります。

 今迄の様な事をやっていたら、恐らく財政再建は不可能でしょう。しかし、政府が国民の信頼を得れば、この程度の財政再建は容易に可能と私は考えています。何と言っても日本は世界トップクラスの経常黒字国・債権国なのですから。
 大事な事は、早く、日本国民が信用出来る政府を持つことです。

 今、多くの人は「それが一番難しいんだよ」と言われるでしょう。その通りかもしれません。しかし、こんなに真面目で頑張り屋の日本人に、信頼できる政府が持てないなどということはないはずです。
 
 「どうせ政府なんか信用できないんだから、国民は、政府など宛てにしないで、自分で頑張る」というのが最近の風潮のようですが、それでは政府のベクトルと、国民のベクトルが違う方向に向いてしまい、効率が悪くなるのは当然です。

 今度いつ選挙があるかわかりませんが、選挙を通じてか、あるいは今の政権の内でも、今後は「嘘」を許さない厳しい目で、政府に嘘をつき通させないように厳しく監視する気概を国民が本気で持つことが必要でしょう。諦めてしまってはいけません。

 10日の元総理秘書官の国会喚問(参考人という所にまだ隠したい気持ちがあるのでしょうか?)辺りがきっかけになりうるかもしれません。
 政府が、本当に、国民が何を思っているかを知ろうとし、国民の思いを掬い取って、政策を打つようなまともな状態にならない限り、財政再建は無理のように思われます。

 もしそういう体制が出来るならば、日本としてやれることは沢山あります。このブログでも、問題点や対策は種々論じてきたつもりですが、国民は言いたいことを山ほど持っているはずです。それが大事なのです。

 安倍さんも、最後には「自分の考えより、国民の考えの方を大事にするのが民主主義だった」と解ってくれればいいのですが、どうでしょうか。

いよいよ本格化する財政再建問題

2018年05月06日 22時38分30秒 | 政治
いよいよ本格化する財政再建問題
 ゴールデンウィークの最終日、さて明日から「仕事」という日になって、「お仕事大変ですよ」という目覚まし時計のような役割をしてくれたのでしょうか、マスコミが財政再建問題を取り上げました。

 このブログでも、財政再建については何かあるごとにその都度取り上げてきましたが、当初は、日本国債は95%以上貯蓄志向の強い国民が保有し、健全資産と考えているからそれほど心配しなくてもと思えたものが、次第に変質してきました。

 ゼロ金利になって、国債を買ってもほとんど利息が付かない、それをいいことに政府は安易に国債を発行し、また日銀はそれをどんどん買い上げる。更にそれをいいことに政府は借金(国債発行)にルーズになって、増税を取りやめ、財政再建などはどんどん先延ばしする、安倍総理は消費増税延期の記者会見で、「延期しても、2020年の プライマリー・バランス(PB)達成には関係ありません」などとすらすらと「嘘」を言って国民を欺き、国民が忘れたころと思ったのでしょうか、昨年には「 2020年のPB達成は先延ばしします」ただし「財政再建の旗は降ろしません」などと、常識があきれるような発言をしています。

 しかし、条件はこのところ急速に変わりつつあります。ゼロ金利政策が日本の金融システムを蝕みつつあります。元々 ゼロ金利で金融システムが成り立つはずはありません

 日本経済の節目で必ず問題を提起して来た団塊の世代が2025年には続々と後期高齢者になり、医療・介護の国庫負担は急増することが確実です。
 序ですが、今朝の報道では林業不振で廃業した11の林業公社の累積債務は2400億円で、資産価値はわずか100億円、今後の廃業は増えるのでしょうが赤字の穴は国庫が埋めるとのこと、ご存知のモリカケ問題では財政支出の見張り役の財務省理財局が、不適切な支出の引き出し方を指導することもあるようです。

 これではまさに笊で水を汲むようなものでしょう。PCをあやつりながら真面目にEtaxで確定申告をするのがあほらしくなるような気分です。

 個人的なことは別として、金融の正常化は避けられない問題でしょう。財務省は「国債にまともな金利が付くなんて・・・!」などと驚いてはいられないでしょう。金利機能は貨幣経済にとっては必要条件です。
 1000兆円を超える国債の金利が1%上がれば国債費は10兆円増えます。 国民は喜ぶでしょうが、財政再建はますます遠のきます。
 その分は消費増税で取り返そうなどというアイデアが出てくるかもしれません。

 いっそインフレで国債が紙くずになればいいなどとは考えないでしょうが、戦中世代には 鮮烈な記憶がいまだに残っています。

 財政再建についても、これからはいい加減な嘘は言わないで頂きたいと思いますし、財務省は自らも含め、財政支出の中身には本気で目を光らせてほしいと思います。
 国民は、 政府を信用するからこそ、国債も買いますし、税金も納めるのです。閣僚も、官僚も、これからは「嘘」は言わないでほしいとまずお願いしたと思います。

平成最後の「こどもの日」に思う事

2018年05月05日 13時54分13秒 | 社会
平成最後の「こどもの日」に思う事
 今日は平成最後のこどもの日です。「平成という時代」をシリーズ化して時折書いてきていますが、振り返って考えて見れば見るほど、平成という時代は、戦後の日本にとって、本当に暗い時代でした。

 原因を突き詰めてみれば、アメリカの経済戦略とそれに対する日本の対応の拙さに原因があることは解って来ますが、この昭和の末期に原因を発し、平成の30年苦しんだ経験を今後の日本の経済政策、さらには国際関係のへの対応に、残念な失敗の教訓として残すことが大事だと、つくづく思うところです。

 折しも今日は「こどもの日」ですから、われわれ失敗した世代の子供や孫たちに、この失敗の結果を少しでも回復させたうえで引き継いでもらうこと、そして同じ失敗を二度と繰り返さないように、われわれの学習の成果を確りと伝える事が重要でしょう。

 失敗の原因の最も大きなものを一つだけ挙げれば、それは為替レートについての経験と知識の不足でしょう。
 具体的に言えば、プラザ合意(1985年)でG5の円高要求を「素直に受け入れた」ことです。結果的に円レートは1ドル=240円から120円になり、日本の物価と賃金が基軸通貨のドル換算で2倍に跳ね上がったという経済環境の大変化です。

 その結果は、プラザ合意の5年後に顕在化したバブルの崩壊、その後の失われた20年と言われる中で、リーマン・ショックで円レートは1ドル=80円まで上昇、日本経済はゼロ・マイナス成長が常態という超長期の苦しみを味わいます。

 この為替レート切り上げについての認識の浅さが、一部からは「 経済敗戦」といわれる日本経済の低迷、平成という暗い時代をもたらしたのです。

 後にアメリカから「人民元」の切り上げを強く要請された中国が頑として受け入れなかった背後には、「我々は日本の失敗の経験から学んでいる」という言葉があります。

 この昭和末期の失敗が平成という暗い時代を作りだしたという現実は平成も末期に近づく2013年(平成25年)まで続きます。
 そして平成13年、14年と続いた日銀の政策変更による円安政策「異次元金融緩和」で、円レートは1ドル=120円の円安を実現し、為替レート上は終わりを告げます。

 しかしバブル崩壊以降30年にわたって続いた深刻な不況の経験は、今日の経営者、管理者、一般サラリーマン、さらには消費者や家計にまで、経済成長のない世界に住むのが日常という意識を持たせたのでしょう。ゼロ成長で賃金は上がらず、貯金をしても利息は付かず、年金の給付は減る中で、65歳以降、老後をどう生活すればいいかという不安が払拭されず、しゃにむに貯蓄に励む社会を作り出してしまったようです。

 現実には、かつてのような円高を安易に受け入れる失敗がない限り、真面目に働く日本人です、生産性は上がり、経済は成長し、その成果は海外に流出せず、日本人に還元されるという通常の経済サイクルが帰ってくることになります。

 改めて今日は「こどもの日」です。日本の経済政策・金融政策の担当者も、世の親たちも、「子供たちが将来に希望と自信を持てるような日本」にするためにどうしたらいいか、改めて確り考えることが必要なように感じるところです。

憲法記念日に寄せて

2018年05月03日 11時13分46秒 | 政治
憲法記念日に寄せて
 今日は5月3日「憲法記念日」です。
 矢張り憲法についての思いを書いておかなければならないと思い、書くことにしました。
 
 昨年から安倍さんの主導で改憲の動きが強くなるかと見て来ましたが、逆にこの所、改憲は国民の総意にはならないという雰囲気が強くなってきたようです。
 理由は、安倍さん自身への不信感が主でしょう。李下に冠を正して恥じず、その言い訳に国会で1年以上の時間をかけるような総理は日本として恥ずかしい限りです。

 日本はそんな国ではなかったと言いたいところですが、選挙で選ばれたと開き直られると、それまでというのが民主主義なのかもしれませんが、今の世論は選挙の時とは違うようです。

 しかし考えてみれば、「改憲」と言っても、どこを改めるか、どう改めるかは同床異夢で、こんな状態で改憲の賛否と言っても、議論は深まりそうにもありません。
 本当に大事な事は、9条の戦争放棄を国民の総意として掲げるかどうかを、変化する国際情勢の中で、国民がどう判断するか、はっきり言えば、国民がどう覚悟を固めるかという事でしょう。

 大国をはじめとして、力をもって国際関係を解決しようといういわば野蛮な時代が地球上にまだ残っている今日という時代の中で、力は力でも「武力」ではない「ソフトパワー」でそれをやろうと覚悟を固めたのが現行の日本国憲法でしょう。
 
 いわば100年の単位で世界史を先取りした日本国憲法です。多分江戸から明治への改元を機に、日本で内戦がなくなったように、1945年を機に、何時か地球市民同士が戦争をすることがなくなることを願って(信じて)、作られたのでしょう。

 そしてそれは1万年以上の縄文時代を通して戦争の無かった縄文時代の日本文化の源流に、似合ったものだったが故に、すんなりと受け入れられたのではないでしょうか。
 「憲法記念日」が制定されたのは、国民がこの憲法は素晴らしいと思っていたからこその結果でしょう。

 今、改憲論が言われるというのは、一部に、日本国憲法の戦争放棄は早すぎた。未だ地球市民は野蛮で、武力に頼っている。だから日本も現実に合うように後戻りすべきだ、という意見が出てきたという事にほかなりません。

 今回の北朝鮮問題でも地球市民の知恵が試されていますが、こういう時ほど「ソフトパワーでの解決を徹底的に主張せよ」と言っているのが日本国憲法でしょう。
 なのに、日本国内で改憲論議が高まっているということになると、たとえ日本がそう主張しても迫力はなくなり、日本はアメリカの驥尾に付しているだけということで世界からは無視されることになるようです。

 現実もその通りで、日本は蚊帳の外といわれたり、安倍さんの度重なる外遊も、アメリカの主張の念押しと、経済援助の話だけになっているようです。

 日本の自主性確立のために、強い軍備を誇示するのか、道義と平和の理念を掲げて、ソフトパワーによる解決の主張に全力を尽くす国としての主張を貫くのか、改憲論議は、今まさにここに繋がっているのではないでしょうか。

紫蘭(しらん)も綺麗に咲いてくれました

2018年05月02日 10時48分15秒 | 環境
紫蘭(しらん)も綺麗に咲いてくれました




 日本はゴールデンウィークの中休み(?)ですが、極東の国際関係は大きく動いています。この大きな変化の兆しが、世界の平和と安定に新しい次元を開くような画期的なものに順調に結実していくのかどうか、世界の多くの人々が、望ましい結果を期待しながら時間のたつのを待つといった所でしょうか。

「嵐の前の静けさ」でなく「対立抗争から和解への王道への静かな序曲」であってほしいと願いながら、これからの1か月程を、日々新たな情報を待ちながら、静かに過ごしたいと思っています。

 そんなことで、今日も心静かに花の写真を飾ることにしました。昨日書きましたカルミヤの下に、ギボウシの間から伸びている紫蘭の花です。

 手入れの悪い庭ですが、緑の葉は出来るだけ伸ばしておきたいと思っているので、藪のようになる所が多いのですが、それでも、こうして花そのものを確りと見ると、矢張り素晴らしく美しいという感じを強くします。

 紫蘭はその色の鮮やかさから付いた名前なのでしょうか、緑の中に伸びた赤紫の花は緑に映えて、際立て綺麗に見えます。
 我が家の場合は、丁度伸びて広がるギボウシの大きな葉の下から紫蘭が伸びているので、意図した結果ではないのですが、一層花の美しい色が目立つようです。

 狭い庭でも綺麗に咲いてくれる花々を愛でているうちに、そんな平穏な日々が、世界に一層広がるような結果が出てくれればと益々思うところです。

カルミヤの花は小さな1輪もいいですね

2018年05月01日 11時54分08秒 | 環境
カルミヤの花は小さな1輪もいいですね




 我が家の玄関の脇には メジロが毎年巣を作ってくれるハナミズキの木がありますが、その下に背丈を越えるぐらいに伸びたカルミヤの木があります。

 カルミヤはあまり日当たりが良くなくても結構花が咲くようなので植えたものです。その辺りの土はもともと石ころが多く肥料もないようなので、シャベルで穴を掘っては生ごみや肥料を入れていましたが、少しは甲斐があったようです。

 今年は沢山の花をつけてくれました。今年はというのは、この所我が家のカルミヤは1年おきに綺麗に咲いてくれるからです。
 理由は土が良くないというころもあるのかもしれませんが、多分最大の原因は、花が咲いた後、花柄(かへい:花をつける茎)を取ってやらないからのようです。

 以前は丁寧に取ってやっていましたが、花が沢山つき、寄る年波で取るのが大変になって、一部取るだけで草臥れてやめてしまうのがもう長くなりました。
 花柄を取ったところは翌年も花をつけるようですが、枯れた花柄がついているところは新しい花芽が出にくいのでしょう。そんなことで1年おきになってしまいます。

 カルミヤの花というのは枝の先にまとまって咲きますが、1つ1つみると、極めて精巧に出来ていて(花はみんな精巧ですが)、偶々落ちている1輪を拾ってみたりすると「なんだプラスチックの造花か」と思ってしまうような確りした花です。

 咲き誇っている様子を見るのも良いのですが、直径1.5cmぐらいの小さな花1輪を、よく見るのも、造化の妙、カルミヤの花の鑑賞スタイルとして如何でしょうか。