空っぽにして
胸を空っぽにして
器が空っぽのまま
僕の時間を辿ってゆく
重たげな雲に蓋をされた
終末期のような昏い風景を
その天空から
若しかして
小粒の水玉のように
優しさを含んで
降って来るものがあるかと・・
明るさのない鈍色でも
その上の蒼穹から
ひと筋の光の軌跡が
僕の胸を掠めないかと・・
幽さの痕跡を
言葉で紡ぎたいと
息を詰めて天地の合間をゆく
気を絞って
ゆっくり
僕の時間と同行二人で・・
風景は刻々と廻ってゆくけれど
時間は淡々と刻まれてゆくけれど
想念は次々に置き去りにされるけれど・・
刹那を成就させるために
kotobaの武器と
不動の確信と不退転の覚悟と
錨のように
胸奥深く定めながら・・