囲碁きちの独り言 Ⅱ

趣味の旅行、うたごえ、囲碁の事や日常の出来事を記録する。

映画 裸の島

2012-06-03 12:36:32 | 囲碁きちのつぶやき
 5月29日、映画監督の 新藤兼人さんが、100歳で亡くなられました。明治45年生まれとのことですので、亡くなった私の父親と同じ年だったと知りました。

 私が今まで観た映画の中で、一番印象に残っているのは、「戦艦ポチョムキン」と新藤監督の「裸の島」です。



 先日の四国旅行の際に、バスの中から瀬戸内海が見えましたが、その海を見てまず思ったのが、「裸の島」の映画のことでした。
 なぜ、その映画を見に行ったのか? 誰と行ったのか? などは覚えていませんが、映画が当時の日本の状況を表しているようでとても強烈な印象を受けました。
新藤監督の最後の作品 「一枚のハガキ」も見ました。考えて見たら、初期の作品と最後の作品を見たことになります。この映画は、100人中6人しか生き残らなかったという軍隊での新藤監督の実体験を描いた作品でした。


 新聞報道によれば、ご遺族は、代表作「裸の島」を撮影した広島県三原市の宿祢(すくね)島に散骨する意向だそうです。同作に主演し、94年に亡くなった妻で女優乙羽信子さんの遺骨の半分が同島にまかれているそうです。新藤監督と乙羽さんは、映画を撮った思い出の地、宿祢島で眠ることになるそうです。

 50年前に観た映画が、生涯で一番印象に残った映画になるとは思いませんでした。
 自身の悲惨な戦争体験から、戦争の虚しさ、愚かさ、非人間性を描くことで非戦・平和を訴える方を、また一人失うことになり、残念でなりません。心よりご冥福を祈ります。


参考
 
瀬戸内海に浮かぶ周囲約500メートルの小島に千太とトヨ夫婦、彼らの二人の子供が生活している。島には段々畑があって夫婦は夜明けから日没まで黙々と畑仕事に励む。島には水がなく、大きな島から桶に水を汲んでは小舟で運び、畑に水をかけねばならない。日射しが強く土は水を一瞬にしてすい込んでしまう。自然と闘いながら生きていく人間の姿を描く新藤兼人の詩編。スタッフ、俳優全10数名の小さな撮影隊が瀬戸内の小島にこもり、主人公たちのように黙々と撮影を続けていった。セリフをいっさい排し、映像だけで語るというサイレント映画的な実験意欲に満ちた作品。黒田清己の撮影、林光の音楽も素晴らしい。
「裸の島」は60年に撮影、公開された。翌年にはモスクワ映画祭でグランプリを取るなど、国内外で高く評価され、乙羽さんにとっても代表作の1つになった。





コメント (6)
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