東洋経済の2018年4月6日の記事です。森友事件に絡み籠池夫妻の長期勾留に外国人記者が疑問を投げかけ、不安を抱えていました。
その不安が今回のゴーン事件で現実になりました。私は長期勾留がいろいろのえん罪の温床になっていると思っていました。外国人が見た「長期勾留」の問題点を一緒に考えてみませんか?是非、読んでみてください。
なお、東洋経済の記事全文はこちらにアクセスしてください。
https://toyokeizai.net/articles/-/215509
外国人が心底怖がる「勾留地獄・日本」の真実
世界一安全な国が抱える闇
日本の司法制度は籠池夫妻を不当な苦しみから解放することができるのだろうか。誰に聞いてもウソつきな3流カップルの籠池夫妻には、人気者のヒーローのような経歴はない。彼らをよく言う人を見つけるのは事実上不可能だ(筆者は実際探してみた)。
それでも、彼らはこの世界で「立派」と称される人たちと1つだけ共通点がある。不当勾留されていることだ。南アフリカの指導者ネルソン・マンデラやミャンマーのアウンサンスーチー、中国人反体制活動家劉暁波といった殉教的な人々が自分の主義主張のために投獄されたことを、世界は褒め称えている。
昨年7月から勾留されたままの籠池夫妻
籠池夫妻にはそんな人道的な大志はないが、彼らの勾留は、日本の刑事手続きが不当であることを示している。そして、日本人のみならず、在留外国人や観光客に至るまで日本の刑事手続きに翻弄されているすべての人に警鐘を鳴らしている。
籠池夫妻は昨年の7月から勾留されている。いまだにいかなる罪でも有罪とされておらず、理論的には、判決が確定するまで無期限で勾留が続く可能性があるのだ。原理上、彼らは勾留されるべきではない。刑事訴訟法89条は一部の例外を除いて「保釈の請求は許されるべき」と定めている。しかし、夫妻の件を担当する裁判官は、「被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」には保釈は却下されるべきとする89条の4項の例外を行使して、保釈を認めなかった。
この件に関しては、そのような危険性はないと言っていい。事件の証拠は裁判に向けてすでに押収されており、籠池夫妻は日本以外に逃げ場所がないからだ。
にもかかわらず、勾留するというのはいかにも日本的だ。つまり、被告人にとっては正当な理由もないのに勾留されるのが当たり前で、保釈は例外というお決まりのパターンである。「10年前には被告人が釈放されることは基本的に不可能だった。検察の『勾留請求』の99%以上が認められていた」と、弁護士で現在は日本の監獄人権センターの事務局長を務める田鎖麻衣子氏は推測する。「今でも97%程度は認められている」。