大間原発反対の裁判での意見書を読んでいたら、「戦争絶滅受合法案」という言葉が出てきました。無学な私は、この言葉を知りませんでした。そこでネットでこの言葉の由来を調べてみました。
言葉の由来は90年以上前にさかのぼるそうです。
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長谷川如是閑(はぜがわ・にょぜかん)という大正デモクラシー時期 の日本の論客が、デンマークを訪問した際にデンマークのホルムという軍人 が自らの経験を踏まえて、戦争を無くすための面白い法律「戦争絶滅受合法 案」を考え、諸国にその提案をしていることを紹介しています。
その法案の内容がとても面白く、最近の国会で成立した安保法案にもこの条 項を追加で盛り込んでもらいたいと思いました。この法案は1929年に考案 されたので、90年も前のことですが、今日でも是非実現してもらいたい内容 です。ではその長谷川氏の文章を紹介しましょう。
//////////// 「戦争絶滅受合法案」(長谷川如是閑) 1929.1.1///////
世界戦争(第一次世界大戦)が終おわってまだ十年経か経たたぬに、再ふたたび世界は戦争の 危険に脅かされ、やれ軍縮条約の不戦条約のと、嘘の皮で張太鼓を叩き廻 っても、既に前触れ小競合いは大国、小国の間に盛んに行なわれている有 様まで、世界広しと雖えども、この危険から超然たる国は何処にある?その 火の手の風上にあるのはデンマーク位なものだろうということである。
そのデンマークでは、だから常備軍などという、廃刀令以前の日本武士の尻みたようなものは全く不必要だというので、常備軍廃止案が時々議会に提出 されるが、常備軍のない国家は、大小を忘れた武士のように間のぬけた恰好 だとでもいうのか、まだ丸腰になりきらない。
然るに気の早いデンマークの江戸ッ子であるところの、フリッツ・ホルムという コペンハーゲン在住の陸軍大将が、この頃「戦争を絶滅させること受合いの法律案」というものを起草して、これを各国に配布した。何処の国でもこの法律を採用してこれを励行したら、どうしたって戦争は起らないことを、保証する と大将は力んでいるから、どんな法律かと思えば、次のような条文である。
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戦争行為の開始後又または宣戦布告の効力の生じたる後、10時間以内に次の処置をとるべきこと。即ち以下の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わしむべし。
1.国家元首。但し、君主、大統領を問とわず。尤もっとも男子たること。
2.国家の元首の男性の親族にして16歳に達せる者。
3.総理大臣、及び各国務大臣、并びに次官。
4.国民によって選出されたる男性代議士。但し戦争に反対の投票した者を除く。
5.キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、其他の高僧にして戦争に公然と反対せざりし者。
上記の 有資格者は戦争の継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態等を斟酌すべからず。 但し 健康状態に就いては召集後、軍医官検査を受けしむべし。
上記の有資格者の妻、娘、姉妹等らは戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、 最も 砲火に接近したる 野戦病院に 勤務せしむべし。 (創案:フリッツ・ホルム)azu
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昔、天野祐吉さんが、反戦のポスターを募ったところ糸井重里さんがこんなポスターを作ったそうです。
このポスター、現代にもそのまま通用します。
平和憲法9条改憲が差し迫ってきました。
もし、日本が戦争する国になったら「総理からどうぞ」と戦場に赴いてもらいましょう。フリッツ・ホルムの言葉の通りに・・・。