私の住む所沢市には、米軍所沢通信基地があります。7月2日以来、この米軍所沢通信基地に事故の絶えない米軍のオスプレイが度々飛来しているのが市民に目撃されています。
不安に感じた市民有志が市内で抗議の声を上げ始めました。そんなひとつに私も加わっている「所沢革新懇」があります。
所沢革新懇が、外務省・防衛省と所沢市、所沢市議会に送った抗議声明を紹介します。これからも多くの市民と協力してオスプレイの飛行に抗議してゆきたいと思います。
CV-22オスプレイの所沢通信基地への離着陸に抗議し、同機の横田基地配備に反対する声明
1 CV-22オスプレイの所沢通信基地への離着陸等
本年4月、日本政府及び在日米軍は、CV-22オスプレイ5機を今年夏頃に横田基地に配備すると発表した。
その後、横田基地には正式配備前であるにもかかわらず、CV-22オスプレイが度々飛来し、周辺地域での訓練を繰り返してきた。
本年7月2日、CV-22オスプレイが米軍所沢通信基地に離着陸した。所沢市に対しても周辺自治体に対しても事前の通告や説明は一切なかった。また、その後も同月11日、17日、18日にも所沢市上空をオスプレイが飛行しているのが目撃された。
2 住民の生活を脅かすCV-22オスプレイ
オスプレイは、プロペラ角度の転換時の不安定さ、墜落を回避するためのオートローテーション機能の弱さなど構造的な欠陥も指摘される、事故率の高い機体である。日本政府が公表した、2017年9月30日時点でのMV-22オスプレイの10万飛行時間当たりの重大(クラスA)事故率は3.27であり、同時期(10月10日時点)の海兵隊機全体の事故率2.72を上回っている。普天間基地に配備されたMV-22オスプレイだけで見ても墜落事故や故障を繰り返している。例えば、2016年12月、空中給油中に名護市安部の浅瀬に墜落事故を起こし、同月には脚部の故障により普天間基地に胴体着陸をした。2017年6月には不具合による緊急着陸が2回にわたって行われ、同年8月には普天間基地所属機がオーストラリア東部の沖合に墜落し、乗組員3名が死亡する事故を発生させている。他にも同月には、大分空港に緊急着陸をし、機体から白煙や炎を上げ10日あまりの間離陸できず、同機と行動を共にしていた別の1機もエンジントラブルを起こし岩国基地に1カ月以上留まっていた。普天間基地に所属している24機のMV-22オスプレイが、わずか8カ月ほどの間にこれだけの事故や故障を起こしているなどというのはまさに異常な事態である。
横田基地に配備を予定しているCV-22オスプレイは、普天間基地に配備されたMV-22オスプレイと異なり、特殊作戦用の機体であり、低空飛行や夜間飛行を行うための機器が強化されている。したがって、CV-22オスプレイは、MV-22オスプレイよりも過酷な条件での運用や訓練を行うことが想定されており、MV-22オスプレイよりもさらに事故や不具合を起こしやすいと考えられる。実際、本年4月以降、横田基地にCV-22オスプレイが飛来してわずか3カ月であるが、6月4日にはエンジントラブルで奄美空港に緊急着陸し、エンジン交換をせざるを得ず約1カ月にわたり離陸することができなったという深刻な不具合を起こしている。さらに、低空飛行や夜間飛行の機能が強化されているCV-22オスプレイの特性から、夜間飛行訓練や低空飛行訓練が繰り返される可能性も高い。
かかるCV-22オスプレイの飛行により、地域住民の生活の安全性が損なわれ、墜落の不安や騒音被害に晒される危険が極めて大きい。
3 住民の不安を顧みない運用
本年4月にCV-22オスプレイの横田基地への配備が公表されて以降、同機の安全性や運用状況について周辺自治体に十分な説明がないまま、事実上CV-22オスプレイの離着陸や市街地上空の飛行が行われていることについて、横田基地周辺自治体や埼玉県基地対策協議会から防衛省に対し何度も十分な説明を求める要請が行われてきた。ところが、今回の所沢通信基地への離着陸はこれらの要請をすべて無視して行われたものである。
MV-22オスプレイについて、離着陸の際や低空飛行訓練時は、学校や病院を含む人口密集地域上空を避けることや、垂直離着陸モードでの飛行を米軍施設内のみで行うとして、機体が不安定になりやすい転換モードでの飛行を限定することが日米で合意されている(2012年9月19日日米合同委員会合意)。しかし、所沢通信基地は人口密集地域の中にあり、基地に隣接して学校や病院も設置されている。さらに、飛行場よりも敷地面積も狭いため、転換モードでの飛行を基地内に限定するなどということもできない。所沢通信基地への離着陸は日米合意に違反する運用であったと言わざるを得ない。
今回の所沢通信基地への離着陸を受けて、所沢市や埼玉県基地対策協議会は、防衛省に対し安全性や運用について十分な説明や日米合同員会合意の遵守を求める要請を行っていたが、これに対する回答も明らかにされないままCV-22オスプレイの運行が継続され、所沢市上空の飛行も行われている。
このようなCV-22オスプレイの運用状況は、住民の安全性や不安や騒音被害を全く顧みる事のないものであって断じて容認できない。
4 まとめ
以上より、CV-22オスプレイの所沢通信基地への離着陸は、安全性に欠陥のある同機を住民の安全や不安感等の被害を無視して運用されたものであり、これに強く抗議し、住民の生活を脅かす同機の横田基地配備に反対する。
2018年7月19日
平和と革新の日本を目指す所沢懇談会(所沢革新懇)
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