剛腕冨山さんの著作。
挫折をバネにガンバレ!といったサラリーマンへの応援歌といった先入観で読み始めたのですが、著者の本気モードに引きづり込まれ一気に読んでしまいました。
読者へは「若者たち(及び若き心を失っていない中高年たち)へ」の呼びかけから始まります。
このカッコ部分が良いではありませんか。
著者は、経歴上エリート街道を邁進した方。
東大法学部・ボストンコンサルティンググループ・スタンフォード大学MBA・司法試験合格・・・。
その行間で修羅場を体験したリアルな記述、生々しい生き様には圧倒されます。
この著者が挫折について語り、それなくしては成功はないという主張は圧巻です。
そして、日本の組織やエリートの脆さ、不合理性、権力の恐ろしさ等について、体験ベースの解説には思わず膝を叩きます。
日々の仕事の中で、当たり前だと思っていること、仕方ないと思っていること等を今一度見直してみなければと反省した次第です。
著者の言う若者は意図的に早めの挫折をすべき、という指摘も大前研一「この国を出よ」の主張と同じ方向性です。
プランドハップンスタンス理論、意図した経験獲得で自身のキャリア、スキルを伸ばしていくことも重要です。
今まで様々な挫折に打ちのめされてきましたが、今にしてみれば確かに自分の力になっているような気がします。
冨山さんの挫折に比べれば、ほんの些細な挫折ですが・・・笑。