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能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

ワークライフバランスと能率 能率で産み出された時間、モノ、カネは、別のことに再投資されるべき

2011年02月19日 | マネジメント

「能率を追及すると、忙しい人生になりますね。もっとのんびりしたいものてすね。」

クライアントから指摘されました。

 

「能率とは、目的と手段のバランスがとれていることですが、実は、能率を追及すると逆にスローで余裕のある人生を送ることができるのです。」と私。

能率への大きな誤解の一つが、労働強化、ムリ・ムダ・ムラの徹底排除などのノルマ強制による人間への圧迫。

これは、20世紀初頭、科学的管理法を主張したF.W.テイラーに対して労働者や労働組合などから非難を受けたことと同根です。

能率で産み出された成果である時間、モノ、カネは、別のことに再投資されるべきなのです。


「能率の父」上野陽一は、日本で最初の経営コンサルティングの現場である小林商店(現ライオン株式会社)の能率の指導を行いました。

ここで産み出された改善成果により、上野は経営者と協議の上、工場労働者に対し午前午後の2回15分間の休憩時間を設定し、従業員より大変喜ばれたということです。

また、上野の指導した中山太陽堂では改善により産み出された成果をベースにして化粧品の増量を行いました。

これにより販売促進につながるという結果を残しました。

上野陽一は、能率の成果が、経営・従業員・消費者に還元されるべきことを一貫して主張し続けたのです。

つまり、能率を増進し、産み出された成果は、趣味や仕事や家族サービス等に再投資し、より充実した人生にすることができるのです。

2時間でやっていたことを1時間でやるよう創意工夫努力する、1万円かかっていた経費を半分にし、その差額を世のため人のために使う・・・。

まさに、能率とワークライフバランスは繋がっているのです。

しかしながら、最近のワークライフバランス論は、休むこと、労働時間短縮だけにスポットライトが当たっています。

能率追及による生産性の向上がなければ、WLBは怠惰やサボリになりかねないのです。


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雑音・騒音と能率 不要、不快な音を聞かされない権利・・・主張できる日が来てほしいものです

2011年02月19日 | 日記・エッセイ・コラム

JR駅のホームでも、新幹線に乗っても、街を歩いても、エスカレータに乗っても、本当に騒々しいですね・・・。


「白線の後ろに下がってください」

「黄色い線の後ろへ・・・」

「不審な荷物を見かけたときは・・・」

「マナーモードにしてください・・・」

「次に二番線に入る電車は・・・」・・・。


「わかってるちゅーの!」思わず叫びそうになる私です。

新幹線で爆睡しているとワゴンを引く女性の声で目を覚ましたり、この間などは改札の車掌さんに肩を叩かれ切符を見せる・・・。

それにタバコは吸えないし、新幹線ホームでも端っこまでいかないといけないし・・・(これは関係ないか)。

車内放送や店内放送でキチッと告知していないと何か事故が発生したときに責任を取らなければならないとか、行政当局からの指導とかがあるのかもしれませんが、それにしても不要な雑音・騒音が多すぎるように思います。

戦う哲学者中島義道氏が「うるさい日本の私」(日経ビジネス文庫)で指摘されているように、日本の「音」はまさに異常な状態です。

日本の不統一な都市景観といったことも取りざたされていますが、それ以上に音の問題は異常事態だと思います。


能率技師の立場からすると、

1.目的を達成するための手段としての「音」の内容と本来の目的とを再度照合し不要な音は消すこと、

2.聴覚以外の視覚やユニバーサルデザイン等での訴求手段への差し替えという解決策があると考えます。


しかし、それ以上に文化である「音」への感性や感覚を大切にするリベラルアーツが極めて重要です。

静寂を旨とする日本文化の伝統がどんどんと過去に追いやられている状況に胸が痛みます。

不要、不快な音を聞かされない権利・・・主張できる日が来てほしいものです。


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