新型コロナウィルスで、すべてが変わった世界・・・。
これから一体どんな方向に進んでいくのか?
PHP新書から面白い一冊が出されました。
転換期の世界 パンデミックの後の世界
Voice編集部編 PHP新書 980円+税
同書は、15人の有識者が、小論文形式や対話形式などで、withコロナ、アフターの時代を展望していきます。
二部構成になっており、「第1部 転換期のビジョン」「第2部 日本の針路を考える」から構成されています。
「サステナビリティと成長を両立せよ」 柳井正(ユニクロ社長)
利己主義から利他主義への転換、バックミラー経営からの脱却。
「日本は世界一の倫理国家だ」 マルクス・ガブリエル(ボン大学教授)
企業は哲学者を採用せよ!
「情報処理に偏重する人類の愚」 養老孟司(東大名誉教授)
「現代版 直接民主主義を構築せよ」 宇野重規(東大教授)
「科学理解と寛容の精神を取り戻せ」 村上陽一郎
「変質する資本主義、変貌する会社」 岩井克人(東大名誉教授)
「文明の二重転換と日本の役割」 中西寛(京大教授)
日本の役割・・・経済転換から知的貢献へ
面白かったのが、谷口功一さん(都立大教授)の「夜の街の憲法論」。
街のスナックと憲法22条の営業の自由をオーバーラップさせながら、真面目に面白く解説していきます。
英国もパブが営業自粛となり、街場の庶民の行動変容したことを指摘しています。
また、数学者の村山斉さんの「役に立たない学問が国を救う」も、説得力のあるエッセイでした。
読書の秋、なかなか楽しめるお薦めの一冊です。