能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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60歳からの人生を楽しむ技術(新装版) 英文学者・渡部昇一さんが遺した定年、シニアのための幸福論

2022年12月18日 | 本と雑誌

「定年からが、けっこう長い 知的に、楽しく、健康的に」

日本を代表する英文学者で、上智大学で教鞭をとっていた渡部昇一さん。

シニアライフを充実させるための一冊を遺されています。

60歳からの人生を楽しむ技術(新装版)

渡部昇一著  祥伝社  700円+税

 

「楽しむ技術」とありますが、単なるハウツー本ではなく、博覧強記の知の巨人、学者生活の中から、導き出された考え方、やり方が33の具体例で解説されていきます。

インスパイアされる内容になっています。

 

5年前に87歳で亡くなられた渡部昇一さん。

蔵書を整理するため、80歳の時に、自宅を新築し100坪の書斎がある180坪の家を新築したそうです。

東京都内ですので巨額な建築費がかかったのではないでしょうか。

英語学を中心にした15万冊の蔵書・・・日本のプライベート図書館としては最大のものだそうです。

その蔵書を死ぬまでに整理して死にたいという思いが、レスフーリッシュ・・・多少無謀でも、そっちの方が幸せと決断して実行したそうです。

本当にすごい方です。

亡くなるまでの最期の5年間は、自分が設計した書斎にこもり、大好きな本に囲まれて過ごされていたのだと思います。

 

著者は、若き日に出したベストセラー「知的生活の方法」出版の時から、書斎にこだわっていました。

知的生活には知的空間が必要だと指摘。

事実、自分の書斎を持つまで結婚されなかったということです。

安岡正篤先生は、書斎は男のバイオトープであり、書斎を持たない男は駄目になると喝破されています。

 

同書には、勉強法や健康法なども紹介されており、勉強になります。

最期には、まとめとして25のアドバイスが掲載されています。

一部を紹介させていただきます。

 

晩年は「賢明さ」より「楽しさ」が大切

 

時間はたっぷりあるので焦らなくていい

 

文科系の世界に生きがいを見つけるのが賢明・・・ちなみに、仕事や労働は理科系の分野だそうです

 

「自分もああなりたい」という存在を思い出そう

 

自分の能力が生かされることは何か?

 

若いころにやり残したことは何か?

 

願望は紙に書いて貼っておこう

 

実現の手段は考えなくていい

 

15歳に戻ったつもりでスタートしよう

 

将来のことを考えて今日を生きなさい

 

恍惚となる時間を増やそう

 

毎日、音読する習慣を付けよう

 

脳の活性化のために舌の運動をしよう

 

「職務」を作って忙しく生きよう

 

毎日30分昼寝をしよう

 

寝室を分けて一人で寝よう

 

同書は、ハマトンやマーフィーなどからの引用もあり、リベラルアーツも楽しめる内容になっています。

定年間近の方、定年を迎えられた方に読んでいただきたい一冊です。


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