労働法の改正で、65歳定年の義務化、70歳定年の努力義務。
「死ぬまで働け!と言うのか」という意見も多々あります。
ただ、定年制度があるのは日本と韓国ぐらいです。
いずれは、欧米諸国のように年齢による差別はなくなると思います。
少子高齢化による労働人口の減少は、人手不足を加速させ、事業が継続できない会社が激増しています。
労働力人口の13.6%を占める912万人のシニアと呼ばれる人たちの活用は必要不可欠な状況になってきました。
今週の日経ビジネス誌2024.6.10号の特集記事は、「65歳の壁を超える シニア人材、総戦力化の条件」。
カルビーや旭化成、YKK、大和ハウスなどのシニア活性化の事例が紹介されています。
ジョブ型雇用、シニアマイスター制度、シニア研修など各社様々な取り組みをしています。
Contents
Part1 サントリー新浪社長「45歳定年」の真意 再雇用・定年延長「70歳」が次の標準に
Part2 専門性は社外でも輝く シニア転職生かす企業
Part3 壁を超えるシニアたち 仕事は自分で作る 経験・技術、現場で輝く
しかしながら、「早く辞めていただきたい」というのが企業の本音だと思います。
人件費増加、「働かないオジサン」、いるのかいないのか分からない「妖精さん」、若手の邪魔をする「老害さん」などと揶揄されています。
いっぽうのシニア社員からすれば、役職定年で給料減額、60歳定年で給料が半分、65歳まで簡易な仕事での社畜待遇・・・「やってられないよ」という声が多数上がっています。
同誌の特集では、「人生に決定権を持つ自由を」というメッセージで締めくくっています。
そのとおりだと思います。
遅くとも50歳くらいまでに自分自身の将来、老後、未来のキャリアデザインを策定し、準備、行動に移していく。
特に、いろいろな仕事を回して、広く浅いキャリアしかない日本のビジネスパースンは、専門性、手に職をつけていかなければならないと思います。
終身雇用、年功序列、企業内組合をベースにして、スペシャリストではなくゼネラリストを抱え込んできた日本の企業。
サバイバルするためには、早いうちから、「二枚目の名刺」、副業、複業で自己防衛、自己武装していかなければならないと思います。
経営コンサルタントの日沖健さんが、東洋経済オンラインに「役職定年を廃止する日本企業が増えた理由 タイプ別で変わってくる新潮流への適応方法」という記事をアップされています。
プロのコンサルタントらしい知見が盛り込まれており、思わずうなずいてしまいました。
日沖さんは、資産状況と健康状況という2軸で4つのタイプに分類し、それぞれの適応法歩を解説されています。
4つのタイプとは、「健康だが貧乏」「健康で金持ち」「不健康で貧乏」「不健康で金持ち」です。
①健康だが貧乏な高齢社員は、企業や国が期待・要望する通り、若い頃と同じように猛烈に働くべきでしょう。というより、猛烈に働いて稼がないと、生きていけません。
一方、金持ちの高齢社員は、企業・国の期待・要望に耳を貸す必要はありません。
②健康で金持ちの高齢社員は、仕事が好きなら働けばいいし、嫌いならリタイアします。
④不健康で金持ちの高齢社員は、無理のない範囲で働くのも結構ですが、基本はリタイアします。
問題は、③不健康で貧乏な高齢社員。働けないが働かなければいけないわけで、選択の余地も有効な対策もありません。このタイプの高齢社員には、企業や国が何らかのサポート・対応をする必要があるでしょう。
出典 「役職定年」を廃止する日本企業が増えた理由 タイプ別で変わってくる新潮流への適応方法 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
健康だが貧乏な高齢社員、不健康で貧乏な高齢社員は、ちょっとつらいですね。
また、「リタイア」という用語が2つ出ていますが、フリーランスや自営業という仕事のスタイルもあるため、初期投資が安価でリスクが低い仕事を自分で起こすという方法もあると思います。
自分のタイプを判定し、今後のキャリア計画を立てることに役立つと思います。
大切なことは、行動レベルにしていくこと・・・案ずるより産むがやすし、です。
サラリーパースンは「不安はないが不満はある」、フリーランスは「不満はないが不安はある」と言われています。
一度しかない自分の人生・・・悔いのないように残りの人生を充実させたいものですね。