廃業率が開業率を上回るようになって数十年・・・少子高齢化の影響もあるのですが、日本の産業界はシュリンクしている状況。国内市場の縮小、経営者の高齢化、事業承継の問題、進行するデフレ、そしてグローバル化などなど企業経営は厳しい状況になっています。
ただ、この環境の変化の中には、ビジネスチャンスがあることも事実。若手起業家や二世・三世経営者がチャレンジングな事業を起こし始めています。
そんな中、刊行された一冊の本。
実務家の書いたこの一冊。個人的には10万円の価値があると思います。
「起業の技術 成功の型を知る」 浜口隆則著
かんき出版 2200円+税
内容的には、起業家に役立つコンテンツだとは思うのですが、この内容は既に企業を経営している経営者にこそ読んでいただきたいものです。いわば、第2の起業のために活用できるものです。
◆目次
1部.理解する 経営の要素と構造
2部.構築する 必要不可欠な経営の12分野を構築する
3部.統合する あなたのビジネスモデルをチェックする
同書の中心となっているのが、二部の経営の12分野。
これを48のワークシートと12の統合の分野から分かりやすく説明されています。シートそのものは、あまり使い勝手がいいものとは言えないと思うのですが、経営全体をシステマテック、ホーリスティックに把握するには大変役立つものだと思います。
著者の定義する12分野は、次のとおりです。
1.ミッション
2.商品力
3.ポジション
4.ブランディング
5.集客力
6.見込み客フォロー
7.サイレントセールス
8.CLVマネジメント
9.経理財務
10.チームビルディング
11.仕組み化
12.投資とリスクマネジメント
同書では、経営を「商品力」「営業力」「管理力」の大きく3つで構造化しています。
このうち、「商品力」「営業力」の2つを重視していることは、まさにそのとおりだと思います。特に、経営とは顧客との関係づくりと喝破されるその姿勢は、中小企業経営を熟知されたスタンスだと思います。
ぜひ、読んでいただきたい一冊です。