和の精神、空気を読む、気合と根性・・・日本の会社は「昭和」世代のがんばりで国際競争力を強めてきました。
が、最近では韓国に平均賃金を追い越され、円安もどんどん進み、かつてのJAPAN as No.1と賞賛を浴びた時の頃がウソのようです。
働き方改革、ワークライフバランス、インクルージョンやダイバーシティ、非正規雇用の従業員の増加、健康経営、パワハラやセクハラなどのハラスメント問題・・・。
組織、職場は既に経営者や管理職の指揮、命令では動かなくなっています。
組織や職場に漂うモヤモヤ感・・・。
社員のやる気の低下、コミュニケーション機会の減少、言われたことしかやらない社員、辞めていく若手社員、シニア社員の増加・・・。
そこを襲ったコロナ禍・・・テレワークや在宅勤務、リモートワーク・・・さらに組織としてのチカラは低下していきます。
いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方
早瀬信・高橋妙子・瀬山暁夫著 ダイヤモンド社刊 1700円+税
組織開発とは、組織や職場のポテンシャルを引き出し、1たす1が2にも3にもなるようにしていく計画的な努力のことを言います。
働く人個人の能力やスキルを開発していくことを「人材開発」と言いますが、組織や職場レベルでのチカラを伸ばそうというのが「組織開発」です。
Organization Developmentを略して、OD(オーディー)とも呼ばれます。
目次
Chapter1 職場のモヤモヤを消し去る!組織開発の「キホン」
Chapter2 知識ゼロからでも実践できる組織開発の「はじめ方」
Chapter3 7つの成功事例から読み解く組織開発「実践ポイント」
Chapter4 さあ、組織開発を始めよう
同書は、組織開発の研究を進める南山大学の教員やコンサルタントの共著。
小難しい理論、理屈だけではなく、現場感のある実践ベースの内容となっています。
また、1on1ミーティングや診断アプローチ、ファシリテーションといった方法論、テクニックではなく、組織の実態に即した事例、ケースを盛り込んだ一冊になっています。
組織開発のスタートは、「信頼」と「対話」。
最近では、心理的安全性という言葉がありますが、働く仲間と自由に意見を出し合い、何でも言える空間を創り出すことが重要となります。
さらに、ポジティブに語り合うことが最も大切。
問題を起こしている人を探る犯人探しではなく、明日を語り合う恋人探しでなければなりません。
現在、小職が研究しているのがアプリシエイティブ・インクワイヤリー(AI)。
米国生まれの、この組織開発手法は、米国マクドナルドや米国海軍で導入されています。
超ポジティブなアメリカ人が好むポジティブアプローチです。
組織力、職場力が落ちている日本の会社。
個々のチカラを伸ばすとともに、組織開発で復活を遂げなければなりません。
マネジメント理論やマネジメント教育にも流行があります。
世の中に不安や不満が増えてきた時、この組織開発(OD)を活用しようという動きが、過去何度もありました。
アフターコロナ・・・先行きの見えない現状を乗り越えていくためにも、組織開発アプローチは有効な手段だと思います。