能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方・・・アフターコロナ、組織や職場に漂うモヤモヤ感をどう乗り越えていくか?

2023年11月08日 | 本と雑誌

和の精神、空気を読む、気合と根性・・・日本の会社は「昭和」世代のがんばりで国際競争力を強めてきました。

が、最近では韓国に平均賃金を追い越され、円安もどんどん進み、かつてのJAPAN as No.1と賞賛を浴びた時の頃がウソのようです。

働き方改革、ワークライフバランス、インクルージョンやダイバーシティ、非正規雇用の従業員の増加、健康経営、パワハラやセクハラなどのハラスメント問題・・・。

組織、職場は既に経営者や管理職の指揮、命令では動かなくなっています。

組織や職場に漂うモヤモヤ感・・・。

社員のやる気の低下、コミュニケーション機会の減少、言われたことしかやらない社員、辞めていく若手社員、シニア社員の増加・・・。

そこを襲ったコロナ禍・・・テレワークや在宅勤務、リモートワーク・・・さらに組織としてのチカラは低下していきます。

いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方

早瀬信・高橋妙子・瀬山暁夫著  ダイヤモンド社刊 1700円+税

 

組織開発とは、組織や職場のポテンシャルを引き出し、1たす1が2にも3にもなるようにしていく計画的な努力のことを言います。

働く人個人の能力やスキルを開発していくことを「人材開発」と言いますが、組織や職場レベルでのチカラを伸ばそうというのが「組織開発」です。

Organization Developmentを略して、OD(オーディー)とも呼ばれます。

 

目次

Chapter1 職場のモヤモヤを消し去る!組織開発の「キホン」

Chapter2 知識ゼロからでも実践できる組織開発の「はじめ方」

Chapter3 7つの成功事例から読み解く組織開発「実践ポイント」

Chapter4 さあ、組織開発を始めよう

 

同書は、組織開発の研究を進める南山大学の教員やコンサルタントの共著。

小難しい理論、理屈だけではなく、現場感のある実践ベースの内容となっています。

また、1on1ミーティングや診断アプローチ、ファシリテーションといった方法論、テクニックではなく、組織の実態に即した事例、ケースを盛り込んだ一冊になっています。

 

組織開発のスタートは、「信頼」と「対話」。

最近では、心理的安全性という言葉がありますが、働く仲間と自由に意見を出し合い、何でも言える空間を創り出すことが重要となります。

さらに、ポジティブに語り合うことが最も大切。

問題を起こしている人を探る犯人探しではなく、明日を語り合う恋人探しでなければなりません。

現在、小職が研究しているのがアプリシエイティブ・インクワイヤリー(AI)。

米国生まれの、この組織開発手法は、米国マクドナルドや米国海軍で導入されています。

超ポジティブなアメリカ人が好むポジティブアプローチです。

 

組織力、職場力が落ちている日本の会社。

個々のチカラを伸ばすとともに、組織開発で復活を遂げなければなりません。

 

マネジメント理論やマネジメント教育にも流行があります。

世の中に不安や不満が増えてきた時、この組織開発(OD)を活用しようという動きが、過去何度もありました。

アフターコロナ・・・先行きの見えない現状を乗り越えていくためにも、組織開発アプローチは有効な手段だと思います。


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