19日(土)。わが家に来てから448日目を迎え、相変わらず体重計が大好きなモコタロです
ちーっす! 今年も残すところあと13日だね
閑話休題
昨日は、夕食に「豚肉とチンゲン菜の重ね蒸し」を作りました あとはいつもの野菜サラダです。「重ね蒸し」は子どもたちにも好評でした
も一度、閑話休題
昨夕、大学時代の友人、S君と飲みました お互いの結婚式以来ですからほぼ30年ぶりです。彼は千葉県勝浦市の大手材木商の跡取り息子で、学生時代には大学主催の海外研修旅行にも参加していたし、結婚式も大掛かりで立派なものでした
新橋駅の機関車前で5時に待ち合わせましたが、お互い早めに着いたので、内幸町界隈を散策して時間を潰すことにしました S君とはゼミも別だったのになぜか気が合い、内幸町にNHKがあった時には水道橋にある大学から歩いて来たことがあります。今は日比谷シティになっている場所に案内して「ここがNHKがあったところだよ」と話しました。それから日比谷図書文化館(元・日比谷図書館)を訪ね、飯野ビルの地下に行って広場の椅子で一休みしました。そこで、S君がカバンからおもむろに取り出したのは「ルネ・マグリット展」の分厚い画集でした 今年6月に六本木の新国立美術館で展覧会が開かれたときに買い求めたとのことでした。出掛けに「こんな重いものをわざわざ持っていくなんて」と奥さまに笑われたそうですが、彼にとっては良き”重いで”のキッカケとなるツールだったのだと思います
大学時代、S君と北の丸公園にある東京国立近代美術館で開かれていたマグリット展に行ったことがあり、マグリットの有名な「大家族」(鳩の身体の中が空になっている絵)に感銘を受け、シュールリアリズムについて熱心に語り合ったのを覚えています 今回、彼の話を聞いて、お互いがその絵のポスターを部屋の壁に飾っていたことが判明しました 彼は6月に「マグリット展」を観て、私のことを真っ先に思い出して連絡をくれたのですが、その頃は連日コンサートの日程が入っていて、なかなか会う機会が持てませんでした 私の方が現役から退き、毎日のペースをつかみかけてきたこともあって、「そろそろ会おうか」と声をかけたのでした
5時半になったので、私が10月末まで働いていたNPCが入居するPCビル地下の焼き鳥Rに行って飲みました 彼は物持ちのいい人で、当時の卒業生名簿やら、ハガキやら、身分証明書用の写真やら(そこには髪の毛がしっかりと定着していた好青年が映っていた)、書いたけれど出さなかった手紙(どうして、そういうものを取っておく?)などを見せてくれました。それを見て、当時のことを思い出しました 「女子高の先生になるんだ」と言って別の大学に移っていったM君、革マル派の集会に行って、茨城弁で過激派学生に議論を吹っ掛けていたO君、卒業後「俺に1,000万円預けないか。1年後に2倍にして返してやる」と言っていた証券会社に就職したO君、島根県の県紙S中央新報社の取締役まで出世したM君・・・と話は尽きませんでした
お互いの家族の話になり、教師をしていた奥さまとの間に一人息子がいるが「出来ちゃった結婚」をして子供がいるので、今では「じーじ」になっているとのことで、『ライン』で長男夫婦とつながっているとのことでした 当方はまだ独身者を二人抱えているので、うらやましい限りです
あれやこれや話しているうちに時間があっと言う間に過ぎてしまい、いつの間にか9時半になってしまいました。4時間も話し込んでいたことになります 勝浦行の最終電車は東京駅発10時頃(早っ!)だというので、一緒に新橋駅まで行って山手線に乗りました。東京駅で、来年は私が勝浦に行くという約束をして別れました。「おれには何もないけど、友だちは沢山いる。それがおれの財産だ」と言っていた彼の言葉が忘れられません。再会を楽しみにしたいと思います
最後の、閑話休題
ピエール・ルメートル著「悲しみのイレーヌ」(文春文庫)を読み終わりました ピエール・ルメートルと言えばあの「その女アレックス」の衝撃が忘れられません。彼は1951年パリに生まれ、教職を経て、2006年にここで紹介する「悲しみのイレーヌ」で作家デビューしました この作品はコニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ大賞を受賞しています つまり、彼は55歳の遅まきデビューで、いきなりミステリ界の時代の寵児となったのです
「こんなのは見たことがない」と事件の現場を見た警察官に言わしめたほど異様な手口で二人の女が惨殺された その後も連続して同じ犯人による異様な殺人事件が発生する。背が低いのが特徴のカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、若き富豪警部ルイ、ケチで名が通っているベテラン刑事アルマンらと事件の解決に挑む ヴェルーヴェンは、一連の犯行が過去の犯罪小説をそのまま実行に移したことを突き止める。ヴェルーヴェンらは、専門家の手を借りながら、凶悪な犯罪をテーマにした過去の犯罪小説を調べ上げ、何らかの手がかりを得て、次の犯行を阻止しようと尽力する。しかし、やっと真犯人のめどが立ったところで、犯行の手はついに、ヴェルーヴェン警部の身重の妻イレーヌに及ぼうとしていた
この作家は凄いです 途中まで読んで初めて、犯人の手記を読んできたことに気付かされます 「魔法の書がある。それを読んだ人は生きて帰れない」という書き出しで人を引き付けておいて、最後に「いまあなたが読んできたこの本こそ『魔法の書』である」と引っかける手法に似ています
エピローグは事件から1年後に犯人が拘置所の中からヴェルーヴェン警部あてに書いた手紙の形を取っていますが、その中で「ある意味では、殺したのはわたしでもあり、あなたでもあるんじゃありませんか?」と問いかけています 警部には思い当たる節があるでしょう。そんなことも考えながら一気読みしました。お薦めします