人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでヴェルディ「オテロ」を聴く~ヴェントレ,ファルノッキア,ストヤノフにブラボーの嵐

2017年04月10日 07時49分33秒 | 日記

10日(月).わが家に来てから今日で923日目を迎え,東京都議選(7月2日投開票)まで3か月を切り,各党の攻防が激しくなる中,小池百合子都知事を中心とする地域政党「都民ファーストの会」が台風の目になっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

                    民進党から都民ファーストの会に移る動きが止まらない  当選のためなら手段を選ばず

 

                     

 

昨日,初台の新国立劇場でヴェルディの歌劇「オテロ」を聴きました 出演は,オテロ=カルロ・ヴェントレ,デズデーモナ=セレーナ・ファルノッキア,イアーゴ=ウラディーミル・ストヤノフ,ロドヴィーコ=妻屋秀和,カッシオ=与儀巧,エミーリア=清水華澄、ロデリーゴ=村上敏明ほか,管弦楽=東京フィル,合唱=新国立劇場合唱団,児童合唱=世田谷ジュニア合唱団,指揮=パオロ・カリニャーニ,演出=マリオ・マルト―ネです

 

       

 

舞台は15世紀末のイタリア.ヴェネツィアの将軍オテロがトルコ艦隊に勝利し,嵐の中をキプロスに帰還する カッシオが副官に昇進するが,それを妬む旗手のイアーゴは,オテロを破滅させるべく謀略を企む 最初にカッシオを失脚させ,オテロへの取りなしを妻デズデーモナに頼むようカッシオに入れ智恵する さらに,デズデーモナの落としたハンカチを手に入れ,カッシオに持たせる.妻とカッシオとの不貞を信じ込んだオテロは嫉妬に狂い,デズデーモナを締め殺すが,真実を知り自害する

 

       

 

私が新国立オペラで「オテロ」を聴くのは2003年,2009年,2012年に次いで今回が4回目で,このうちマリオ・マルト―ネによる演出で観るのは3回目です このオペラは全4幕から成ります

会場が暗転し,指揮者カリニャーニがオーケストラ・ピットの指揮台に上がり,第1幕が開始されます このオペラには序曲がありません.いきなり嵐の場面の激しい音楽が会場を満たします.稲妻が光り雷鳴が轟く中,大波に翻弄される船の様子が音楽で表されます イタリア出身のカリニャーニの指揮はアグレッシブで,オーケストラと合唱団から力強く迫力のある音楽を引き出し,一気に聴衆をオテロの世界に引き込みます カリニャーニは新国立オペラの「ナブッコ」(2013年)を指揮し,史上最低の演出を最高の音楽作りで救った実績があります

 

       

 

オテロを歌ったカルロ・ヴェントレは,ウルグアイ出身のテノールですが,世界中のオペラハウスで活躍しているだけあって,ドラマティックな歌声で申し分ありません かなりの演技派でもあります

デズデーモナを歌ったセレーナ・ファルノッキアはイタリア出身のソプラノですが,とくに高音が美しく,まるでビロードのような声です 第4幕冒頭でデズデーモナが死の予感を漂わせて歌う「柳の歌」は,このオペラの唯一のアリアらしいアリアですが,ファルノッキアは良くコントロールされた声で抒情感豊かに歌い上げました

このオペラを観ていつも思うのは,陰の主役はオテロを失脚させるシナリオを書いて実行するイアーゴではないか,ということです ブルガリア出身のウラディ―ミル・ストヤノフは,狡猾で抜け目のないイアーゴを見事に歌い演じました

エミーリアを歌った清水華澄ほか,日本人歌手陣も健闘していました 中でもロドヴィーゴを演じた妻屋秀和はどんな役を歌っても安心感があります

さて,今回の公演で歌手陣に負けず劣らず素晴らしい活躍を見せたのは,指揮者パオロ・カリニャーニと東京フィル そして新国立劇場合唱団の面々です   カリニャーニは歌手陣に寄り添いながら,彼らの胸の内を音楽で鮮やかに表現していました

話は変わりますが,プログラム冊子に東京経済大学の本橋哲也教授が「『オセロ』を考えるための4つのNOではない」という論考を寄せています その中で,原作者のシェイクスピアの生没年について面白い覚え方を紹介しています

シェイクスピアは1564年に生まれ1616年に没していますが,彼は作品の中で多くの殺人を扱っているので,「人殺し いろいろ」と読める,と言うのです.こういう知識,何かの役に立つでしょうか

なお,今回の公演を聴くに当たり,カルロス・クライバー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団によるCD(オテロ=プラシド・ドミンゴ他.1987年2月5日のライブ録音)で予習しておきました

 

       

コメント (1)
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