人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでモーツアルト「フィガロの結婚」を聴く~逞しくなった中村恵理 / モーツアルト「ラウダーテ・ドミヌム」他の2枚組CDを買う

2017年04月21日 08時03分27秒 | 日記

21日(金).わが家に来てから今日で934日目を迎え,ティラーソン米国防長官がワシントンの国務省内で記者会見し,北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定することを検討していると明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

                    海外のテロを支援するばかりか 側近を千人単位で処刑して平気でいる独裁者らしい

 

                     

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました 8人前作ったのにあっという間に鍋が空になりました

 

       

 

 

                     

 

昨日,新宿タワーレコードでモーツアルト「ヴェスペレK.339,K.321」他収録の2枚組CDを買いました 先日観た映画「ムーンライト」で使われていたK.339の第5曲「ラウダーテ・ドミヌム」の美しいメロディーが忘れられず,K.339の全6曲を聴いてみたいと思ったのです このCDには「ヴェスペレK.339」,「同K.321」の他,「シュパウル・ミサK.258」,「聖母のためのリタニアK.195」,「聖体の祝日のためのリタニアK.243」が収録されています 演奏はソプラノ=マーガレット・マーシャル,アカデミー室内管弦楽団ほかです.まだ聴いていませんが,ゆっくり楽しみたいと思います

 

       

        

 

                     

 

昨夕,初台の新国立劇場でモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」を聴きました 出演は,アルマヴィーヴァ伯爵=ピエトロ・スパニョーリ,伯爵夫人=アガ・ミコライ,フィガロ=アダム・パルカ,スザンナ=中村恵理,ケルビーノ=ヤナ・クルコヴァ,マルチェリーナ=竹本節子,バルトロ=久保田真澄,バジリオ=小山陽二郎,バルバリーナ=吉原圭子ほか.管弦楽=東京フィル,合唱=新国立劇場合唱団,指揮=コンスタンティン・トリンクス,演出=アンドレアス・ホモキです

 

       

 

私がホモキの演出でこのオペラを観るのは2003年,2005年,2007年,2010年,2013年に次いで今回が6度目です シンプルな舞台は好ましいのですが,6回ともなると正直言って もうそろそろ新しいプロダクションで観たいな,と思います

拍手の中,ドイツ生まれのトリンクスがオーケストラ・ピットの指揮台に上がり,軽快な序曲が開始されます この曲に限らず,モーツアルトの序曲はオペラ全体のエッセンスを包含しており,この曲のサブ・テーマの「ラ・フォル・ジュルネ(狂おしき1日)」を見事に表現しています そう,正味3時間のこのオペラはたったの1日の出来事を現しているのです

このオぺラの主役は誰か?というと,タイトルが「フィガロの結婚」だからフィガロだろうという見方が多いと思いますが,モーツアルティアンにはそれぞれの主役があると思います 私の場合は,ほぼ全編で出演しながらソロのアリアらしいアリアがほとんどないスザンナです つまり,第1幕では フィガロとの二重唱,マルチェリーナとの二重唱,第2幕ではケルビーノとの二重唱,第3幕では伯爵との二重唱,伯爵夫人との二重唱と,二重唱あるいはそれ以上の重唱はあるのですが,はっきりソロらしいソロが歌われのは4幕「邸内の夜」の場面のレチタティーボとアリアぐらいしかないのです それでも,スザンナがこのオペラの中心にいることは明白です

したがって,私が今回の公演で一番注目していたのはスザンナを歌う中村恵理です 彼女は2007年の新国立オペラ「フィガロの結婚」でスザンナを歌っています.つまり今回は新国立オペラで10年ぶりのスザンナです この間,彼女はどこで何をしていたかと言うと,2008年から英国ロイヤルオペラに在籍し,2009年には天下のアンナ・ネトレプコの代役として「カプレーティとモンテッキ家」のジュリエット役に主演して成功を収め,2010年から16年までバイエルン州立歌劇場と専属歌手契約を結び「フィガロの結婚」スザンナ,「魔笛」パミーナなどに出演,その後,ベルリン・ドイツ・オペラ,ウィーン国立歌劇場など世界的な歌劇場に出演しています

10年ぶりに中村恵理のスザンナ見て聴いて思ったのは,「ずいぶん逞しくなったな」ということです.あれから10年の年月が経ったわけですから,彼女も歳を重ねたわけですが,さすがに若々しさはないものの,何ものにも動じない落ち着きが出て来たように思います 唯一のソロとも言える第4幕のアリアをはじめ,他の出場人物との二重唱などでも,よく通るソプラノで,歌う部分だけでなくレチタティーボ(セリフのように語る部分)も,演技も自然です この10年間の成長を感じさせるパフォーマンスでした

印象に残った歌手ということで言えば,ケルビーノを歌ったスロヴァキア生まれのヤナ・クルコヴァです 第1幕のアリア「自分が自分で分からない」は,上がってしまったのか,少々先走って前のめり気味に歌い,トリンクスが合わせるのが大変そうでしたが,いかにも自分自身が制御できない少年の心の動きを表していて良かったと思います また,第2幕のアリア「恋とはどんなものかしら」は,恋に恋する少年の心理を見事に歌い上げていました

アルマヴィーヴァ伯爵を歌ったピエトロ・スパニョーリはイタリア出身のバリトンですが,いかにも初夜権を復活させてスザンナをモノにしようという意欲満々の貴族を見事に歌い演じました

伯爵夫人を歌ったアガ・ミコライはポーランド生まれのソプラノですが,高音から低音まで安定した歌声で聴衆を魅了しました 新国立オペラでは「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラやドンナ・アンナなどを歌っています

フィガロを歌ったアダム・パルカはポーランド出身のバスですが,声量もあり演技も抜群でした

 

       

 

さて,今回の公演で一番印象に残ったのはコンスタンティン・トリンクス指揮東京フィルの演奏です 序曲を聴いた時は強い印象は残らなかったのですが,第1幕に入り,フィガロとスザンナの二重唱に移った瞬間から「何とソフトで優しい音楽作りをするのだろうか」と思いました.考えてみると,モーツアルトの「フィガロの結婚」は,終わってみれば「誰もかれも許してしまう,悪人は誰もいない」という結論でフィナーレを迎えています トリンクス+東京フィルによる演奏は,まさにそうしたモーツアルトの「人間賛歌」を体現したかのような 優しく慈愛に満ちた演奏だったように思います

 

       

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする