人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

沼尻竜典+東京交響楽団でホルスト「惑星」他を聴く~ミューザ川崎での定期演奏会 / 「フェスタサマーミューザ2017」のチケットを取る

2017年04月23日 08時45分34秒 | 日記

23日(日).わが家に来てから今日で936日目を迎え,福岡空港で韓国籍の男4人が計7億円超を国外に持ち出そうとしたとされる事件で,紙幣の帯封が,同じ日に福岡市中央区で奪われた約3億8千万円のものとは異なっていたことが捜査関係者への取材で分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

         それじゃあ強奪された3億8千万円はどこに消えた? 高価福岡分からない・・・

 

                     

 

昨日は7月22日から8月11日までミューザ川崎で開かれる「フェスタサマーミューザ2017」のWEB先行発売日だったので11枚チケットを取りました 最初はポピュラー路線のN響と読響は外して個別に取ろうと思ったのですが,オーケストラセット券(9公演)は25%割引と魅力で,ベターな座席もセット券優先だろうと思い,セット券を取りました

次に毎年楽しみにしている「真夏のバッハ」(8月5日)を取りました.今回は「バッハ・コレギウム・ジャパン」のヴァイオリ二スト,若松夏美,高田あずみが出演するので楽しみです もう1枚は秋山和慶指揮洗足学園音楽大学による「魅せるバレエ」公演です 目で見て耳で聴いて楽しめるコンサートです ショスタコーヴィチ「バレエ組曲」やラヴェル「マ・メール・ロワ」などが生演奏により踊られます

 

       

       

       

       

       

       

 

以上のほか,7月23日の井上道義+オーケストラ・アンサンブル金沢,7月31日のゲルギエフ+PMFオーケストラの公演も,一般発売日を待って取る予定です

 

                     

 

昨夕,東京交響楽団の第649回定期演奏会を聴きました 現在 サントリーホールが全面的な改修工事のため ミューザ川崎に会場が変わっています.交通費が余計にかかるのが困ります 

プログラムは①グバイドゥ―リナ「アッシジの聖フランチェスコによる『太陽の賛歌』」,②ホルスト:組曲「惑星」です 考えてみると,①が「太陽」②が「惑星」なので この日のプログラムは銀河系をテーマにしたと言えるのかも.なお,①のチェロ独奏は堤剛,指揮は現在リューベック歌劇場音楽監督・びわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典です

 

       

 

新年度のミューザの自席は2階RB席です.1階から見ると2階でなく3階に見えるセンターブロックの席です でも,ステージから遠いという印象はありません.かなり良い席といってよいでしょう

1曲目はグバイドゥ―リナ「アッシジの聖フランチェスコによる『太陽の賛歌』~チェロ,室内合唱団と打楽器のための」です グバイドゥ―リナはソ連のタタール共和国出身で ソ連崩壊後,ドイツに移住した女性作曲家です.この曲は,1997年にチェロの巨匠ロストロポーヴィチの古希を祝って献呈した作品です.全体で45分ほどの作品で,①創造主とその創造物(太陽と月)への賛歌,②創造主,すなわち自然の四大元素(大気,水,火,土)の創造主への賛歌,③生への賛歌,④死への賛歌の4部構成になっています

ステージには,大太鼓,マリンバ,ティンパ二などの打楽器奏者3人とチェレスタ奏者1人,センターに沼尻竜典とチェリスト堤剛,そして後方に男女混声コーラスが半円形状に2列でスタンバイします

沼尻竜典の合図で第1部の演奏に入ります 沼尻はタクトを使用しません.冒頭から典型的な「現代音楽」です チェロによる最低音から最高音まで音色を変えて演奏され,それに打楽器が加わりますが,正直言って「この調子で45分演奏するのかな,参ったな」と思っていました.ところが,第3部「生への賛歌」が終わり第4部「死への賛歌」に移る時,堤剛がチェロを脇に置いて,傍らに用意されていたスネアドラムのスティックを持って大太鼓の前に行き,大太鼓を擦って摩訶不思議な音を出したのです 続いてフレクサトーンと呼ばれる楽器を持ってコントラバスの弓で「ヒューイ」という音を立てて演奏します 堤は歩きながら演奏し打楽器奏者の周りを一回りして自席に戻り,再びチェロを手にして”本来の”演奏に戻りました この間,打楽器奏者の女性2人がミュージカル・グラス(グラスハーモニカと思ってください)を,水で濡らした指で淵を擦って演奏する場面があるのですが,拡声装置を使用しないのに たった2つのグラスの淵を擦るだけで効果的な音が音楽として響くことに驚きました

正直に告白しますが,私はこれまで堤剛という人は「演奏は上手い」とは思っても「凄い」とは思いませんでした しかし,この日の演奏を聴いて,チェロの演奏のみならず幅広い音楽表現ができる演奏家として再認識しました だてに桐朋学園大学学長(2004~13年)やサントリーホール館長(2007年~)はやっていないな,と

 

       

 

休憩後はホルストの組曲「惑星」です はっきり言って,ホルストの名前はこの曲と共に後世に残ったと言えるでしょう 全7曲から成りますが,各曲にはタイトル,サブタイトルが付けられています.そうかと言って,ホルスト本人は「標題音楽」ではなく,占星術から人間の属性のイメージを喚起するためのものだとしています

沼尻竜典が再度登場して指揮台に上がります.第1曲「火星:戦いをもたらすもの」が威勢よく開始されます これを聴いて思うのは,ジョン・ウィリアムスが作曲した映画「スターウォーズ」のテーマ音楽は,明らかにこの曲をパクったな,ということです 彼がこの音楽を知らなければ,あの勇壮な「スター・ウォーズ」のテーマは生まれなかったでしょう 沼尻の明快な指揮のもと,管楽器も弦楽器も打楽器も,これ以上ない最強音で「戦い」の音楽を奏でます 生演奏でオーケストラの醍醐味を味わうという意味では,これほど魅力に満ちた作品はないでしょう.東響は迫真の演奏でした

第2曲は「金星:平和をもたらすもの」です.火星とは打って変わって牧歌的な曲想です 中盤でコンマスの水谷晃とチェロ首席の西谷牧人のソロが聴かれますが,二人ともなかなか聴かせてくれました

第3曲は「水星:翼をもつ使者」です.聴くと分かりますが,実質的なスケルツォです 途中,第2ヴァイオリン首席の清水泰明のヴァイオリンの弦が切れたか,演奏の途中で後ろの奏者と楽器を交換し,清水の楽器が列の最後列の奏者まで手渡しされ,修理に回されました こういうアクシデントはたまにあります 「水星」終了後,逆のルートで修理後のヴァイオリンが清水のもとに届けられました

第4曲は「木星:陽気さをもたらすもの」です.この曲は数年前に平原綾香の歌でポピュラーになりました.ご存知の「ジュピター」です 沼尻+東響はスケールの大きな演奏を展開します

第5曲は「土星:老いをもたらすもの」です.終盤でのパイプオルガンの重低音が身体に響きます

第6曲は「天王星:魔術師」です.この曲の最初の部分を聴くとデュカスの「魔法使いの弟子」を思い出します.曲想がよく似ているのです

そして最後の第7曲は「海王星:神秘主義者」です.曲の途中でステージ右サイドのドアが半分開けられ,舞台裏で女声コーラスが歌われます サブタイトルの通り,神秘的な音楽が奏でられます

コーラスが次第に小さくなり,やがて消え去ると,一瞬のしじまのあと,大きな拍手が起こりました この日の聴衆は常識人が揃っていたようです.そこに居合わせた人々が「コンサートの醍醐味は演奏直後の一瞬にある」という鉄則を理解していたということです

沼尻竜典の指揮は明快そのもので,東響も熱演を繰り広げたので,わざわざ川崎まで出かけて行って聴いた甲斐がありました    

コメント (4)
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