人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マレク・ヤノフスキ+NHK交響楽団でワーグナー「神々の黄昏」を聴く~東京春祭ワーグナー・シリーズVol.8

2017年04月05日 08時06分06秒 | 日記

5日(水).日経夕刊のコラム「プロムナード」に連載しているN響オーボエ首席・茂木大輔氏のエッセイの昨日のテーマは「ワグナーのオペラ」でした その最後に

「留学していたミュンヘンの劇場でワグナーのオペラを見たこともあったのだが,残念ながらほとんど居眠りしていた 今度こそ,より良くこの音楽を理解する為に,本番は居眠りしないで楽しもう,と思っている

と書いています.茂木さん,あなたは 前の段落で「前奏曲などや名場面の抜粋だけでなく本来の姿として全曲演奏できることは極めて珍しいチャンスなので,出番を希望して全4部作に出演させてもらってきた」と書いていませんでしたか? 私の席は前過ぎて管楽器奏者の顔がよく見えませんでしたが,茂木さんも演奏されていたはずですよね.本番は「居眠りしないで楽しもう」どころではなかったはずですね

ということで,わが家に来てから今日で918日目を迎え,久しぶりにドアップで登場するモコタロです

 

       

        ちぃーす! 新年度まだ始まったばっかだけど どうよ? まだ五月病には早いぜ 

 

                      

 

昨日,夕食に「ホッケの塩焼き」「小松菜のお浸し」「生野菜とタコのサラダ」「ベーコンと野菜のスープ」を作りました これから魚を確実にローテーション入りさせたいと思います

 

       

 

                     

 

昨日,上野の東京文化会館大ホールで「東京春楽ワーグナー・シリーズVol.8~神々の黄昏」(演奏会形式)を聴きました 出演は,ジークフリート=アーノルド・べズイエン(テノール),ハーゲン=アイン・アンガー(バス),ブリュンヒルデ=クリスティアーネ・リボール(ソプラノ),ヴァルトラウテ=エリーザベト・クールマン(メゾ・ソプラノ),グンター=マルクス・アイヒェ(バリトン),アルべリヒ=トマス・コニエチュニー(バス・バリトン),グートルーネ=レジ―ネ・ハングラ―(ソプラノ),ヴォークリンデ=小川里美(ソプラノ)ほか.管弦楽=NHK交響楽団,合唱=東京オペラシンガーズ,指揮=マレク・ヤノフスキ,映像=田尾下哲です

なお,ジークフリートを歌う予定だったロバート・ディーン・スミスは,「来日してリハーサルに参加していたが,急な体調不良による音声障害で歌うことができなくなった」ため,急きょアーノルド・べズイエンに変更されました

 

       

 

自席は1階9列11番,左ブロック右から2つ目です.会場は文字通り満席です オケのメンバーが入場します.コンマスは昨年の「ジークフリート」に続いて今回も元ウィーン・フィルのコンマス,ライナー・キュッヒル氏です チェロの首席には向山佳絵子,ヴィオラ首席には新日本フィル首席の篠崎友美がスタンバイします 彼女は最近N響に呼ばれることが多いようですが,新日本フィル大丈夫

オーケストラの後方には巨大スクリーンが掲げられており,田尾下哲の制作による自然を描写した映像が流れる仕組みになっています

「舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第3日『神々の黄昏』は,序幕,第1幕(第1場~第3場),第2幕,第3幕(第1場~第3場)の全3幕から成ります 演奏会形式によるこの公演でも2回の幕間に各30分の休憩を挟んで合計5時間20分の長丁場です 演奏する方は大変ですが,聴く方も大変です

1939年ワルシャワ生まれ,現在78歳のマレク・ヤノフスキがゆったりした足取りで登場します 岩山の中腹が燃える映像をバックに序幕が開始されます エルダの娘である3人のノルンたちが歌った後,登場するのは主役の二人,ジークフリートとブリュンヒルデです

ブリュンヒルデを歌ったクリスティアーネ・リボールはベルリン生まれのソプラノですが,声量もあり演技力もあるドラマティックな歌い手です 最後まで息切れすることなく力強いブリュンヒルデを歌い切りました

ジークフリートを歌ったアーノルド・べズイエンは,はっきり言って迫力不足か 昨年のアンドレアス・シャーガーの最強のジークフリートを知っている聴き手としては,どうしても比較してしまいます 予定通りロバート・ディーン・スミスが歌っていれば完璧だったのでしょうが,ロクに心の準備もないまま引き受けざるを得なかったのでしょう.本当にお気の毒です それでも第3幕では本領が発揮されました

私が今回の公演で一番良かったと思うのはハーゲンを歌ったアイン・アンガーです エストニア生まれのバス・バリトンですが,俳優を経て声楽家になったという経歴の通り,歌そのものに演技を感じます 深く魅力に満ちた声質で,最も存在感がありました

ヴァルトラウテを歌ったエリーザベト・クールマンは昨年に続いての登場ですが,演技力を兼ね備えたメゾ・ソプラノです 今回も絶好調でした

グンターを歌ったマルクス・アイヒェも演技力抜群のバリトンでした

アルべリヒを歌ったトマス・コニエチュニーはポーランド生まれのバス・バリトンですが,出番が少ないのが残念なくらい巻き舌に魅力があります

グートルーネを歌ったレジ―ネ・ハングラ―はオーストリア生まれのメゾ・ソプラノですが,ドラマティックな歌い手です

さて,ほぼ完ぺきな歌手陣に負けないほど熱演を繰り広げたのはヤノフスキ指揮NHK交響楽団です 第1幕だけで2時間弱かかりますが,78歳のヤノフスキは立ちっぱなしで指揮をとりました 以下 第2幕は65分,第3幕は75分ですが,これも立ちっぱなしです.信じられないほどの体力ですが,強靭な精神力に支えられているのでしょう それが,弛緩することのない音楽作りにつながっています.第3幕での「ジークフリートの葬送行進曲」をはじめとしてN響は緊張感をもってテンポよくグングン進めるヤノフスキの指揮によくついていっていました

この日の公演は,今年1年間で聴くコンサートの中で 最も印象に残る公演の一つになることは間違いないでしょう

 

       

 

さて,この日,久しぶりに見たくない人物を見てしまいました 開演直前,オケのメンバーが入場して席に座ろうとしている時,草履を履いて大きな荷物を背負ったサスペンダー爺さんが,いつものように最前列ど真ん中の席に堂々と着いたのです それだけなら,見慣れた景色なのでここに書くほどのことはないのですが,第1幕が終わり,大きな拍手を受けながらヤノフスキが退場する時,同じタイミングで席を立った爺さんは最前列の通路を堂々と退場していったのです もちろん,この後ステージ上ではカーテンコールが繰り返されましたが,爺さんは興味がなかったようです.あくまでも自分のやりたいことが最優先のようです こういう唯我独尊・厚顔無恥・自己中心の態度は不治の病いとしか言いようがありません 今でも十分目立っているのに,それ以上に目立ちたいのでしょうか いつでもどこでも 本当に目障りな爺さんです

さて,今回の公演を聴くに当たり,ここ1週間ほどヤノフスキ指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるCD(1983年録音)で予習しておきました

 

       

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする