人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

トリオ・アコードでハイドン,ラヴェル,シューベルトの「ピアノ三重奏曲」を聴く~プログラミングの妙

2017年04月12日 08時01分31秒 | 日記

12日(水).昨日,当ブログの読者ゆえさんと内幸町の飯野ビル内でランチしました 「暖かくなったらランチしよう」ということだったのですが,雨が降って寒かった 彼女の仕事の話とかお互いのコンサート情報とか,いろいろとお話ししましたが,ドヴォルザーク,とくに序曲「謝肉祭」が大好きだという彼女は10月3日のチェコ・フィル来日公演のチケットを取ったとのこと 首席指揮者ビエロフラーヴェクの指揮で「謝肉祭」のほか,ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」(Vc:ジャン=ギアン・ケラス),ブラームス「交響曲第4番」が演奏されるとのことです 私の方は,昔さかんに通った中野「クラシック」,渋谷「ライオン」などの「名曲喫茶」の話などをしました というのは,私のかつての夢は「クラシック喫茶」を経営したいというものだったからです その話をしたら「toraさんは,CDもレコードも豊富に持っているし,本も沢山あるし,ウサギも飼っているから,”本が読めてウサギが触れるクラシック喫茶”なんていいんじゃありませんか」と貴重なアドヴァイスをしてくれました その時 思い浮かべたのは,誰もお客のいない喫茶ルームの片隅でモコタロを抱きながらコーヒー片手にLPレコードから流れるブラームスの室内楽に耳を傾けている一人の男の姿でした ゆえさん,楽しいひと時をありがとうございました

 

       

 

ということで,わが家に来てから今日で925日目を迎え,東芝が2016年4~12月期決算について,監査法人の「適正意見」を付けない形で発表することを取締役会で決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

       

        かつて長年「サザエさん」の単独スポンサーを誇った東芝はどこへ・・・・・えっ芝公園? 

 

                      

 

昨日,夕食に「サバの塩焼き」「野菜とシメジとタケノコとアサリのスープ」「ホウレン草のお浸し」「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました スープの素はもちろん毎日変えていますが,スープの素と具材の組み合わせを考えるのが大変です

 

       

 

                      

 

昨夕,上野の上野学園石橋メモリアルホールで「トリオ・アコード」演奏会を聴きました これは「東京・春・音楽祭」参加公演です.「トリオ・アコード」は,2003年に東京藝大の同級生によって結成されたピアノ・トリオで,ヴァイオリン=白井圭,チェロ=門脇大樹,ピアノ=津田裕也の3人で構成されています 卒業後,それぞれが海外留学で離ればなれになり一時期活動を中断していましたが,近年活動を再開したとのことです

プログラムは①ハイドン「ピアノ三重奏曲第25番ト長調”ジプシー・ロンド”」,②ラヴェル「同 イ短調」,③シューベルト「同 第1番変ロ長調」です

 

       

 

自席は1階G列8番,左ブロック右通路側です.雨にも関わらず多くのお客さんが入っています 私の左側は4人の修道女の皆さんが横一列に並んでいます.後方の席からこの列を見たら,マリア様ご一行と付き添いのおじさんという景色でしょうか 私も黒のジャケット着てたし

1曲目のハイドン「ピアノ三重奏曲第25番ト長調」は1795年に作曲されたと言われており,「ジプシー・ロンド」という愛称で親しまれています これは最後の第3楽章にジプシー調のメロディーが聴かれるところから付けられました

2曲目のラヴェル「ピアノ三重奏曲イ短調」は4楽章から成りますが,1914年に完成しました

ハイドンが終わり,次のラヴェルの第1楽章冒頭を聴いた時に感じたのは,ハイドンの「モノトーン」からラヴェルの「フルカラー」に一瞬で音色が激変した,ということです クラシック音楽が約120年を経て いかに革新的に変化したかを思い知らされる思いがしました

プログラミングとしては,作曲年代順にハイドン,シューベルト,ラヴェルという順に演奏する方法も考えられると思いますが,(それぞれの演奏時間の関係もあるでしょうが)彼らはその方法を取らず,前半で あえてハイドンとラヴェルを並べました これは,前述の「音色の激変」を考えれば,プログラミングの妙と言うべきでしょう 鮮やかなコントラストでした また,3人の演奏者はそれを強く印象付ける演奏力を持っていたと言うべきでしょう

さらに言えば,ラヴェルの「ピアノ三重奏曲イ短調」の第3楽章におけるピアノの低音部とチェロを中心とする音楽から,第4楽章のヴァイオリンの高音部を中心とするアンサンブルへの移行も,まさに「モノトーン」から「フルカラー」への転換というべき変化で,3人の演奏は鮮やかでした

 

       

 

休憩後はシューベルト「ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調」です この曲は自筆譜が失われているため作曲年代が明確ではありませんが,1827~28年頃に書かれたと言われています.この曲は4つの楽章から成ります

この曲は第1楽章冒頭の第1主題からして,まさにシューベルトらしい旋律で,明るく勢いがあります 第2楽章のアンダンテは,シューマンが「数々の快い夢」と評したシューベルト特有の美しいメロディーが,チェロからヴァイオリン,ピアノへと受け継がれていきます いつまでも聴いていたいような心地よい音楽です 第3楽章の躍動的なスケルツォを経て,第4楽章は最晩年の作品らしく,いつ終わるのか分からないほど同じメロディーが形を変えて登場します 終わるかと思うと終わらない,という点では,あのハ長調の大交響曲を思い出します

シューベルトのこの曲は「モノトーン」とか「フルカラー」とか言うよりは,シューベルト特有の「歌心に満ちたカラー」とでも言うべき性質の音楽です 3人の演奏は,シューベルトらしさを十分に表現した素晴らしい演奏でした

3人はアンコールにシューベルトの「8つのレント」を演奏しました いかにもウィーン生まれのシューベルトが作曲したウィーン情緒豊かな曲でした

コメント
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