2日(金)。わが家に来てから今日で1491日目を迎え、22年ぶりの新作でシリーズ第50作となる「男はつらいよ50 おかえり、寅さん」(仮題)の撮影を開始した山田洋次監督らは、過去作に登場した後藤久美子さんや浅丘ルリ子さんらが出演することを発表した というニュースを見て芸能記者と後藤久美子さんの会話を再現するモコタロです
芸能記者:後藤さんは山田組でしたね 後藤久美子:正確にはゴクミですけど
昨日の夕食は初おでんにしました 日本酒も初燗酒です
気分よく食べたいので紀文のおでんにしました。何の工夫のない駄洒落を反省しています
その昔、コンビニのコマーシャルにありましたね。「お電話待ってます」に掛けた「おでんは待ってます」という名コピーが
わたし的には座布団3枚あげても良いくらいでした
昨夕、東京オペラシティコンサートホールで「第175回NTT東日本 N響コンサート」を聴きました プログラムは①デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」、②ラヴェル「道化師の朝の歌」、③同「スペイン狂詩曲」、④サン・サーンス「ピアノ協奏曲第2番ト短調作品22」、⑤ラヴェル「ボレロ」です
④のピアノ独奏はパルカル・ロジェ、指揮は高関健です
自席は2階2列7番、左ブロック右から2つ目です 会場は9割以上入っているでしょうか
スポンサーの冠公演なのでS席で5,000円と格安だからでしょう
普段からこれくらいの料金設定だったら、いつも満席状態だと思うんだけど、考えが甘いかなあ
指揮者が高関健ということで、オケはヴァイオリン・セクションを左右に分ける対向配置をとるかと思っていたら、左サイドにヴァイオリンセクションを集め、右サイドにチェロ、ヴィオラ、コントラバスを集めています これは極めて珍しいことではないかと思います
コンマスはマロこと篠崎史紀氏。ヴィオラの首席の位置には首席客員の川本嘉子さんがスタンバイしています
1曲目はデュカス:交響詩「魔法使いの弟子」です この曲はポール・デュカス(1865-1935)が1897年に完成した 彼の代名詞的な作品です
この曲はディズニーのアニメ映画「ファンタジア」で使われていて、子どもたちが小さい頃にレーザーディスクでよく観ていました
物語は「見習いの魔法使いの弟子(ミッキーマウス)が、師匠の留守に見よう見まねの魔法を使い ほうきに水汲みの仕事をさせてみたものの、魔法を止める呪文が分からず水が止まらなくなり、家中水浸しになってしまい焦っていると、師匠の魔法使いが戻ってきて呪文を唱えると水は止まる
弟子は師匠から激しく叱られて終わる」というものです
目を閉じて音楽を聴いていると、ミッキーマウスが箒に水汲みを命令するシーン、水が溢れるシーン、魔法使いに叱られるシーンなどが浮かんできました これほど見事に音楽を映像化した作品もないだろうと思います
演奏ではファゴットのアンサンブルが楽しく聴けました
2曲目はラヴェル「道化師の朝の歌」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1905年に作曲したピアノ曲集「鏡」(全5曲)の第4曲が原曲となっており、1921年にオーケストラ版に編曲されました
弦のピッツィカートから入りますが、後に続く管弦楽はスペイン情緒豊かな曲想で、7人の打楽器奏者を含めて色彩感豊かな演奏を繰り広げます
この曲ではファゴットのソロが冴えていました
3曲目はラヴェル「スペイン狂詩曲」です この曲は1907年に作曲されました。第1曲「夜への前奏曲」、第2曲「マラゲーニャ」、第3曲「ハバネラ」、第4曲「祭り」の4曲から成ります
1曲目の「夜への前奏曲」はミステリアスな雰囲気の音楽が印象的です
「マラゲーニャ」と「祭り」ではコーラングレの池田昭子さんの演奏が冴え渡っていました
全体的に高関健✕N響はスペイン情緒溢れるダイナミックな演奏を展開しました
休憩後の最初はサン・サーンス「ピアノ協奏曲第2番ト短調作品22」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835‐1921)が、1868年にロシアのピアニスト、アントン・ルビンシテインの依頼により短期間(17日間というエピソードがある)で完成した作品です
第1楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第2楽章「アレグロ・スケルツァンド」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります
背の高いパスカル・ロジェと背の低い高関健が登場し配置に着きます 第1楽章冒頭はピアノのソロから入ります。最初からかなり高度な技巧を要する曲のようです
独奏が終わると高関健のタクトのもと渾身の一撃が加えられます。こういうところはサン・サーンスはいいなぁと思います
第2楽章は軽快な音楽が展開します
第3楽章は高速演奏によるタランテラ(イタリアの舞曲)です
この楽章でピアノの技巧は極致に達します。初演はサン・サーンス自身のピアノで演奏したそうですが、サン・サーンスも相当の技巧派だったことが想像できます
パスカル・ロジェの演奏は終始鮮やかでした
高関✕N響はぴったりつけていました
演奏後、ソリストに花束が贈呈されましたが、パスカル・ロジェと同じくらい背の高い男性からでした 女性からの方が良かったのではないか、と思いましたが、いろいろあるんだろうなと思って詮索は止めました
鳴りやまない拍手に応え、エリック・サティの「グノシエンヌ第5番」をガラス細工のように繊細に弾き、聴衆のクールダウンを図りました
演奏後オケのメンバーを見渡すと、ヴィオラ首席の川本さんがハンケチで目頭を押さえていました
あんた泣いてんのね(それとも 汗が目に入った?)。まあ、しみじみと良い演奏でした
プログラム最後はラヴェル「ボレロ」です この曲は1928年に完成したバレエ音楽です。曲の冒頭から最後まで、小太鼓がボレロのリズムを打ち鳴らし、2つのテーマが楽器を替えて反復され、最弱音から徐々に大きくなり最後に最強音に達し、どんでん返しで曲を閉じるという大管弦楽曲です
フルートからクラリネット、そしてファゴットへと楽器が受け継がれていきますが、オーボエとホルンは本調子ではなかったようです
そうは言うもののリレーはバトンを次の走者(奏者)に受け継がなければなりません
ソロを担当する奏者は相当緊張するんだろうな、と想像します。そうしたことを乗り越えて、高関✕N響メンバーは色彩感に満ちたダイナミックな演奏を展開、会場の温度を2度上昇させました
ところで、プログラム冊子はそれなりに立派なのですが、2つの点で問題があります 1つ目は「プログラム・ノート」の筆者名が未記載のため誰が書いたのか不明であることです
2つ目は、4ページにわたり第1回(1985年4月10日)から第174回(2017年11月1日)までの「NTT東日本N響コンサート」の全公演が紹介されているのですが、たまたま今回の第175回と同じ指揮者とソリストが出演した第167回(2010年11月29日)の指揮者名が高岡健になっています
これは明らかに高関健の間違いです。ネットで検索して確認しましたが、第167回の時は高関健✕パスカル・ロジェによりラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」「ボレロ」他が演奏されました
NTT東日本による長年にわたるコンサートを通じての社会貢献(企業メセナ)は高く評価されるべきものと思いますが、上記のミスプリは高関健氏に対し大変失礼なことだと思うので、この件については何らかの形でNTT東日本に伝え、訂正していただこうと思っています