12日(月)。わが家に来てから今日で1501日目を迎え、トランプ米大統領が フランスのベローで開催された第一次世界大戦における米兵の追悼式典への出席を 雨のためキャンセルしたことに対し批判の声が数多く上がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプにとって死者は 自分を支持してくれるわけじゃないから 無価値なんだろ
昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「メトロポリス・クラシックス チャイコフスキー 華麗なる珠玉のメロディ」公演を聴きました この公演は公益財団法人メトロ文化財団の主催によるもので 抽選で2,000人が招待されました オール・チャイコフスキー・プログラムで①歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」、②バレエ組曲「白鳥の湖」より「情景」「四羽の白鳥の踊り」、③バレエ組曲「くるみ割り人形」より「花のワルツ」、④交響曲第5番ホ短調作品64です 管弦楽は東京都交響楽団、指揮は梅田俊明です
事前に招待券を座席指定券に引き換えるのですが、正午から受付開始のところを12時45分頃に会場に着きました 私は比較的後方の通路側が希望なので、「通路側、通路側」と念じて受付に招待券を出すと、何と1階D列12番、かなり前方ですが左ブロック右通路側のチケットが手に入りました こういうのを念力というのか、根性というのか、最初から決まっていたに過ぎないとういうのか、とにかく通路側はラッキーでした 午後2時開演なので喫茶店で本を読んで過ごし、30分前に再度会場に行きました
会場は招待客でほぼ満席です
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは山本知重氏です 第2ヴァイオリン首席・遠藤香奈子さんは降り番のようです 自席が前から4列目と、あまりにも前過ぎるので 管楽器奏者はほとんど見えません 実はこういう状態は私にとっては致命的です。これについては後で説明します
梅田俊明氏が登場、さっそく1曲目の歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」の演奏に入ります 歌劇「エフゲニー・オネーギン」はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)がロシアのプーシキンの小説をもとに1877年に完成させた作品です 若い貴族エフゲニー・オネーギンは、地主の娘タチアーナから恋心を打ち明けられますが、冷たくあしらいます 放浪の旅に出た彼が数年後に戻り、侯爵廷で開かれた舞踏会に出席すると、侯爵夫人となっていたタチアーナと再会することになります。彼は彼女への思いを告げますが、タチアーナは自らの立場を考え拒否します 「ポロネーズ」は、その舞踏会のシーンで流れる華麗で勇壮な音楽です
冒頭の金管によるファンファーレが素晴らしい それに次いで演奏される躍動感あふれるポロネーズがまた素晴らしい メロディーメーカー、チャイコフスキーの面目躍如といったところです
次にバレエ組曲「白鳥の湖」から有名な「情景」が演奏されます 「白鳥の湖」は1875年~76年に作曲されました。ストーリーは「悪魔によって白鳥に変えられたオデット姫と侍女たちは、夜の間だけ人間の姿にかえる。王子ジークフリートの純愛によってオデットは人間に戻るが、舞踏会で悪魔が邪魔に入り、愛を失ったオデットは湖に戻り、後を追ったジークフリートとともに死ぬ」というものです 「情景」はオデットが人間の姿に戻る様子を描いた音楽です 聴いていると ほんの数回しか観たことのないバレエのシーンが目に浮かんできました
次に同じ「白鳥の湖」から第2場で踊られる「四羽の白鳥の踊り」が演奏されます これはオデットの侍女たちのうち 小さな白鳥に変えられた四人が連なって踊る様子を描いた音楽です 私は冒頭のファゴットの演奏が大好きで、何度聴いてもワクワクします 「四羽の白鳥の踊り」で思い出すことがあります。高校時代のことですから、今からン十年前のことです 多分、芸術鑑賞活動の一環として、どこかのバレエ団を招いて、高校の体育館で有名なバレエのシーンがいくつか踊られることになったのです その時、この「四羽~」も踊られたのですが、テープの音楽に合わせて舞台袖から4人揃って出てくる時に タイミングが合わず、一度引っ込んでやり直しになったのです この時、バレエ団でも失敗することがあるんだ~と思いました。もっと印象に残ったのは、高校の近くの小さな食堂に数多くのカツ丼の注文が入ったのですが、話を聞いたら、それはバレエ団の人たちの昼食だったのです この時、「へえ~ バレリーナもカツ丼を食べるんだ~」と驚きました 田舎の高校生は、てっきりバレエを踊る人たちは おフランス料理でも食べて生きているのだと思っていたのです 今となっては懐かしい思い出です
次に、バレエ組曲「くるみ割り人形」から「花のワルツ」が演奏されました 「くるみ割り人形」は1891年~92年に作曲されました。ストーリーは「クララがクリスマス・イヴに買ってもらったくるみ割り人形がこわれる。夢の中で人形は王子の姿に変わって、彼女を王女としてお菓子の国の魔法の宮殿に誘う」というものです 「花のワルツ」はお菓子の精たちが楽しい踊りを披露した後、みんなで手に手を取って踊るシーンで演奏される音楽です
冒頭のハープによる優しく流れるようなメロディーを聴くと、夢の世界へ連れていかれるような気持ちになります 続いて華麗なワルツが奏でられますが、ここでもメロディーメーカー、チャイコフスキーが前面に出ます
休憩後は「交響曲第5番ホ短調作品64」です この曲は1888年に完成した4つの楽章から成る作品です この曲の大きな特徴は第1楽章冒頭に現れる「運命の主題」がすべての楽章に様々な形で用いられ、全曲に統一性がもたらされていることです
第1楽章は冒頭、低弦を背景にクラリネットが「運命の主題」を重々しく奏でるところが印象的です 第2楽章は独奏ホルンが哀愁に満ちた旋律を奏でますが、このホルンが素晴らしい 第3楽章にスケルツォでなくワルツを持ってくるところは いかにもチャイコフスキーです 「花のワルツ」に負けないくらい魅力あふれるワルツです そして、第4楽章に入ると、第1楽章冒頭で重々しく響いていた「運命の主題」が、一転して「勝利のテーマ」に変貌します 同じ主題を使って「暗」から「明」へと転換させる手腕には驚きを隠せません
アンコールは「くるみ割り人形」から「トレパーク」でした
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、演奏はどうだったかについて、上にほとんど書いていません はっきり言って、思うように書けないのです。それは座席の位置が原因です。冒頭に書いた通り、「座席があまりにも前過ぎると、管楽器奏者はほとんど見えない。実はこういう状態は私にとっては致命的」なのです
私のコンサートの聴き方は、出来るだけ多くの演奏者が視野に入る座席で、どの奏者からどの音が出ているかを目で確かめながら耳で聴くという方法を取っています(これは、多くの人がやっていることだと思いますが)。したがって、目を閉じて演奏を聴くことはまずありません 座席としては前方は避け、真ん中よりも後方の 出来るだけセンターブロックに近い席を確保することが多くなります この日のように、せっかく通路側を取れたのに 前過ぎて管楽器奏者が見えないままで演奏を聴くと、音としては耳に入っていても、音楽としては全体像を把握できていないと感じ 不安になってくるのです
これは私だけの特殊な問題なのかも知れませんが、会場のどこで聴くかというのは誰にとっても重要な要素ではないかと思います