人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京藝大「シューベルティアーデ~アナ・チュマチェンコを迎えて」を聴く~シューベルト「弦楽五重奏曲」「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」ほか / 東京春祭「さまよえるオランダ人」のチケットを取る

2018年11月19日 07時23分42秒 | 日記

19日(月)。昨日の朝日朝刊第1面のコラム「折々のことば」(鷲田清一氏)が 林達夫氏の評論集「歴史の暮方」の中から次の言葉を紹介していました

「『既知』の領域が拡大するにともなって、『未知』の領域が狭まってゆくどころか、逆にかえってそれは正比例的に拡大する」

これを読んで、なるほどその通りだな、クラシック音楽にも当てはまるな、と思いました 自分自身の経験を例にとると、クラシック音楽を聴き始めた頃は、メンデルスゾーンという作曲家は、「夏の夜の夢」とか「ヴァイオリン協奏曲」とか「交響曲第4番”イタリア”」ぐらいしか知らなかったので、彼はてっきりイタリア人だと思っていました それが16歳の時に作曲した「弦楽八重奏曲」を聴いてから、俄然メンデルスゾーンが好きになり、彼のことを調べるようになり 室内楽を中心に聴くようになったのです 「ピアノ三重奏曲」「ピアノ四重奏曲」「弦楽四重奏曲」「ピアノ協奏曲」・・・・と聴いていくうちに、まだ聴いたことのない名曲が数多くあることに気が付いたのです メンデルスゾーンに限らず、オーケストラの定期演奏会では自分の知らない作曲家や作品が演奏されることが少なくありません こうしたことから「知っている曲よりも知らない曲の方が多いと思った方がよい。自分の無知を自覚して、謙虚に音楽を聴こう」と思っています

ということで、わが家に来てから今日で1508日目を迎え、トランプ政権の内幕を記した「FEAR  恐怖の男」の著者、ボブ・ウッドワード氏が日本経済新聞の取材に応じ、「政府は善悪の判断を見失う機能不全状態で 大統領は現実外れの持論で政策のギャンブルをしている。ホワイトハウスは新しいカジノ(賭博場)だ」と警告した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ニクソン大統領を辞任に追いやった記者が言うことは説得力がある 米国はヤバい!

 

         

 

N響から会員特典CDと来年のカレンダーが届きました CDはファビオ・ルイージがN響を振ったブラームス「交響曲第4番ホ短調作品98」で、2017年4月21日にNHKホールで開かれた第1859回定期公演のライブ録音です 私はこの時ホールで聴いていたので、CDを聴きながら当時のことを思い出していました

 

     

 

     

 

一方、カレンダーはいずれの月も楽器の写真をあしらったデザインになっています

 

     

 

来年は年の途中で平成から新しい年号に変わることに伴って祝日・休日の追加が予想されることから、赤いシールが添付されていました カレンダー業界も大変ですね

 

     

 

         

 

昨日は東京・春・音楽祭2019のワーグナー・シリーズVol.10「さまよえるオランダ人」の先行発売日だったので、4月5日のチケットを取りました 1階右サイドのA席です。確か昨年も同じような席でした このシリーズは毎年聴いていますが、毎年、年間マイ・ベストテンの上位に入っています

 

     

     

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で「シューベルティアーデ~アナ・チュマチェンコを迎えて」公演を聴きました 「シューベルティアーデ」とは19世紀初めのウィーンで、シューベルトの友人たちが自宅のサロンで彼の音楽を聴くために開いていたコンサートです。アナ・チュマチェンコはミュンヘン音楽演劇大学教授でヴァイオリニストです プログラムはシューベルト①ヴァイオリンとピアノのためのソナタ  ト短調D408、②ヴァイオリンと弦楽のためのロンド  イ長調D438 、③弦楽五重奏曲ハ長調D956です


     


全席自由です。1階16列12番、左ブロック右通路側を押さえました 会場はほぼ満席と言って良いでしょう。よく入りました

1曲目は「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ  ト短調D408」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が19歳の時、1816年に書いた3曲のヴァイオリン・ソナタのうち3番目の作品です 自筆譜には「ソナタ」とあるのですが、没後の出版譜には「ソナチネ」とあり、これが広まりました 第1楽章「アレグロ・ジュスト」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります

ヴァイオリンのアナ・チュマチェンコとピアノの占部由美子が登場し、さっそく第1楽章に入ります ほの暗いト短調のこの楽章を聴くとモーツアルト的なだ、と思います 第3楽章は明るく心地よいリズムです。第4楽章はシューベルトらしい美しいメロディーに溢れています 心地よい演奏でした

2曲目は「ヴァイオリンと弦楽のためのロンド  イ長調D438」です この曲は上の作品と同じ1816年6月に作曲されました。「アダージョ~アレグロ・ジュスト」という流れの曲です 演奏は、ソロ・ヴァイオリン=玉井菜摘、ヴァイオリン=漆原朝子、山崎貴子、ヴィオラ=川崎和憲、チェロ=河野文昭、コントラバス=中村元優です

シューベルトらしく、曲想が目まぐるしく変化していきますが、玉井菜摘のヴァイオリンは美しく、千変万化、自由自在にシューベルトの魅力を表出していきます まさに玉井菜摘オン・ステージといったところです


     


プログラム後半は「弦楽五重奏曲ハ長調D956」です この曲は1828年9月頃に作曲されました。それまでの弦楽五重奏曲は、モーツアルトに代表されるようにヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1という編成でしたが、シューベルトのこの作品はヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2という編成になっているのが特徴です

第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:プレスト」、第4楽章「アレグレット」の4楽章から成ります

左からアナ・チュマチェンコ、玉井菜摘、中木健二、河野文昭、川崎和憲という並びで、さっそく演奏に入ります 全楽章を聴いて、一番印象に残ったのは長大な第2楽章「アダージョ」の冒頭、チュマチェンコのヴァイオリンと中木健二のチェロとの対話です 玉井、河野、川崎のアンサンブルに乗せて ヴァイオリンが語り掛け、チェロがピッツィカートで応えるシーンは感動的でした その後は、チュマチェンコを中心に目まぐるしく変化する音楽が展開します 最後の第4楽章「アレグレット」では、チュマチェンコは足で拍子をとって演奏していました

この作品は公開演奏の記録がないようで、楽譜出版はシューベルトの死後、1853年でした 31歳の短い生涯の中で、シューベルトは最晩年の傑作「弦楽五重奏曲」を公開初演できたのだろうか・・・・と思いながら5人の演奏者に拍手を送りました

 

     

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