人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでサン=サーンス「サムソンとデリラ」を観る ~ 現在望みうる最高のデリラ=エリーナ・ガランチャに鳴りやまない拍手とブラボー / 都響2019年度定期会員Bシリーズを申し込む

2018年11月17日 08時47分15秒 | 日記

17日(土)。昨夕、現役時代の同僚のS氏、E氏、元の職場の現役社員T君、K君と5人で行きつけの西新橋・K亭で呑みました S氏、E氏との不定期開催の同窓会みたいなものですが、前回が6月22日だったので5か月ぶりです 

 職場の話を聞いて、少ない人員で仕事を回さなければならないので相変わらず大変そうだなと思いました 我々OBに出来ることは、せいぜい たまに彼らの話に耳を傾けることぐらいしかありません 彼らの給料が上がることを祈るばかりです さんざん呑んで食べた後、新橋のカラオケで歌いました 歌いながら「おいらも随分ヘタになったなぁ」と思いました こういうと以前は上手かったように聞こえそうですが

ということで、わが家に来てから今日で1506日目を迎え、サイバーセキュリティ基本法改正案を担当する桜田義孝五輪相が「パソコンを打つことはない」と国会で発言したことに対し、英ガーディアン紙は見出しで「システムエラー」と皮肉った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      任命した安倍首相は適材適所の布陣と胸を張ってたけど 不適材不適所だったな

 

  昨日は娘も私も外食だったので、夕食作りはお休みしました  

 

         

 

昨日は東京都交響楽団の2019-2020シーズン会員券の一般発売開始日だったので、Bシリーズ(サントリーホール)のA席を申し込みました 1階センターブロック後方の通路から2つ目です。このシリーズは全8公演のうち、マーラーが1曲(第6番)、ブルックナーが3曲(第4番、第7番、第9番)取り上げられているほか、ペンデレツキが自身のヴァイオリン協奏曲を振るプログラムも含まれています 都響の会員になるのは20数年ぶりのことです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング2018‐2019シーズン、カミーユ・サン=サーンスの歌劇「サムソンとデリラ」を観ました これは今年10月20日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストは、デリラ=エリーナ・ガランチャ、サムソン=ロベルト・アラーニャ、大祭司=ロラン・ナウリ、ヘブライの長老=ディミトリ・ベロセルスキー、ガザの太守アビメレク=イルヒン・アズィゾフ。管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・同合唱団、指揮=マーク・エルダー、演出=ダルコ・トレズニヤックです

 

     

 

舞台はパレスチナのガザ。ペリシテ人に支配されたヘブライ人が神に祈りを捧げている。神の啓示を受けたヘブライの若者で怪力のサムソンが、今こそ立ち上がるべしとヘブライ人たちを鼓舞する サムソンは、ヘブライの神を侮辱したとしてペリシテの太守アビメレクを刺し殺す。ペリシテ人たちは山に去り、ヘブライ人たちは喜ぶ とその時、神殿の扉が開く。ペリシテ人の美女デリラが出現する デリラは「春は目覚めて」を歌い、サムソンは彼女の美貌に惚れる。(以上第1幕)

ソレクの谷。デリラは自分の家の前でサムソンを待つ。デリラは「恋よ!弱い私に力を貸して」とサムソンの愛を信じる。ペリシテの神ダゴンの大祭司が登場し、サムソンを捕らえよと命じると、デリラは、自分が彼を誘惑すると宣言する。そこへやってきたサムソンはデリラの魅力に勝てず、愛していると告白する デリラは喜び、愛の言葉を口にしながらアリア「あなたの声に私の心は開く」を歌う さらに愛の証としてサムソンの怪力の秘密を探ろうとするが、彼はそれには答えない デリラの家の兵士が取り囲み、サムソンは捕らえられる。(以上第2幕)

ガザの牢獄。続いてダゴンの神殿。怪力の源である髪を切られ、盲目にされたサムソンは神に背いたことを後悔する ペリシテ人たちは勝利のバッカナール(酒宴の踊り)を踊る。サムソンはデリラにも侮辱される。自責の念にかられたサムソンは再び神に祈る。すると、柱が揺らぎ始める。ダゴンの神殿は崩れ去りみな下敷きになる。(以上第3幕)

 

     

 

主役のサムソンを演じるアラーニャとデリラを演じるガランチャは2009‐2010ライブビューイングのビゼー「カルメン」でドン・ホセとカルメンを演じた名コンビです まさに黄金のコンビ復活といったところです

イギリス出身で現在ハレ管弦楽団の音楽監督を務めているマーク・エルダーは幕間のインタビューで、METで「サムソンとデリラ」を振るのは今回が2度めで、前回の時はプラシド・ドミンゴがサムソンを歌ったと語っていました。それだけに思い入れのある作品のようです

エルダーがオーケストラピットに入り、前奏曲的な音楽が静かに始まりますが、この時のコントラバスの重低音がズッシリと心に刻まれます エルダーが語る通り、METのオケは柔軟性があり一人一人の奏者が実力者揃いです

デリラを歌ったエリーナ・ガランチャは1976年ラトヴィア生まれのメゾ・ソプラノですが、ますます円熟味が出てきて絶頂期を迎えているように見えます 第1幕終盤でサムソンを誘惑するアリア「春は目覚めて」、第2幕冒頭で歌うアリア「恋よ!弱い私に力を貸して」、第2幕第3場でサムソンから愛を告白され悦びを歌うアリア「あなたの声に私の心は開く」・・・・どれをとってもメゾの魅力にあふれた美しい歌唱です。「春は目覚めて」をこれほどゆったりしたテンポで歌うのを聴いたのは初めてです。こんな風に歌われたらサムソンでなくともすっかり魅了され、彼女の虜になってしまうでしょう また、サムソンとの二重唱、あるいは大祭司との二重唱などを歌う時、カメラがガランチャの顔をアップで映し出しますが、ものすごい目力です デリラに成り切って相手に対峙していることが目を見れば分かります

サムソンを歌ったロベルト・アラーニャは1963年パリ生まれで、今やMETを代表するテノールです METライブビューイングだけでも数多くの作品に登場しています。プロ根性に溢れた歌手で、ピーター・ゲルブ総裁の信認も篤いようです 今回のサムソンも抜群の安定感で歌い切りました

大祭司役のロラン・ナウリ(バスバリトン)も、ヘブライの長老役のディミトリ・ベロセルスキー(バス)も、ガザの太守役のアビメレク=イルヒン・アズィゾフ(バリトン)も、それぞれ魅力的でしたが、今回のオペラはタイトルロールの二人があまりにも突出していて、彼らの印象が薄くなってしまいました。運が悪かったですね

マーク・エルダー指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団は前述の通り、柔軟性のある素晴らしい演奏を展開し歌手陣を完璧にサポートしていました 今回特筆すべきはMET合唱指揮者D.パランボ率いる歌劇場合唱団のパフォーマンスです

第3幕でペリシテ人によって踊られるバッカナール(酒宴の踊り)は振付が素晴らしく、サン=サーンスの躍動感あふれる音楽に華を添えていました

衣裳担当ダダ・サリゲリによるデリラたちの衣装は絢爛豪華で、METならではだな、と思いました

ダルコ・トレズニヤックによる演出・舞台作りはダイナミックで、オーソドックスなスタイル(第1幕)、先進的なスタイル(第2幕)、それを混ぜ合わせたスタイル(第3幕)が見られ見ごたえのある舞台でした ただ、個人的には第3幕はもう少し大掛かりな動きがあっても良かったかな、と思いました

というのは、2001年のMET来日公演の演出を思い出したからです あの年は公演のうち次の3作品を3日連続で観ました。6月1日にヴェルディ「リゴレット」(ジェームズ・レヴァイン指揮、ラモン・ヴァルガス、ルース・アン・スウェンソン他)、2日にリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」(アンドリュー・デイヴィス指揮、ルネ・フレミング、スーザン・グラハム他)、3日にサン=サーンス「サムソンとデリラ」(レヴァイン指揮、プラシド・ドミンゴ、オリガ・ボロディナ他)です この時「サムソンとデリラ」の舞台で一番印象に残っているのは、最後の神殿崩壊のシーンでした。舞台上のセットが真っ二つに割れ、倒れてくるのではないかと心配するほど迫力がありました 私は1階最後列で観ていましたが、小泉首相がすぐ上の2階中央席で観ていました あれから17年以上経ってしまったのか、と月日の流れの速さを感じます

 

     

 

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