30日(金)。えっ もう金曜日‼ と週末になるたびに驚く今日この頃です。本当に1週間が経つのが速く感じます その積み重ねで今日で11月も終わり。皆さまいかがお過ごしでしょうか
第一生命ホールを運営しているトリトンアーツからハガキが届きました 来年3月9日に同ホールで開催される「クァルテット・エクセルシオ ✕ クァルテット奥志賀」公演に出演予定のエクセルシオ第2ヴァイオリン奏者・山田百子さんが 健康上の理由で出演できなくなり、代わりに都響第2ヴァイオリン首席奏者・双紙正哉氏が出演するという内容でした ということは、12月2日(日)にサントリーホール「ブルーローズ」で開かれる「第100回桐朋学園室内楽演奏会」にも出演できないということでしょう こちらは誰を代演に立てるのでしょうか? いずれにしても、山田百子さんの健康が心配ですね
ということで、わが家に来てから今日で1519日目を迎え、女優の赤城春江さんが29日早朝 死去した(享年94歳) というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「渡る世間は鬼ばかり」だけど 共演者をはじめ みんな別れを「おしん」でいます
昨日、夕食に「豚バラのエリンギ炒め」と「もやし豚汁」を作りました 「豚バラ~」はウーウェン先生、「豚汁」は笠原将弘先生のレシピですが、いずれも簡単で経済的で美味しい料理です
年間70冊達成を目指して本を5冊買いました 1冊目は志駕晃著「スマホを落としただけなのに」(宝島社文庫)です。映画化もされて話題の本です
2冊目は誉田哲也著「ルージュ 硝子の太陽」(光文社文庫)です 誉田哲也の本は文庫化されるたびに購入し、当ブログでご紹介してきました
3冊目は小杉健治著「父からの手紙」(光文社文庫)です この本は新聞の書評欄で見て買うことにしました
4冊目は真山仁著「当確師」(中公文庫)です 真山仁と言えば「ハゲタカ」シリーズで有名になりましたね
5冊目は大岡昇平著「小林秀雄」(中公文庫)です 「モオツァルト」の小林秀雄に興味が尽きません
アンソニー・ホロヴィッツ著「カササギ殺人事件(上・下)」(創元推理文庫)を読み終わりました この本は新聞の書評欄で激賞されていたミステリーで、大手書店に買いに行った時は下巻しか在庫がなく、上巻はしばらく待たなければなりませんでした 文庫本のカバーに記載された略歴によると、著者のアンソニー・ホロヴィッツはイギリスを代表する作家で、ヤングアダルト作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズがベストセラーになり、人気テレビドラマ「刑事フォイル」「バーナビー警部」の脚本を手掛けているそうです
「上巻」の最初の部分を読むと、「名探偵アティカス・ピュントシリーズ 『カササギ殺人事件』 アラン・コンウェイ」という本の「扉」が現われます。つまり、この小説は、アラン・コンウェイという小説家が探偵ピュントを主人公にした『カササギ殺人事件』という題名の推理小説を書いたというスタイルを取っているのです その小説の中で、二人の人物が死亡します 一人はパイ屋敷と呼ばれる准男爵の邸宅で長年家政婦として働いてきたブラキストン夫人です。彼女は、主の留守中に階段の下で首の骨を折って死んでいました 館の出入口はすべて施錠されていました。村では不仲だった息子ロバートが殺したのではないかと囁かれていました。ロバートの婚約者ジョイは名探偵ピュントのもとを訪れ、無責任な噂を打ち消すために村に来てほしいと依頼しますが、断られます。ピュントは不治の病で余命2,3か月と診断されたため新たな依頼は受けられなかったのでした しかし、数日後、同じ村で殺人事件が発生します。ジョイの話の中に引っかかるものがあったため、ピュントは村に向かいます。殺されたのはブラキストン夫人の雇人であるパイ屋敷のサー・マグナス・パイでした
最初に死んだブラキストン夫人はどんなことにも顔を突っ込むタイプの女性だったので、人々から恨みを買うこともありました 一方、マグナス・パイ准男爵は町民が憩いの場としていた小さな杜ディングル・デルの土地を開発業者に売り、新しい家を何軒か建てようとしていたことから、町民の反感を買っていました 誰にも動機はあったのです
そして、最後の1行で「えっ」と絶句します。ブラキストン夫人を殺したとされる人物が明らかにされているのですが、動機がまったく不明です いったいどうなっているんだ と一刻も早く「下巻」を読みたい気持ちを押さえられません
「犯人」と目される人物の動機が知りたいと思って「下巻」を読み始めると、当てが外れます アラン・コンウェイ著「名探偵アティカス・ピュントシリーズ『カササギ殺人事件』」の出版元「クローヴァーリーフ・ブックス」社の内部の話が いきなり展開して面喰います 同社の文芸部門の編集者スーザン・ライランドが登場し、『カササギ殺人事件』の結末部分の原稿が見つからないことから、同社の最高経営責任者チャールズ・クローヴァーに「どうなっているの?」と電話をするシーンから始まります 結末部分がないことから、スーザンは二人の死亡について、容疑者を一人一人挙げていき謎解きをしていきます。そして、夜ラジオを聴いて、著者のアラン・コンウェイが死んだという事実を知ります スーザンはアランからチャールズ宛に書かれた遺書めいた手紙を示されますが、結末部分については直接触れていませんでした アランは自殺したのか、あるいは何らかの理由で殺されたのか、スーザンは小説の中の死亡事件と、目の前の死亡事件の間に立って推理を巡らせていきます そして、ついに小説の結末部分を探り当て、同時にアランの死の真相を突き止めます
以上から分かるように、この小説は二重構造になっています 一つは、名探偵アティカス・ピュントの活躍を描いた部分で、小説家アラン・コンウェイによる『カササギ殺人事件』という謎解きミステリの形式をとる作中作です もう一つは、「名探偵アティカス・ピュントシリーズ」の担当編集者である私(スーザン)が、作者アラン・コンウェイを中心とした出版界やメディア関係者、自身の友人や知人などとの関わりの中でアランの死の謎を追う部分です この二つの物語は密接に絡み合って二つの謎解きが同時並行して進行していきます
ミステリーのベストセラー作家スティーヴン・キングは「本書は、クリスティ作品に匹敵する傑作だ。いや、超えているところさえある」と賛辞を寄せています
上・下巻合わせて740ページを超える大作ですが、時間が経つのを忘れるほど面白い本です 強くお薦めします