27日(火)。昨日は映画を観に行こうと思っていたのですが、前の週に映画を7本観て、コンサートを3回聴いたせいか、いささか疲れたので、大人しく過ごすことにしました とはいえ、家でじっとしていることが出来ない性分なので、散歩がてら池袋まで歩いて行き(約35分)ジュンク堂で文庫本コーナーを冷やかして、喫茶店(今どきはカフェというのか?)で新聞2紙と本を読んで帰ってきました
ところで、昨日の日経夕刊「くらしナビ面」のコラム「プロムナード」に作家の荻原浩氏が「先入観を疑え」というテーマでエッセイを書いています 大谷翔平選手がメジャーリーグで新人王を取ったことに関して、
「疑問視する人もいたが、二刀流はやっぱり正解だったということだ 二刀流で起用し続けた栗山監督が語っていた言葉が印象的だった。『先入観は可能を不可能にする』。いい言葉だ
」
と書いています。さらに相撲界に話を転じ、
「日本人横綱がいないと面白くない、というコメントがマスコミに流れるのはどうかと思う 誰とは言わないが、負けても負けても土俵に引っ張り上げられる日本人横綱も大変だ
伝統芸じゃないんだから
」
と書いています。ここで俎上に上がっている日本人横綱が稀勢の里であることは明白です
ということで、わが家に来てから今日で1516日目を迎え、日本相撲協会の諮問機関 横綱審議委員会は26日、福岡市で会合を開き、九州場所で4連敗して途中休場した横綱稀勢の里に対し、横審規則に基づき「激励」することを決議した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「激励」の次は「注意」、最後は「引退勧告」らしい 今が踏ん張りどころだな!
昨日は夕食を「カレー」にしようか「カレイ」にしようか大いに迷いましたが、最近 魚メインの料理を作っていないので、「カレイの煮つけ」にしました あとは「インゲンのごま和え」と「湯豆腐」です
「カレイ」は池袋ISPのN水産で買った北海道産なのですごく美味しかったです
冒頭に 日経掲載のエッセイを紹介した荻原浩氏の「ギブ・ミー・ア・チャンス」(文春文庫)を読み終わりました 荻原浩氏は1956年埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業。広告制作会社を経て、コピーライターとして独立。97年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞しデビュー
2016年「海の見える理髪店」で直木賞を受賞しています
この本には次の8つの短編小説が収録されています
「探偵には向かない職業」
「冬燕ひとり旅」
「夜明けはスクリーントーンの彼方」
「アテンションプリーズ・ミー」
「タケぴよインサイドストーリー」
「リリーベル殺人事件」
「押入れの国の王女様」
「ギブ・ミー・ア・チャンス」
このうち、「探偵には向かない職業」は、探偵事務所に就職したものの身体が大きくて、電信柱に隠れて尾行してもすぐにばれてしまう体重153キロの元力士の奮闘ぶりを描いた作品です
「冬燕ひとり旅」は、いつまでもメジャーデビューできず 健康ランドで歌う40代のしがない女性演歌歌手の苦労と新たな決意を描いています
「アテンションプリーズ・ミー」は、海外便のエア・ホステスから地方の特急列車オレンジエクスプレス「みかん娘号」のキャビン・アテンダントに転職した若き真椰子の気苦労を描いた作品です
「タケぴよインサイドストーリー」は、浦浜市のイメージキャラクター「タケぴよ」の縫いぐるみを着て、市の広報のために一肌脱ぐことになった若い職員の表面には出ない苦労を描いています
「ギブ・ミー・ア・チャンス」は、お笑い芸人を夢見る若者と、アパートの同じ階に引っ越してきた若い女性との交流を描いた作品です
どの小説もユーモアとペーソスに溢れていて、荻原浩の読者への並々ならぬサービス精神を感じさせます
とくに印象深いのは、「タケぴよインサイドストーリー」です 小説の終盤に、タケぴよが「全国ゆるキャラ選手権」に出場する場面が出てきます。この選手権は滋賀県のキャンプ場公園で開かれ、エントリーしたゆるキャラが舞台の上で30秒のアピールタイムをこなして、その後、選考委員と、抽選で選ばれた一般審査員の投票が行われ結果が発表されるという設定になっています
折しも少し前の新聞報道等で、かつて「くまもん」が1位に選ばれた「ゆるキャラ グランプリ」のイベントが今年 大阪で開かれた際、事前のインターネット投票で上位の自治体が、万単位のフリーメールのアドレスを取得し、組織票を投じていることが明らかになった というゆゆしき事実が報道されました それほど「ゆるキャラグランプリ第1位」は魅力があるのか、と疑問に思います
ちなみに「過去5年間の第1位を挙げよ」という問題が出たら、私にはひとつも答えられません。異常な現象だと思います