人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット✕ヒンリッヒ・アルパース✕東響でブラームス「ピアノ協奏曲第2番」、ラフマニノフ「交響曲第2番」を聴く / 東響名曲全集「チャイコフスキー三大ピアノ協奏曲」のチケットを取る

2018年11月04日 07時20分58秒 | 日記

4日(日)。わが家に来てから今日で1493日目を迎え、安倍晋三首相が2日の衆院予算委員会の答弁で、自らを「立法府の長」と言い間違える場面があった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                行政府の長が立法府の長と言うから 安倍一強意識が抜けないと言われるんじゃね?

 

         

 

来年2月3日(日)にカルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)で開かれる東京交響楽団の名曲全集「チャイコフスキー 三大ピアノ協奏曲!」のチケットを取りました チャイコフスキーのピアノ協奏曲は第1番は何度も聴いたことはありますが、第2番と第3番はまだ一度も聴いたことがありません 全3曲を演奏するコンサートは滅多にないので、今回は絶好のチャンスだと思います ソリストは奥井紫麻さん(第1番)、ミロスラフ・クルティシェフさん(第2番)、福原彰美さん(第3番)ですが、残念ながら一人も存じあげません でも 指揮者が秋山和慶さんなので その点は安心しています

ミューザ川崎シンフォニーホールが改修工事のため使えないので、会場がカルッツかわさきになったのですが、私にとっては初体験です JR川崎駅からはバスもあるようですが、徒歩で約15分とのことなので 健康のため歩こうと思います

 

     

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団第665回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第2番変ロ長調  作品83」、②ラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調  作品27」です ①のピアノ独奏はヒンリッヒ・アルパース、指揮はジョナサン・ノットです

 

     

 

ジョナサン・ノットの人気か、それともプログラミングの良さか、いつもの東響定期公演より客の入りが良いようです ステージ上には10数本の収録マイクが林立しています 次年度の会員継続特典CDの収録かどうかは不明です

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります これを私はノット・シフトと呼んでいます。コンマスはグレヴ・二キティンです

1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第2番変ロ長調  作品83」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1881年に作曲しました。それまでのピアノ協奏曲はブラームスの第1番を含めて3楽章形式が普通だったのに対し、この第2番は4楽章から成ります これはブラームスが「ピアノ付の交響曲」を意識していたことを物語っています 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・アパッショナート」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アレグレット・グラツィオーソ」の4楽章から成ります

名前からしてドイツ人のヒンリッヒ・アルパースがピアノに向かい、ノットのタクトで第1楽章に入ります 冒頭のホルン独奏が崩れると曲全体が台無しになりますが、首席の上間善之は無難にクリアしました ノットは冒頭のラルゴの後は比較的速めのテンポで引き締まった演奏を展開します アルパースの演奏は肩の力が抜けてリラックスしているというか、ブラームスの曲にしては重さを感じさせません 極めて自然体で演奏しているように見えます これは第1楽章に限らず全楽章に通じて言えることです。ピアノとオケとの丁々発止のやり取りがみられる第2楽章こそシンフォニックな演奏と言えるでしょう 第3楽章は冒頭、首席チェロの伊藤文嗣が素晴らしい演奏を展開し、思わず聴き惚れてしまいました ベートーヴェンの緩徐楽章も良いけれど、この楽章を聴くとブラームスも良いなと思います 第4楽章はアルパースの軽快なピアノが会場に響き渡ります ノット✕東響のメンバーはしっかりとピアニストを盛り立てていました

盛大な拍手にアルパースは、ブラームス「3つの間奏曲  作品117-1」を自然体で演奏、聴衆のクールダウンを図りました この演奏を聴きながら、かつて紀尾井ホールで聴いたアファナシエフによる アルパースとは趣の異なる超スローテンポの演奏を思い出しました


     


プログラム後半はラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調  作品27」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1906年10月から1908年1月にかけて作曲し、1908年2月8日にペテルブルクで作曲者自身の指揮で初演された作品です 広く知られているように、1897年(24歳の時)に発表した「交響曲第1番」が大失敗に終わり ラフマニノフは失意の中にあったのですが、その後、1900年末から1901年にかけて作曲した「ピアノ協奏曲第2番」が成功し、彼は自信を取り戻したのでした   その流れに乗って作曲したのがこの「交響曲第2番」でした 第1楽章「ラルゴ~アレグロ・モデラート」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

ノットの流麗な指揮による東響の演奏を聴きながら、私は6~7年前の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」でこの曲を演奏したドミトリー・リス指揮ウラル・フィルによる雄大な演奏を思い出していました 指揮台の上で”一人ボクシング”をしているような激しい身振りのドミトリー・リスと、彼のタクトから生まれるダイナミックな音楽に感動しました それまでCDではこの曲を聴いたことはあったのですが、特に印象が残るまでには至りませんでした リス✕ウラル・フィルの演奏こそ この曲の真価を認識させてくれた演奏でした

それに比べると、ノットの指揮はスマートで、すべてが冷静な計算に基づいて音楽が進められてるように見えます しかし、それでも、東京交響楽団の面々は音楽監督ジョナサン・ノットがタクトを取るときは、異常なくらいの集中力を見せ、素晴らしい演奏を展開します 第3楽章はロマンティシズムの極致をいく演奏で、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」は、聴いているこちらも身体が熱くなってくるのを感じるほど熱い演奏です

最後の音が鳴り終わると、いつもだと一瞬のしじまの後におもむろに拍手が起こるのですが、この時はほとんど間髪入れずに拍手とブラボーが飛び交いました これほどのブラボーを聴いたのは最近では思い出せないくらい、会場のそこかしこから大きな声でブラボーがかかっていました これでこそ、ステージにマイクを立てた甲斐があったというのもです   東京交響楽団のしたたかさを感じさせるコンサートでもありました

コメント
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