人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでビゼー「カルメン」を観る~ドン・ホセのオレグ・ドルゴフとミカエラの砂川涼子にブラボー!ジンジャー・コスタ=ジャクソンのカルメンをどう評価すべきか?

2018年11月28日 07時21分40秒 | 日記

28日(水)。わが家に来てから今日で1517日目を迎え、俳優の中谷美紀さん(42)が、ウィーン・フィルのヴィオラ奏者、ティロ・フェヒナーさん(50)と結婚したことを27日、所属事務所を通じて発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      弦をかついだ? これからの人生を丁々にするのも単調にするのも二人次第だね 

 

         

昨日の夕食は豚骨醤油鍋にしました。材料は、豚バラ肉、鶏肉団子、キャベツ、ネギ、シメジ、ニンジン、ホウレンソウです 寒い夜は鍋料理がいいですね

 

     

 

         

 

昨日、初台の新国立劇場「オペラパレス」でビゼー「カルメン」を観ました 正面玄関ではクリスマスツリーがお出迎えです

 

     

 

私はプルミエ(初日公演)会員なので本来は23日に観るはずでしたが、バッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会と重なったため 昨日に振り替えました   振替先の席は2階1列19番、つまり2階最前列のセンターブロック左から5つ目で、ほとんど ど真ん中です。これほど良い席で聴くのは初めてです オーケストラ・ピットの中が良く見えます 振り替え手続きの時の電話で、高校生の集団が後方に入るがそれでも良いかと訊かれましたが、その通り、2階センター後方と右サイド、3階席を中心に男女高校生が陣取っていました 今の高校生は羨ましいですね。学校行事の一環としてオペラが観られるのですから

さて、オペラのキャストは、カルメン=ジンジャー・コスタ=ジャクソン、ドン・ホセ=オレグ・ドルゴフ、エスカミーリョ=ティモシー・レナ―、ミカエラ=砂川涼子、スニガ=伊藤貴之、フラスキータ=日比野幸、メルセデス=中島郁子ほか 管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、児童合唱=TOKYO FM少年合唱団、ダンサー=新国立劇場バレエ団、指揮=ジャン=リュック・ダンゴ―、演出=鵜山仁です

私が新国立オペラの「カルメン」を観るのは、2002年、2004年、2007年、2010年、2014年、2017年に次いで今回が7度目です このうち鵜山仁氏の演出で観るのは5度目です。「フィガロの結婚」と共に、もうそろそろ変えて欲しいと、個人的には思っています

 

     

 

スペインのセビリヤのタバコ工場で働くジプシーの魔性の女カルメンは自分に関心を示さない伍長のドン・ホセを誘惑する。ホセにはミカエラという許婚がいたが、カルメンの魅力には勝てず、軍隊を脱走し、ジプシーの密輸団の一味に加わる しかし、飽きっぽいカルメンのホセへの愛は続かず、花形闘牛士エスカミーリョに心を移す そんな中、ミカエラがやってきて田舎に住むホセの母親が危篤だと知らせ、ホセは密輸団を離れる 闘牛の日、ホセは再びカルメンの前に現われ復縁を迫るが、カルメンからキッパリと拒絶される。逆上したホセは短剣でカルメンの胸を突く

 

     

 

ドン・ホセを歌ったオレグ・ドルゴフはロシア生まれで、2014年からモスクワ・ボリショイ劇場のソリストとして活躍しています 伸びのあるテノールで演技力も申し分ありません

エスカミーリョを歌ったティモシー・レナ―はアメリカ生まれで、現在フィラデルフィア・アカデミー・オブ・ヴォーカル・アーツのレジデント・アーティストとして活躍しています 背丈もあり、カッコいい闘牛士にピッタリの風貌で、艶のある魅力的なバリトンを聴かせてくれました

ミカエラを歌った砂川涼子は前回(2017年)に続いての出演ですが、まさに彼女の当たり役と言っても過言ではないでしょう 第1幕のホセとの二重唱、第3幕でホセに向けて歌うアリアを、美しくも力のあるソプラノで歌い上げ、聴衆を魅了しました

さて、問題はタイトルロールのカルメンを歌ったジンジャー・コスタ=ジャクソンをどのように評価したらよいのか、ということです 彼女はイタリア生まれで、メトロポリタン歌劇場リンデマン・ヤングアーティスト・プログラムを修了後、同歌劇場でロッシーニなどを歌い、「カルメン」を得意にしているとのことです

彼女の最初の出番は第1幕で「ハバネラ」を歌うシーンですが、息継ぎの関係か、歌の途中で一瞬声が消えてしまう(ように思える)ところが2度ほどあって、聴いていて「おやっ」と思いました ただ、「セギディーリャ」以降のアリアはスムーズに歌っていました 第2幕でカスタネットを叩いて踊りながら歌う「ジプシーの歌」などは、カスタネットも歌も何と上手いんだろうと感心したくらいです

ただ、「カルメン」としては何か物足りなさを感じます しかし、それは彼女に限りません。これまで新国立オペラでカルメンを歌ってきた歌手で 後々まで強烈に印象に残っているソプラノはいないと言っても過言ではありません  何故 そのように思うのかと冷静に考えてみると、METライブビューイングで観たエリーナ・ガランチャのカルメンが強烈に印象に残っているからだと思います

こう書くと、いかにも新国立オペラの立てるヒロインには魅力がないと誤解されかねませんが、そうではありません   プッチーニ「トスカ」を例に挙げれば、新国立オペラで2度ほどトスカを歌ったノルマ・ファンティー二は、これまで聴いてきたうちで最高のトスカでした   2011年7月のプラハ国立歌劇場来日公演で彼女がトスカを歌った時も聴きに行きました

オペラでもコンサートでも、前に観たり聴いたりした公演と比べてはいけない、白紙の状態で観たり聴いたりすべきだというのが本来のあり方なのだと思います その意味で、今回はガランチャのカルメンを頭から消し去ることが出来ないままジンジャー・コスタ=ジャクソンの歌を聴いたので、冷静に聴くことが出来なかったと反省しています

話は180度変わりますが、「カルメン」を観終わって思うのは、「あの後、どうなるんだろう?」ということです オペラの最後は、ホセがナイフでカルメンの胸を刺し、「逮捕してくれ。俺が殺したんだ。ああ!カルメン!俺のカルメン!」と言って泣き崩れ、幕が降ります。この後、ホセはどうなるのかという疑問です

何故そのような疑問を抱くかと言えば、第3幕冒頭のトランプ占いの場面を思い出すからです フラスキータとメルセデスと共にトランプ占いをやっていたカルメンがカードで運勢を占うと 死が予言されます カルメンは「死よ 最初は私が、次にあの人(ホセ)が死ぬんだわ」と叫びます。占い通り、カルメンが死にました。予言通りだとすれば、次はホセが死ぬはずです。カルメンを刺したナイフで自害するか、謀反の罪で軍隊に処刑されるかといったところでしょう 占いが外れてミカエラと幸せに暮らしましたとさ、チャンチャン では名作「カルメン」が泣きます。ホセには死んでもらいます

 

     

コメント
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