人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヤルヴィ指揮ドイツカンマー・フィルでブラームス「ピアノ協奏曲第1番」「交響曲第1番」を聴く

2014年12月11日 07時00分44秒 | 日記

11日(木)。わが家に来てから75日目を迎えたなかなか友達が出来ないモコタロです 

 

          

            ぼく この子とは赤の他人だよ 白い顔してるけど・・・

 

  閑話休題  

 

昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールでパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルのコンサートを聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第1番ニ短調」、②同「交響曲第1番ハ短調」。①のソリストはラルス・フォークトです

 

          

 

ヤルヴィは2004年からドイツ・カンマー・フィルの芸術監督を務めていますが、ほかにもパリ管弦楽団の音楽監督も務め、過去に音楽監督だったフランクフルト放送交響楽団とシンシナティ交響楽団ではそれぞれ桂冠指揮者、桂冠音楽監督を務めています また、2015年からはNHK交響楽団の首席指揮者に就任する予定です。まさに世界のオーケストラから引っ張りだこの指揮者です 一方、ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団はドイツ・ブレーメンに本拠を置く世界でも指折りの室内オーケストラです。ここ数年、ヤルヴィの指揮のもとベートーヴェンやシューマンの交響曲の演奏で高い評価を受けてきました 

 

          

 

ロビーの掲示にある通り、NHKが収録するため会場のセンター後方、ステージ上の左サイド後方、中央のグランドピアノの鍵盤に向けて、それぞれテレビカメラがスタンバイしています

自席は1階18列3番、会場は3階席まで文字通り満席です。ざっと見る限り男性が圧倒的に多いようです。私の前後左右だけでも全員が男性です この日のコンサートは定期コンサートではないので、聴衆はわざわざ”選んで”会場に来ているわけで、男性の方が女性よりブラームスを好む割合が高いということでしょう。これはブルックナーにも共通する傾向です

拍手の中オケの面々が登場します。全員揃ったところで会場に向けて全員で一礼します。海外オケでは珍しい光景です オケは左奥にコントラバス、前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。ざっと見渡したところ総勢約60人といった編成です。”カンマー・オーケストラ”の名の通り”室内楽”オケです

ヤルヴィとフォークトが登場し1曲目のピアノ協奏曲第1番ニ短調の演奏に入ります。曲の冒頭、思いのたけをぶつけるようなオケの総奏で開始されます テンポはかなりゆっくりです。この演奏を聴いていて、グレン・グールドがバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルをバックに演奏した超スローテンポの演奏を思い出しました あれほどではないにしても、かなり遅いテンポです。ヤルヴィとフォークトのコンビは、一音一音を噛みしめるように音楽を進めます 第2楽章は、愛するクララ・シューマンへの思いが込められたアダージョです。第3楽章へは間を置かずに突入します。フォークトはまさに男のロマンを奏でます。テンポも上がっています

大きな拍手と、会場のそこかしこから掛けられるブラボーに、フォークトは日本語で「アリガトゴザイマシタ」と言って、ブラームスのワルツ作品39-15を弾きました

 

          

 

休憩後は交響曲第1番ハ短調です。ハ短調はベートーヴェンの第5番”運命”と同じ調性です。前半は男性だったコンマスが後半は女性に代わりました。プログラムに掲載された団員名簿によるとサラ・クリスチャンという女性です。ロングスカートなんか履きません。活動的なパンツルックです

ヤルヴィが登場します。にこやかに会場に向かって一礼したかと思ったら、振り向きざまにタクトを振り下ろし、いきなり序奏部の3連音の連続演奏に入ります 驚いたのはそのスピードです。前半に演奏したピアノ協奏曲第1番がゆったりしたテンポだったので、その路線で行くだろうと予想していたのが、見事に覆されました これほど速い第1番の冒頭を聴いたのは生まれて初めてです。しかし、序奏部が終わるとテンポが落ち着き、大地に根を下ろしたようなどっしりした演奏が続きます

ヤルヴィの指揮の特徴は、かなりテンポを揺らすことと、メリハリをはっきりとつけて演奏することです プログラムに寄せた音楽評論家の舩木篤也氏の解説によると、ヤルヴィは「ブラームスの音楽はとても論理的で、完璧に整えられているわけですが、論理だけでは交響曲は作れませんし、演奏もよくはならない。演奏者はそこに一つのストーリーを見つけ、それを語る方法を見いださねばなりません」と語ったとのことです

ヤルヴィの指揮でブラームスを聴いていると、まさに彼自身が語ったように、まるで「ストーリーを語っている」ように感じます それも大袈裟に騒ぎ立てるのとは対極にある語り口で、流れが自然です。例えば、最後の第4楽章でアルペンホルンがクララへの愛を高らかに歌い上げる有名なメロディーの部分、あるいはその直後に弦楽器によって奏でられるベートーヴェンの第9の”歓喜の歌”になぞられる有名なメロディーの部分では、「さあ、これからがこの曲の聴きどころだからよく耳を傾けて聴いてよ」と肩に力を入れて演奏するのでなく、ごく自然体で音楽を奏でます。それが、返って静かな感動を呼び起こします

第4楽章フィナーレは、とても60人規模のオケとは思えない圧倒的な迫力で曲を閉じました。会場割れんばかりの拍手とブラボーがヤルヴィとカンマー・フィルの面々に押し寄せます 

何度もステージに呼び戻されたヤルヴィは、ブラームスのハンガリー舞曲の中でもアンコール曲としてはあまり演奏されない第10番を、自由自在のテンポで演奏し、拍手喝さいを浴びました それでも鳴り止まない拍手に、今度は定番のハンガリー舞曲第1番を、唖然とするようなノリノリの演奏で聴衆の心を鷲づかみにしました この日の演奏は間違いなく今年のマイ・ベスト10に入るでしょう

当日の演奏は来年2月15日(日)午後9時からNHK-Eテレで放映されるとのこと。前述の通り、ヤルヴィは来年N響の首席指揮者に就任するわけですが、在京オケの目玉になりそうです

 

          

     

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読売日響の2015-2016年シーズン定期演奏会会員になる

2014年12月10日 07時00分38秒 | 日記

10日(水)。わが家に来てから74日目を迎えた座布団の綿を掘り出して反省しているモコタロです

 

                            

              座布団の綿 まずい! 掘り出すんじゃなかった

 

  閑話休題  

 

三菱グループの広報誌「MITSUBISHI」12月号が「クラシック音楽入門」を特集しています ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが案内役を務め、グレゴリオ聖歌からバロック音楽、古典派、ロマン派に至るまでクラシック音楽の歴史を振り返り、それぞれの時代の代表的な音楽の魅力を紹介しています

 

          

 

誰かが高嶋さんにインタビューしたものを書き起こしたものと思われますが、クラシック音楽史のエッセンスと曲目の魅力が分かりやすく紹介されていて、入門編として最適だと思います 特に、共感できる!と思ったのは「コンサート前に1回は、演奏される曲目を通して聴いておいた方がよい」というアドバイスです。時間がある限り私がいつも実行している『予習』の大切さです 私は約4,000枚のCDから演奏曲目を選び出して聴いていますが、CDを持っていなくても、ネットで曲目を検索すればパソコン上で音楽を再現することができます 予習をするのとしないのとではまったく本番での聴こえ方が違ってきます。一度試してみてはいかがでしょうか

 

          

        高嶋さん 傾いてませんか? いいえ、あなたの撮り方が傾いてんのよ!

 

  閑話休題  

 

昨夕、当ビル9階の日本記者クラブレストランで、有力テナントH社のF社長、T営業部長、当社のH君と4人で忘年会を開きました 冬は鍋料理、ということで、フグ料理コースです 最初は生ビールで乾杯し、その後は焼酎のお湯割り、そしてフグのヒレ酒に移りました もちろん料理はフグ刺、フグ鍋がメインです。何の話をしたのかフグに忘れてしまいましたが、フグは最高でした

 

  も一度、閑話休題  

 

読売日本交響楽団の2015-2016シーズンの定期会員になりました 読売日響は「定期演奏会」(サントリーホール)のほか、「サントリーホール名曲シリーズ」、「東京芸術劇場マチネーシリーズ」、「読響メトロポリタン・シリーズ」(東京芸術劇場)、「みなとみらいホリデー名曲シリーズ」、「読響カレッジ」(文京シビックホール)、「東京オペラシティ名曲シリーズ」と選択肢が多岐にわたりますが、プログラムを吟味した結果、サントリーホールでの「定期演奏会」の年間会員(S席)を選びました 年間会員券(全10回)はS席で45,300円です。さっそくセブン・イレブンを通じて支払いを済ませました

 

          

 

申し込みは、読響チケットWEBにアクセスして個人情報を登録し、画面上で座席を選択しました。新規会員の申し込みなので、S席と言っても1階ではかなり後方の席です それでもセンターブロック左通路側席が押さえられました

 

          

 

読響の定期会員になるのはドイツのゲルト・アルブレヒトが常任指揮者をやっていた時代(1998年~2007年)の数年間以来ですから、ほぼ10年ぶりになります 残念ながら、アルブレヒトは今年2月2日、78歳で死去しました ドイツの巨匠フルトヴェングラーのような厳つい風貌で、好きな指揮者でした 彼が読響を降りたので、読響の定期会員を止めたのです。今回、再び読響の定期会員になろうと思ったのは指揮者の魅力というよりはプログラム構成の良さです。もちろん、読響は数ある在京オケの中でも優れたオーケストラであるということも重要な要素です

 

          

 

10回のうち魅力的なプログラムは、マーラーの「交響曲第3番」、同「交響曲第7番」、ブルックナーの「交響曲第7番」、ショスタコーヴィチの「交響曲第7番」、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会形式)といったラインナップです。今から楽しみです

 

          

 

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映画「ガガーリン 世界を変えた108分」を観る~日本記者クラブ試写会

2014年12月09日 07時01分01秒 | 日記

9日(火)。わが家に来てから73日目を迎えたガガーリンを尊敬するモコタロです 

 

          

              ぼくもガガーリンのように 太く短く生きよう!

 

  閑話休題  

 

昨日午後6時から当ビル10階ホールで日本記者クラブ主催の試写会「ガガーリン 世界を変えた108分」を観ました 

今から53年前の1961年4月12日、ソ連の宇宙船ボストーク1号に乗ったユーリー・ガガーリンは一人宇宙へ飛び立ちました。ボストーク1号は地球の周回軌道に入ると大気圏を1周し、108分の旅を終えて地球に帰還、史上初の宇宙飛行に成功しました この映画は、1934年に貧しい農村に生まれ、どん底から世界の英雄になるまでのガガーリンの半生を描いたもので、彼の生誕80年を記念して作られた映画です

 

          

 

舞台は米ソの”東西冷戦”さなかのソ連です。人類初の宇宙飛行士を選ぶために3,000人以上の空軍パイロットの中からたったの20人が選抜されます 人類未踏の命がけのミッションを達成するため厳しい訓練が続き、最終候補としてガガーリンとゲルマンの二人が生き残りますが、最後に精神的にも肉体的にも強靭なガガーリンが残ります

映画では、ガガーリンの貧しい子供時代や厳しい訓練の過程が回想されながら、史上初の有人宇宙飛行のロケット発射の瞬間、打ち上げられた後のガガーリンの孤独な自己との戦い、そして宇宙から地球へ無事帰還するシーンまでが描かれます

タイトルの108分だとピンと来ないのですが、1時間48分と言い直してみると、ガガーリンはそれだけの時間に命を懸けたのかとあらためて驚きます。彼は国家的な期待の重圧の中で、当時の最新テクノロジーを信じて、あとは運を天に任せたのでしょう 「おまえ、やれ」と言われても、おいそれと出来るものではありません。過酷な訓練に耐えぬき、3,000人以上の候補者の中から選ばれたという自信と、未知の世界に一人で挑む勇気があったことも間違いないでしょう

ソ連の英雄、人類史上にその名を遺したガガーリンは1968年3月、操縦していたミグ15戦闘機がモスクワ郊外のキルジャチ付近を飛行中に墜落し死亡しました。34歳の若さでした。正確な原因は不明のままとのことですが、意味深長です

当時彼がボストーク1号から地球を見た時に語ったとされる「地球は青かった」という名言は、どうも正確ではないようです。映画では、その発言シーンはありません

 

          

 

さて、この映画で使われているクラシック音楽は何か?さすがはロシア映画です。チャイコフスキーです ガガーリンが仲間たちと馬ソリに乗って走るシーン(下の写真)で流れているのは、チャイコフスキー最後のバレエ組曲「くるみ割り人形」の「トレパーク」です 跳ねるような踊るような陽気な音楽です。しかし、チャイコフスキーはこの曲を書いて1年8か月後にはコレラで死去してしまいます

 

          

 

充実したプログラムを読んでいて面白いと思ったのは、宇宙ライター林公代さんによる「有人宇宙飛行の歴史~すべてはガガーリンから始まった」の中に書かれたエピソードです

「興味深いのは、世界の宇宙飛行士達が、今も英雄ガガーリンの行動を踏襲する儀式を行い、ゲン担ぎをしていることだ たとえば発射前日に映画「砂漠の白い太陽」を見ること、また発射台に向かうバスを途中でおりて、タイヤに向かって立ち小便をすることも『儀式』の一つだ。ガガーリンは『生きる伝説』なのだ」

ガガーリンとその後継者達だから許されることです。日本でやったら軽犯罪法違反で捕まります 1969年7月20日(日本時間21日)にアポロ11号で月面に着陸し、人類で初めて月面に降り立ったアームストロング船長とオルドリン飛行士も、ガガーリンのゲン担ぎをやったのでしょうか。あるいは月で・・・

この映画は2013年 ロシア制作 ロシア語 113分 カラーで、12月20日から都心では新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町で上映されます 

 

          

 

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マーラー「交響曲第8番”千人の交響曲」を聴く~ミューザ川崎開館10周年記念公演

2014年12月08日 07時00分48秒 | 日記

8日(月)。わが家に来てから72日目を迎えた目立ちたがり屋のモコタロです 

 

          

          あまりヌイグルミを置かないでよ ぼくが目立たなくなるし

 

  閑話休題  

 

昨日、ミューザ川崎で「ミューザ川崎開館10周年記念演奏会~マーラー『交響曲第8番”千人の交響曲”』」を聴きました 独唱と合唱を伴う大管弦楽曲です。出演は、ソプラノⅠ(罪深き女)=エリン・ウォール、ソプラノⅡ(懺悔する女)=メラニー・ディーナー、ソプラノⅢ(栄光の聖母)=アニカ・ゲルハルズ、アルトⅠ(サマリアの女)=イヴォンヌ・ネーフ、アルトⅡ(エジプトのマリア)=ゲルヒルト・ロンベルガ―、テノール(マリア崇敬の博士)=ニコライ・シューコフ、バリトン(法悦の教父)=デトレフ・ロス、バス(冥想する教父)=リアン・リ。合唱は東響コーラス、東京少年少女合唱隊(団ではなく隊ですよ、奥さん!)、指揮は東響音楽監督ジョナサン・ノットです

 

          

 

マーラーの交響曲の中でもなかなか聴く機会のない大曲なので、この1週間、毎朝出勤前にレナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルのCDで予習してきました CDだと朝から大きな音を出すわけにもいかないのが玉にきずですが

 

                 

 

自席は2階の2CB3列2番、2階のセンター左ブロックの左から2つ目の席です。ミューザの2階席は非常に分かりずらいですね 迷った挙句、女性のアテンダントに案内してもらいました 会場は、合唱団が入るP席(ステージの後ろ側の2階席)を除いてほぼ満席です

最初に東京コーラスの皆さんが入場し席に着きます。パイプオルガン下のP席に男声陣が、その左右のブロックに女声陣が配置に着きます 次に白の衣装を身にまとった少年少女合唱隊が管楽器の後ろ側にスタンバイします。そしてオケの面々が登場し配置に着きます。左奥にコントラバス、前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります ティンパ二、大太鼓、シンバル、4台のハープ、ピアノ、オルガン、マンドリンなどは右サイドにスタンバイします。正面2階ではパイプオルガン奏者が控えます

コンマスの大谷康子さんが登場、チューニングをしてソリストと指揮者を待ちます。拍手の中、ジョナサン・ノットとともに独唱の歌手陣が入場し少年少女合唱隊の後ろにスタンバイします。ざっと見渡すと、オケが約110人、男女混合合唱が約220人、少年少女合唱が約60人で、合計390人ほどの規模です

 

          

 

ノットの指揮でパイプオルガンの輝かしい響きとともに第1部・賛歌「来たれ、創造者たる聖霊よ」が開始されます 合唱が「来たれ、創造者たる聖霊よ」と高らかに歌い上げます。ここから30分間はノンストップのハイテンションが続きます マーラーはとんでもない音楽を作ったものです

交響曲第8番は「千人の交響曲」と呼ばれていますが、これはマーラーが名付けたのではなく、初演の興行主が宣伝のために名付けたものです しかし、この曲の初演が1910年9月にミュンヘンでマーラー自身の指揮で挙行された時は、管弦楽171人、歌手や合唱858人、合計1,029人が出演したと言いますから、冗談ではなく文字通り「千人の交響曲」だったわけです 今から100年以上も前に、1,000人以上の演奏者を乗せることができる大舞台を備えた会場があったこと自体が驚きです それでは一体、客席は何席あったのか、と知りたくなります

この曲は2部から成り、第1部はキリスト教の9世紀の賛歌「来たれ、創造者たる聖霊よ」、第2部は19世紀のゲーテの「ファウスト」第2部の最終場面を題材に取っています マーラー自身の言葉に寄れば、「これまでの交響曲はすべて、交響曲第8番の前奏曲に過ぎない。今まで作曲した中で最高の作品」だということです ベートーヴェン以降、作曲家達は彼の9つの交響曲を意識して作曲に当たってきました。マーラーだって例外ではありません。とくに合唱の入った曲ということでは「第9」を意識していたことでしょう マーラーは第2番「復活」、第3番、第4番で交響曲に人の声を加えました。いずれもベートーヴェンの「第9」を上回るまでには至っていないと考えたのでしょうか。ついに、80分を超える交響曲の全編に人の声が登場する「オラトリオ」的な交響曲を作曲したのです さて、マーラーは交響曲第8番でベートーヴェンの第9交響曲を超えることができたのでしょうか

30分のノンストップ・ハイテンション音楽が終わると、やっと一息という感じです モーツアルトの曲なら4楽章の交響曲が終わる時間です 第2部は、ファウストの魂が救済されて昇天する場面が描かれます。それぞれのソリストが活躍する場面が聴かれます ソリストは全員良かったのですが、とくに声量もあり歌も上手だったのはソプラノⅠ(贖罪の女)を歌ったカナダ生まれのエリン・ウォールです また、バス(冥想の神父)を歌った中国生まれのリアン・リも迫力がありました

女性のソリストは5人いるはずなのに1人足りない、と思っていたら、第2部後半に3階左サイドから歌声が聴こえてきました 最初はどこで歌っているのか分からなかったのですが、ノットが左後ろを振り返り、3階席の方を見上げながら指揮していたので気が付きました。栄光の聖母を歌うアニカ・ゲルハルズでした なかなかの美貌の持ち主なので彼女をステージ上で歌わせた方が良かったのに・・・と思いましたが、それでは彼女の代わりに誰を3階に上げるのかとなると大問題になるな、などと不埒な興行主のようなことを考えてしまいました

 

          

          

          

 

ジョナサン・ノットは80分を超える大曲を、緊張感を絶やすことなくテキパキとタクトを振りました ノットの指揮のもと東京交響楽団は渾身の演奏を展開しました 特筆すべきは東京コーラスの皆さん、そして東京少年少女合唱隊の皆さんです。あの長い交響曲をすべて暗譜で歌い通しました。なかなか迫力がありました 練習、大変だったでしょうね。あらためて拍手を送ります

今回はミューザ川崎開館10周年記念ということですが、10年前の開館記念コンサートも、5周年の時もこの「千人の交響曲」を演奏してきたとのこと 次は5年後の2019年の開館15周年記念コンサートになるはず。楽しみにしたいと思います

 

          

 

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「モーツアルト・ガラ・コンサート」を聴く~工藤重典、小菅優、チャールズ・ナイディック

2014年12月07日 08時18分26秒 | 日記

7日(日)。わが家に来てから71日目を迎えた頭に手が届かないモコタロです 

 

          

                      あったま かゆいんだよね 手が(前足が)届かないし

 

  閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールで「モーツアルト・ガラ・コンサート」を聴きました 毎年、モーツアルトの命日である12月5日前後に開いている公演です ホールが入っているトリトン・スクエアの1階受付脇でクリスマス・イルミネーションがお出迎えです

 

          

 

プログラムは①フルート協奏曲第2番ニ長調K314、②ピアノ協奏曲第8番ハ長調K246、③ディヴェルティメント ヘ長調K136、④クラリネット協奏曲イ長調K622で、①のフルートは工藤重典、②のピアノは小菅優、④のクラリネットはチャールズ・ナイディック。バックを務めるのはN響のピックアップ・メンバー、指揮者なしでコンマスの山口裕之氏のリードにより演奏します

 

          

 

自席は1階15列25番、右ブロックの左通路側です。会場はほぼ満席 拍手の中、N響メンバーが登場します。山口氏以外で顔と名前が一致するのはヴァイオリンの宇根京子、チェロの向山佳絵子、コントラバスの吉田秀くらいです

1979年パリ音楽院で名手J.P.ランパルのクラスで一等賞を得て卒業し世界的に活躍する工藤重典氏が登場、山口氏の合図で「フルート協奏曲第2番」の第1楽章を開始します 実を言うとこの曲は私のクラシック音楽入門の曲です しかも最初に聴いたのはラジカセから流れてきたN響の演奏で、ソロは当時のN響首席・宮本明泰さんでした

明るく軽快な演奏を聴いていると、幸せな気分になってきます 各楽章のカデンツァにおける工藤の演奏は流石でした。モーツアルトの魅力を余すことなく引き出していました

 

          

 

スタインウェイがステージ中央に運ばれ、2曲目の「ピアノ協奏曲第8番」の演奏に備えます。この曲は「リュッツォウ」という綽名が付いていますが、これはモーツアルト家が親しかったリュッツォウ家の夫人マリーア・アントーニアのために書かれたことに由来します

拍手に迎えられ小菅優が、黒を基調とした一見着物のようにも見える鮮やかな衣装で登場し、ピアノに向かいます この曲はオケの序奏から始まり、途中からピアノが入ってくるのですが、小菅は第1楽章の序奏部分からピアノでメロディーを弾きます。当時のモーツアルトも即興で弾いていたかも知れません

軽快な演奏ですが、曲想としてはピアノで弾いていながらチェンバロ的な響きがします小菅は楽しげに生き生きと演奏します。モーツアルトはこうでなくっちゃ 第2楽章のアンダンテを聴いていて、やはり、生きてモーツアルトが聴ける幸せを感じました

 

          

 

休憩後の最初は12人の弦楽合奏でディヴェルティメントK138が演奏されます N響の弦楽アンサンブルは実に見事に揃っています 私はどちらかと言うとK136の方が好きなのですが、このK138も爽やかで味のある曲です

最後は晩年の傑作、クラリネット協奏曲K622です。ソリストのチャールズ・ナイディックが変わった形をしたクラリネットを持って登場します まるでコブラが鎌首をもたげたような形で、先頭が90度曲がっています。この楽器、確かに見たことがあるし、聴いたこともあると思って後で調べたら、2012年10月3日にJTアートホールでモーツアルトの「クラリネット五重奏曲」を演奏した人でした 彼の演奏するのは、いわゆる”ピリオド楽器”(古楽器)です。古楽器特有の木製の響きがあります

この曲は名曲中の名曲です とくに第2楽章アンダンテは、天国の音楽です。モーツアルトが雲の上から、この世に別れを告げているかのようです

初冬の土曜日の午後、モーツアルト三昧の2時間は幸せのひと時でした

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「最後のトリック」「ブエノスアイレス午前零時」「新解さんの謎」「路上観察学入門」他を買う

2014年12月06日 08時20分02秒 | 日記

6日(土)。わが家に来てから70日目を迎えた上昇思考のモコタロです 

 

          

            ぼくは上を目指す!とりあえず天井に飛びつくぞ!

 

  閑話休題  

 

昨夕、当ビル10階ホールでK新聞・K放送主催の「よさこいパーティー」があったので、顔を出しました 午後4時から8時までの間に約700人の来客を見込んでいるというフレコミですが、これは冗談でも何でもなく、実際それだけの人数が参加します 両社の社員はもちろんのこと、新聞関係者、放送関係者、広告関係者、広告主企業など多岐にわたる人たちが三々五々集まり、三々五々飲み且つ食べて、三々五々退去していきます

このパーティーは、昭和47年に築地の東京支社ビルに入居して間もなく始まり、3年前に当ビルに移転してからも続いている歴史と伝統のある催し物で、今年で42年目を迎えるとのことです 聞くところによると、築地支社時代は支社内の机や椅子を片付けて、職場の中でパーティーをやったと言いますから、社員の方のご苦労は並大抵のものではなかったのではないかと推測します

 

          

 

          

          みなのもの 油断めさるな 坂本竜馬どんが見てますぞ!

 

とにかく満員御礼の会場の中を縫いながら、大地震等の不意の災害に備えてアルコールをはじめ飲み物は一切飲まず、うるめイワシや皿鉢料理をいただいて30分ほどで失礼しました その後、地下1階の焼鳥Rに当社の専務以下5人で詰めかけましたが、RのK社長も顔を出したので一緒に飲みました。途中で2人が帰った代わりに記者クラブのK,A両氏が来たので一緒に飲みました いつものように何を話したんだかよく覚えていません ただ、K社長から、いま日本で一番のヴァイオリニストは誰かね、と問われ考え込んでしまったことだけはハッキリと覚えています。ピアニストなら萩原麻未とすぐに出てくるのですが。社長もなかなかのクラシック通で指揮者の山田和樹もヴァイオリニストの諏訪内晶子の名前も知っていて、「諏訪内晶子はどうかね?」と訊いてきましたが、一番かどうかで、うーんと考え込んでしまいました

という訳で10時近くまで飲んでいたので今日は朝から絶不調です

 

  も一度、閑話休題  

 

一昨日、クリニックでもらった薬の処方箋を地下のW薬局に持って行ったら0007番の引換券をもらいました。ちょうどいま読んでいる本がジェフリー・ディーヴァー著「007 白紙委任状(上)」です。薬剤師のSさんに本と一緒に見せたら「偶然の一致ですね」とクールに返されました 記念として本にボンドでくっつけておこうと思ったのですが、回収されてしまったので写メで撮って残すことにしました

 

          

 

  またまた、閑話休題  

 

本を5冊買いました。1冊目は深水黎一郎著「最後のトリック」(河出文庫)です。これは新聞の書評などで話題になっている本です

 

          

 

2冊目は藤沢周著「ブエノスアイレス午前零時」(河出文庫)です。著者の藤沢周氏はNHK-BSの「週刊ブックレビュー」の司会者を務めていた人です

 

          

 

3冊目は赤瀬川源平著「新解さんの謎」(文春文庫)です。「新解さん」とは三省堂書店の発行する「新明解国語辞典」のことです

 

          

 

4冊目は赤瀬川源平、藤森照信、南伸坊・偏「路上観察学入門」(ちくま文庫)です。はやい話が「考現学」です

 

          

 

5冊目はNHKアナウンス室・編「NHK 気になることば 『サバを読む』の『サバ』の正体」(新潮文庫)です

 

          

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伊坂幸太郎著『PK』を読む~勇気は伝染する、臆病も伝染する

2014年12月05日 07時39分21秒 | 日記

5日(金)。わが家に来てから69日目を迎えた勇気凛々のモコタロです 

 

          

           ここから跳んで ベルリンの壁の向こう側にいくぞ!

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊のコラム「やさしい こころと経済学」で、一ツ橋大学の竹内幹准教授が「男女の行動の違い」というテーマで連載を始めました 第1回目の見出しは『リスクの取り方に性差』です。超訳すると

「経済的な意思決定において、男女に統計的な差が観察されることがある 代表的なものが、リスクに対して慎重かどうかを測る経済実験だ。実験によると、女性の方が男性に比べリスク回避的という結果が得られている 例えば、50%の確率で1000円当たるクジか、確実にX円もらうか、どちらかを選ぶような実験である。また、職場で新しい仕事を自分から引き受けるのは、リスクが伴う。失敗すれば責任を取らなければならない リスクのある仕事を引き受け、成功した者が昇進していく雇用環境では、リスク回避的な労働者はなかなか昇進できず、リスク選好が職場での地位に反映される。これが男女の差異の一因とも考えられる。ただ、リスクに対し慎重だからといって、それを引っ込み思案や内気だとみなすのは必ずしも正しくない

皆さん、ご自分の職場を見渡してみて『リスクに対する男女差』はどんな状況でしょうか?個人的には、男女差と言うよりも個人差ではないかと思います ただ、今回は第1回目なので、これからどういう展開になって行くのかは分かりません。これからの”続き”を楽しみにしたいと思います

 

  も一つ、閑話休題  

 

今週は1日(月)から4日(木)まで、4日連続でコンサートもなく、映画もなく、まっすぐ家に帰る珍しいウィークデーでした お陰さまで健康的な毎日を過ごすことができました しかし、今日からの12日間は仕事上の忘年会とコンサートが入り乱れて毎日続く超ハードな日程となります。体力勝負とはいえ非常に厳しい

 

  またまた、閑話休題  

 

伊坂幸太郎著「PK」(講談社文庫)を読み終わりました 伊坂幸太郎は1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年に「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞してデビューしました その後、「アヒルと鴨のコインロッカー」「死神の精度」「ゴールデンスランバー」「魔王」「モダンタイムス」などを次々と発表、話題を集めました

 

          

 

『PK』とは、言うまでもなくサッカーの『ペナルティ・キック』のこと。この本に収録されているのは『PK』『超人』『密使』の3編ですが、最後まで読んでいくと一つの長編小説になるように仕組まれています

現在、ヒーローと言われるのはどんな人なのか?それは勇気ある人だろう。落下する子供を、間一髪で抱きとめて命を救った男がいる。その男は国会議員であり大臣を務めている。救われた少年はその後、成長し、今度は自分の勇気が試される時期が来る 「勇気は伝染する。臆病も伝染する」・・・それがこの作品のテーマとも言えるでしょう

伊坂幸太郎の小説はいつも面白く読んでいますが、この『PK』は少し難しかったと告白せざるを得ません ちょっと油断していると、話の脈略が分からなくなってしまいます。全ての関係性を理解するには少なくとも2回は読まないとダメなような気がします ただ、ユーモア溢れる語り口は変わることはありません

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日経「回顧 2014 音楽 」を読んで思うこと~

2014年12月04日 07時00分44秒 | 日記

4日(木)。わが家に来てから68日目を迎えた顔に自身のあるイケメンのモコタロです 

 

          

           カメラ 近くね? アップにするなら顏だけにしてくんね!

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊・文化欄に「回顧 2014 音楽」が載っていました。もう1年を振り返る時期になったのか、とあらためて月日の流れの速さを感じます この記事は同紙の編集委員2人がクラシックとポピュラーに分かれて2:1くらいの割合で書いています。『世界水準を示す日本公演』という見出しのもと、クラシックでは「世界的な指揮者と日本のオーケストラによる名演の生まれた年だった」としています

筆者はラザレフ指揮日本フィルのショスタコーヴィチ「交響曲第7番」、インバル指揮東京都交響楽団のマーラー「交響曲第10番」、メッツマッハー指揮新日本フィルのベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」を各楽団の『最高水準の公演』として挙げています 私はこの中ではインバルのマーラーを聴きましたが、その時の感想は7月22日のブログに書いた通りです

 

          

 

また、小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラを指揮、ベルリオーズ「幻想交響曲」の演奏で完全復活したとコメントしています

一方、欧州で活躍する日本人の活躍例として、大野和士がフランス国立リヨン歌劇場、山田和樹がスイス・ロマンド管弦楽団とそれぞれ凱旋公演をしたことを挙げています  オペラでは、ムーティ指揮ローマ歌劇場のヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」、飯守泰次郎指揮東京フィルの新国立劇場でのワーグナー「パルジファル」を取り上げています 私はワーグナーを観ましたが、その時の感想は10月3日のブログに書いた通りです

 

          

 

記事は最後に、今年はクラウディオ・アバド、ロリン・マゼール、フランス・ブリュッヘンらの世界的な指揮者が亡くなったことに触れています アバドでは、ウィーン・フィルを指揮したマーラーの交響曲第3番がマイ・ベストCDです 

 

          

                        (オリジナル版)

          

                         (復刻版)

 

ロリン・マゼールでは同じくウィーン・フィルを指揮した同曲のCDがマイ・ワーストCDです フランス・ブリュッへンでは、昨年4月5日にロシアの女性ピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワをソリストに迎えた18世紀オーケストラによるショパン「ピアノ協奏曲第1番」と「同第2番」の名演(すみだトりフォニーホール)が印象に残っています

 

          

 

限られたスペースの中で1年を回顧するので、規模の大きい交響曲やオペラが中心になってしまうのは仕方ないことだとは思いますが、私の好きな室内楽やピアノ・リサイタル等にも触れてほしかったというのが本音です 生前の吉田秀和氏が朝日『音楽展望』で年末の集大成として書いていた『音楽回顧』を懐かしく思い出します。その後朝日は、同じ吉田姓の編集委員・吉田純子さんが音楽批評を書いていますが、近いうちに今年の『音楽回顧』を書くことでしょう。どういう公演を取り上げるのか、楽しみです

なお、私自身の今年のクラシックコンサート・マイ・ベスト10は来年1月1日のブログに書く予定です。何しろ12月31日にもコンサート(ベートーヴェン『弦楽四重奏曲8曲演奏会』)の予定が入っているので最後の最後まで決められないのです

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中山七里著「静おばあちゃんにおまかせ」を読む~典型的な安楽椅子探偵小説

2014年12月03日 07時00分46秒 | 日記

3日(水)。わが家に来てから67日目を迎えたシェイプアップに励むモコタロです 

 

          

          少年よ 大志を抱け! モコタロよ 胎脂・肪を貯めるな!

 

  閑話休題  

 

昨日の朝刊各紙によると、「2014ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞は『集団的自衛権』と『ダメよ~ダメダメ』に決まったそうです このうち『集団的自衛権』は、対象者が受賞を辞退したしたとのこと。主催者は『受賞を打診した対象者は公表しない』としているそうですが、昨年トップ10入りした『アベノミクス』でも辞退した人だそうです 『ありのままで』受賞すればいいのに・・・と思いますが、どこか後ろめたいところがあるのでしょうか

一方『ダメよ~ダメダメ』は、日本エレキテル連合という2人組が流行らせたギャグだそうですが、普段テレビを観る習慣のない私は、一度ニュースでチラッと見ただけで、いったいどういうシチュエーションで使っているギャグなのかさえも知りません それにしてもチラッと見たあの二人の顔はインパクト大ですね たぶん、来年の今頃は彼らの姿を見ることはないでしょう 二人:そんなのダメよ~ダメダメ、ってか

 

  閑話休題  

 

中山七里著「静おばあちゃんにおまかせ」(文春文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年、岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞、その後、「おやすみラフマニノフ」「贖罪の奏鳴曲」などを発表し、話題を呼びました

 

          

 

警視庁捜査一課に勤務する葛城公彦は、特段の才覚もない平凡な刑事 彼が事件解決に頼るのはガールフレンドの高遠寺円。彼女は法律家を目指す女子大生。どんな難事件も彼女に相談すると解決の糸口が見つかる・・・・・と思いきや、実は彼女にはブレーンがいて、それが元裁判官を務めていたという静おばあちゃんだった 事件の現場には出向かず、椅子に座って事件を推理して真犯人を言い当てる典型的な「アームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)」です

タイトルからして「さよならドビュッシー」の軟派路線かと思いましたが、どうしてどうして本格的な硬派路線です ストーリーには直接関係ないのですが、女子大生・円のケータイの着メロはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です 作者は「贖罪の奏鳴曲」ではベートーヴェンのピアノ・ソナタを登場させているし、相当のクラシック通です

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大管弦楽曲を五重奏曲に編曲して演奏する『音楽三昧』の田崎瑞博氏の企て

2014年12月02日 07時01分15秒 | 日記

2日(火)。わが家に来てから66日目を迎えた俊足のモコタロです 

 

          

          ぼくって走ると速いんだぜ 脱兎のごとくって言うだろ~

 

  閑話休題  

 

昨日午後1時から当ビル10階のPCホールで衆議院議員選挙の公示を前にした党首討論会(日本記者クラブ主催)が開かれ、自民党の安倍総裁、民主党の海江田代表、維新の党の江田代表、公明党の山口代表、次世代の党の平沼党首、共産党の志位委員長、生活の党の小沢代表、社民党の吉田党首の8人が来館しました

ビルの管理者としては、各党党首と警護の車両やNHKとテレビ東京(民放代表)の中継車の駐車場の確保、党首の来館時・退館時のエレベーター2台の確保、入居テナント向けのエレベーター占有使用の通知など、事前の準備をしてきました また、10階のホールは多数の取材陣が詰めかけることを前提に260の椅子が並べられています

野党党首の車は午後12時35分までに、平沼氏、志位氏、山口氏、吉田氏、海江田氏、江田氏、小沢氏の順に到着し、地下の駐車場に誘導されました 安倍首相の車は12時45分ジャストに玄関前に到着、警護車両を含めた5台は正面玄関に駐車、安倍首相はSPに囲まれて専用エレベーターで10階ホールに直行しました すべての党首の来館が確認できたので、地下2階の駐車状況を確認し、10階のホールに行ってみましたが、会場内は大勢の取材陣でごった返し、会場後方は数えきれないほどのテレビカメラが構えていました この討論会の模様はNHKテレビで生中継していたので、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう また、昨夜のテレビや今朝の新聞各紙でも各党の発言内容が紹介されていましたね。ところで、会場の入口付近でテレビ東京の大江麻理子さんに似た人を見かけたのですが、彼女は政治ではなく経済の人ですから、人違いだったのでしょうか

討論会は予定時間を5分ほど超過して終了しました。私は1階の防災センターでモニター画面を見ていたので、終了と同時に1階玄関前に直行すると、SPに囲まれた安倍首相がエレベーターから降りて車に向かってきました。午後3時9分、安倍首相が退館し、その後、野党党首が次々と地下から1階玄関前に上がってきた車に乗車、全員が退館しました。事故も事件も地震もなく無事に終了したのでほっと一息つきました 自分では何をしている訳でもないのに非常に疲れます これが野球の投手討論会だったらもっと気が楽だったかもしれません・・・・・・空振りでした

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊「文化欄」に古典四重奏団のチェリスト田崎瑞博氏が「五重奏の響き七色十色」という題でエッセイを書いていました。超訳すると

「どんな大曲でも五重奏曲に編曲して演奏しようという合言葉で『音楽三昧』という五重奏団を1984年に結成し、今年30周年を迎えた このアンサンブルはフルート、ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、チェンバロという一風変わった組み合わせから成る 編曲は自分(田崎)が担当している。東京藝大を卒業してから、『音楽三昧』のメンバーのヴァイオリンの川原千真さんと『古典四重奏団』の結成にも加わった 31日には上野の東京文化館小ホールで開かれる恒例の『ベートーヴェン弦楽四重奏曲8曲演奏会』に古典四重奏団として参加する。ベートーヴェンは弦楽四重奏曲を16曲書いたが、毎年大みそかにその半分の8曲ずつを演奏する企画だ。われわれが2曲、クアルテット・エクセルシオが2曲、ルートヴィヒ弦楽四重奏団が3曲ずつ、半日かけて弾く」

私はまだ『音楽三昧』の演奏を聴いたことがありませんが、面白そうですね 古典四重奏団のレクチャーコンサート「ムズカシイは面白い!」シリーズは勉強になります 彼らはすべての演奏曲目を暗譜で弾きます 年末の『ベートーヴェン弦楽四重奏曲8曲演奏会』は私も聴きに行きます。公演チラシによると、クアルテット・エクセルシオが第7番、第8番、第9番(ラズモフスキー第1番~第3番)を、古典四重奏団が第12番、第13番(大フーガ付き)を、ルートヴィヒ弦楽四重奏団が第14番、第15番、第16番を弾きます この順番で演奏するのであれば、クァルテット・エクセルシオと古典四重奏団を聴いて家に帰ると思います。子どもたちと年越しそばを食べるのが年末恒例になっているので

 

          

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