人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

どう解釈すれば良いのか?~アレクセイ・ゲルマン監督「フルスタリョフ,車を!」を観る

2015年08月11日 07時01分04秒 | 日記

11日(火).先日,喫茶店に入った時のことです 注文カウンターで,前に並んでいた若い女性が小銭を落としました.が,まったく拾う様子がありません すると次に並んでいた若い男性が100円玉2つを拾い上げてその女性に渡しました.その女性は少し頭を下げただけで「ありがとう」の声は聞かれませんでした いったい何なんでしょうか???こういう人ってあなたの周りにいませんか.世の中が自分を中心に回っていると勘違いしている人が

そう言えば,この2週間ほどミューザ川崎にコンサート通いしましたが,奥の席に入るのに「前を失礼します」のひと言が言えない人がいかに多かったか,まるで「そこのけ,そこのけ,殿さまが通る」といった大きな態度です 本当に常識のない人が多いのには驚きます こういう人は本当のクラシック愛好家にはいないと思うので,多分にわか愛好家なのでしょう ということで,わが家に来てから305日目を迎え,おねーちゃんに買ってもらったボール状のオモチャで遊ぶモコタロです 

 

          

           これはナワでできてるんだな わかった! これはワナだな

 

  閑話休題  

 

昨日,早稲田松竹でロシア映画,アレクセイ・ゲルマン監督「フルスタリョフ,車を!」と同「わが友イワン・ラプシン」の2本立てを観ました 今日は,最初に観た1998年制作の「フルスタリョフ,車を!」について書きます

物語は1935年の反ユダヤ主義の色濃い時代.主人公のユーリー・クレンスキーはモスクワの病院の脳外科医であり赤軍の将軍でもある 精力的な彼は病院と家庭と愛人のもとを行き来している.その彼がソビエトの独裁者スターリンの指示によりKGB(国家秘密警察)の企みによりユダヤ人医師を迫害する計画に巻き込まれる 強制収容所で拷問を受けるが,突然解放されてスターリンの側近に,ある要人を診察するよう命令される.彼は拒否できず診察するが,その人物とはまさにスターリンその人だった タイトルの「フルスタリョフ,車を!」というのは,スターリンが息を引き取る直前,側近を通じて命令した言葉だ

 

          

 

この映画は1998年制作の映画ですが,1935年当時を振り返るようにあえてモノクロで撮っています 142分のこの映画を観終わった感想を率直に言えば「何が何だかさっぱり分からない」という言葉に尽きます.実に多くの人々が登場して賑やかな騒動を巻き起こしますが,人と人との関係や,物語の前後関係などがさっぱり結びつかないのです 私の場合,映画を観る前に映画館に掲示されている「解説」を読んでから席に着くようにしているので,ある程度は分かるような気がするのですが,それでも,実際に映画を観る段階になるとそのテンポに着いていけません この映画の最後はクレンスキーらを乗せたトラックが去って行くシーンですが,最後のセリフは「くっだらねえ」です.これをどう解釈すればいいのでしょうか

最後に一つだけ気が付いたことを書けば,この映画で唯一使われたクラシック音楽があります それは・・・さすがにロシアですね.チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の第2幕で流れる「小さな白鳥の踊り」です.映画ではアコーディオンで演奏されていました こういう発見でもないと,この映画は楽しんで観たことになりません

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秋山和慶+東響でマーラー「交響曲第2番”復活”」を聴く~フェスタ・サマーミューザ

2015年08月10日 07時02分06秒 | 日記

10日(月).わが家に来てから304日目を迎え黒キューピーちゃんと戯れるモコタロです 

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日,ミューザ川崎で「フェスタ・サマーミューザ・フィナーレ・コンサート」を聞きました 演奏曲は秋山和慶指揮東京交響楽団にるマーラーの「交響曲第2番”復活”」.ソリストはソプラノ=天羽明恵,メゾ・ソプラノ竹本節子,合唱=東京コーラスです

 

          

 

午後3時からの公演に先立って,2時20分からプレ・トークありました 音楽ジャーナリストが指揮者の秋山和慶氏にインタビューする形で進められました.秋山氏は「なぜ今マーラーの復活か」について次のように語ります

「今,世界で戦争が話題にされています.私は広島交響楽団で指揮をとっていますが,今日(9日)は長崎に原爆が落とされた日です.その1945年から70年が経ちました.マーラーの交響曲第2番は今から約120年前に作られましたが,その後の世界大戦を予告するかのような音楽になっています 私は,人間の性善説に立って,音楽の力によって人間の良い面を引き出していければと思っています.この曲の第4楽章にあるように,人間は死ぬために生きるのではなく,生きるために死ぬのだと思います」

 

          

 

さて,本番です.自席は1C8列31番,センターブロック右から2つ入った席です.会場は文字通り満席です 合唱団のメンバーがP席とその手前の左右の席に三々五々座って行きます.100数十名の合唱団は壮観です 男声を中にして女声が両サイドから挟む形です.オケのメンバーが登場します.いつもの通り左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという態勢をとります.コンマスは・・・・・・さて,これはいたい誰でしょう?一度も見たことがありません 多分客員コンマスだと思いますが,まだ若い小柄な男性奏者です

ロマンス・グレイの秋山和慶が登場し,さっそく第1楽章「アレグロ・マエストーソ」に入ります この楽章は「交響曲第1番」で描かれた”英雄”への葬送曲です.冒頭の力強い弦楽器による総奏によって幕が開きます.集中力に満ちた演奏が展開します 第2楽章は,過ぎ去りし日の回想です.全5楽章の中で最も穏やかな楽章です

第2楽章が終ったところで,ステージの左サイドからソプラノの天羽明恵が,右サイドからメゾ・ソプラノの竹本節子が入場しスタンバイします

第3楽章「スケルツォ」は,夢から覚めたときの喧騒です.そして第4楽章は冒頭”芸術は爆発だ”とでも言いたくなるような激しい音楽が展開します そして,メゾ・ソプラノ独唱が神への帰依を歌い上げます.竹本節子は新国立オペラで何度も聴いていますが,今回のようなマーラーでの独唱も堂にいったものです 荒絵理子によるオーボエの素晴らしい演奏が支えます

舞台裏のホルンとステージ上のオーボエとの会話が素晴らしく響きます そして,バンダ(小編成楽団)がステージ上のオケとのアンサンブルを奏でます.ここで,ハタと思ったのは,彼らはどこのモニターカメラの映像を見ながら演奏していうのだろうか,ということです 前日のベートーヴェン「レオノーレ序曲第3番」の時のトランペットは,舞台袖の扉が全開されていたので,舞台裏のトランペット奏者は直接指揮者を見ながら演奏していたのではないか,と思っていたのですが,バンダは複数の奏者が演奏するので,それは不可能ではないかと思いました 何気なく2階正面を見上げると,パイプオルガン奏者が控えていて,彼の目の前にモニターテレビが指揮者を映している様子が見えました つまり,指揮者を映し出すモニターカメラはどこかに設置されている訳です.したがって舞台裏のバンダも同じカメラからの映像を見ているはずです.ただ,いったいどこにカメラがあるのかまったく分かりません

そうこうしているうちに,復活を呼びかける第5楽章に入ります 秋山の合図で合唱団が中央にまとまり,合唱が厳かに歌い出します.そして天羽明恵のソプラノが加わります.かなり前の席なのでソリストの顔が良く見えますが,彼女もちょっとお年を召したな,と思いました それでも美貌と歌唱力は衰えません.合唱も迫力があります

フィナーレは圧巻でした.管楽器が咆哮し,弦楽器が唸り,打楽器が止めを刺し,ソリストと合唱団が復活を呼び掛けます かなり前の席なので,音の塊りが上から下からビンビンと迫ってくるのが分かります

何度もカーテンコールがあり,ソリストがステージに呼ばれました 東響コーラスの皆さま,お疲れ様でした.素晴らしいコーラスでした

これで7月25日(土)にマーラー「交響曲第1番」で幕を開けた「フェスタ・サマーミューザ2015」も,昨日8月9日のマーラー「交響曲第2番”復活”」をもって終了しました この間,ミューザ川崎で9つのコンサートを聴いてきましたが,公開リハーサルあり,プレ・コンサートあり,プレ・トークありで,十分楽しませてもらいました お祭りが終わってちょっと寂しい気持ちがしますが,また来年を楽しみにしたいと思います

 

          

 

          

 

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真夏に『第9』を聴く~高関健+東京シティ・フィル~フェスタ・サマーミューザ

2015年08月09日 08時17分48秒 | 日記

9日(日).わが家に来てから303日目を迎え,ウーロン茶について思索を巡らすモコタロです 

 

          

              ウーロン茶って「烏」「龍」と 動物の名前が2つ入ってるよ

 

  閑話休題  

 

昨日,ミューザ川崎で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ベートーヴェン「序曲”レオノーレ”第3番」,②同「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」です.指揮は同オケの常任指揮者・高関健,②のソプラノ=市原愛,メゾ・ソプラノ=林美智子,テノール=錦織健,バリトン=堀内康雄,合唱=東京シティ・フィル・コーアです

 

          

 

午後3時からの公演に先立って,午前11時半から同じ会場で公開リハーサルが開かれました 自由席のため,例によって2階センターブロックの最前列を押さえました

合唱団のメンバーが入場し,オケのメンバーが続きます.ということは最初に第9のリハーサルをやるということです コンマスは客員コンマスの松野弘明.リハーサルのため楽員と合唱団はカジュアルなスタイルです いつの間にか指揮者の高関健が指揮台に立っています.彼は小柄なので,いつどこから登場してきたのか不明です  しかも地味なポロシャツを着ているのでなおさら目立たないのです そして,拍手の中ソリストの4人が普段着で登場します.しかし,さすがに普段着でもオーラがあります

第4楽章の冒頭から演奏に入りますが,極めて速いテンポです カラヤンが第9をCD1枚に収めるためにテンポを速めたという正にそのテンポではないか,と思いました 考えてみれば高関健はカラヤンのアシスタントを務めていたことがあるのです.師匠譲りのテンポ感と言ったら良いのでしょうか

高関は合唱に入る前は,演奏しては止め,オケに注文を付け,また再会するといったやり方で第4楽章のリハーサルを進めました 一言で言えば,高関健の演奏の特徴は冗長なところがない小気味の良いテンポ感です

10分間の休憩後は,オケだけで1曲目の「レオノーレ序曲第3番」のリハーサルです この曲の終盤で,舞台裏でトランペットが演奏するシーンが2度ありますが,最初はその部分のおさらいです.舞台裏でトランペットを吹くと,指揮台の高関が「もっと遠くで鳴っている感じで」と注文を出し,トランペット奏者が舞台裏の奥に引っ込んで吹くと,「あまり変わらないな すいませ~ん,控室の向こうの警備員さんが居るところ辺りで吹いてもらえますか」と注文,やっとOKが出たかと思うと,2回目の演奏が少し音量が足りないと注文が出ます.このやり取りを何度も繰り返し,やっとOKが出されました 続いて序曲を全曲通して演奏しこの曲のリハーサルを終えました 次いで,再度「第9」に戻り,第1楽章から第3楽章まで,演奏しては止め,注文を付け,再度演奏するというやり方で進めました 井上道義と違って,演奏の最中に注文を付けることはしません.人それぞれです この公開リハーサルはタップリ2時間かけました

 

          

 

さて本番です.自席は1C5列15番,センターブロック左通路側席です.会場は8割方埋まっている感じでしょうか オケは左奥にコントラバス,その前に第1ヴァイオリン,右にチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります.高関健の時は必ずこの態勢です.約120人の合唱団が入場します

いつものように高関健がタクトなしで登場,そのまま指揮台に上がります.1曲目はベートーヴェン「序曲レオノーレ第3番」です.例の舞台裏のトランペットのシーンに来たとき,私は若干トランペットの音が近すぎるように感じましたが,それは当然でしょう リハーサルの時は2階席で聴いていたのに,本番は1階席の前から5列目ですから,演奏者に近い席で聴いているのです.基準は指揮者の位置でしょう

高関の指揮によりメリハリの効いた迫力のある演奏が展開しました.やはり速いテンポが特徴です

休憩後はいよいよベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」です.合唱団が入場し,次いでオケのメンバーがスタンバイします.高関の合図で第1楽章に入ります リハーサル通りかなり速いテンポで音楽が進められます.高関は時に音を床に叩きつけるような動作で気合を入れます ステージの床を伝わったオケの音は自席まで届いてきます 第2楽章も速いテンポです.第3楽章のゆったりした音楽が終わったところで,ソリストの4人が登場します.ソプラノの市原愛は銀と黒とブルーを散りばめた鮮やかなドレス,一方,メゾ・ソプラノの林美智子は黒の上下といったシックなドレスです

第4楽章は,やっぱり高速テンポです.この楽章はコントラバスとチェロで歓喜のテーマが奏でられ,ヴィオラ,ヴァイオリンへと受け継がれていくところがいいですね だんだん明るくなっていく様子が如実に表れています.ここだけでも”苦悩から歓喜へ”が表されています

4人のソリストはそれぞれ素晴らしい歌声で,歓喜を歌い上げていました 合唱団は迫力のある歌声を聴かせてくれました

フィナーレのたたみかけは凄まじいものがありました.これ以上速い演奏は不可能でしょう 聴衆を一気に歓喜の頂点へ運び上げました

4月から常任指揮者に就任した高関健と東京シティ・フィルは,「第9は年末に」という常識に戦いを挑み,「真夏に第9」を演奏することによって,クラシック音楽界に勝負を賭けた訳ですが,これが功を奏してシティ・フィルの定期会員が増えればいいなと思います 演奏水準は上がっていると思うので

 

          

 

          

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コバケン+上原彩子+日本フィルでグリーグ「ピアノ協奏曲」を聴く~フェスタ・サマーミューザ

2015年08月08日 07時23分54秒 | 日記

8日(土).今朝方少し涼しかったですね 日中問題の熱い議論は現在小康状態だけど,問題は今日の日中はまた暑くなるんだろうか?ということ ということで,わが家に来てから302日目を迎え,セリーグ混戦の中,背番号310(サ・トウ)の阪神サトちゃんに喝を入れるモコタロです 

 

          

            2位になったり3位になったり いつ抜け出すんだい?

 

  閑話休題  

 

昨日,ミューザ川崎で日本フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです.プログラムは①グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」,②シベリウス「交響曲第2番」です.①のピアノ独奏は上原彩子,指揮は小林研一郎です

 

          

 

午後2時からのコンサートに先立って,午前11時半から同じ会場で公開リハーサルがありました そうです.今日も休暇を取っています.それが何か?

早くから並んだので2階センターブロック最前列の右通路側席を押さえました 楽員が入場しますが,ゲネプロなのでカジュアルなスタイルです.コンマスは女性です.コバケンが上下黒のラフな衣装で登場します コバケンなので何かひと言あるかな,と思っていたら,「今日はリハーサルにも関わらずこれ程多くの方々にお出でいただくとは思ってもいませんでした」と正直な感想を述べ,2曲目のシベリウス「交響曲第2番」の第1楽章のリハーサルに入りました.冒頭は弦楽器から入りますが,コバケンはすぐに演奏を止め,「もっと北欧の冷たい感じを出して」と注文を付けます.この楽章は演奏しては止め,注文を付けて再開するというスタイルで進めました.コバケンは,いつもは折れた部分をテープで巻いた古いタクトを使用していましたが,この日は”無傷”のタクトを使用していました

第2楽章ではティンパ二に対して,「もっと広がりのあるように」と注文を付け,コントラバスにはピチカートをもっと大きな音で出すように注文していました 日本フィルにとってミューザ川崎はホームグラウンドではないので,会場特性に合わせて音の大きさを変えることを求めたのだと思います

第3楽章と第4楽章は演奏を止めたり,演奏したまま注意を促したりしながらリハーサルを進めました.12時10分になってコバケンが,「これで前半は終了します」と宣言しましたが,ホルン奏者(多分楽団員の代表者)が「先生,アンコールは?」と尋ねたので,「アッそうか」と気が付いてアンコール曲のおさらいをしました リハーサルでアンコール曲を明かしてしまって良いのだろうか,と疑問に思いましたが,どうせ演奏するのだから良いのでしょう

10分間の休憩後,後半のグリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」のリハーサルに入ります すでにステージ中央ではソリストの上原彩子が第1楽章冒頭の練習に入っています.後から小走りで入ってきたコバケンは指揮台に上がるや否や,タクトを振り上げました が,急に後ろを振り返って「ゴメンナサイ.上原彩子さんです」と言ってソリストを紹介しました.上原さんは苦笑して拍手に応えていました 第1楽章は途中で演奏を中断,コバケンが「ゴメンナサイ,時間がなくて全部は演奏しません.本番でお聴きください」と言って,その楽章のフィナーレに繋げました 第3楽章の前半でピアノとオケが若干ずれたので,やり直ししましたが,あとは途中で止めることなく最後まで進めました

 

          

 

さて,本番です.自席は2CB13列36番,2階の上段のど真ん中です.会場はほぼ満席に近い入り具合です オケのメンバーが入場します.左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスといったオーソドックスな編成をとります 上原彩子がブルーの鮮やかなドレスで登場,コバケンの合図で第1楽章に入ります.冒頭,ピアノとオケが同時に力強く入りますが,上原のピアノはダイナミズムに溢れ,しかも安定感があります 第2楽章は一転,抒情的な演奏に徹します.「大胆にして細心」という言葉がありますが,まさに上原彩子のためにある言葉のように思います 第3楽章ではピアノとオケとの対話が鮮やかです

最後の一音が鳴り終ると,会場一杯の拍手とブラボーがステージに押し寄せました 何回もカーテンコールがあり,上原彩子の健闘を讃えました.理屈抜きで本当に素晴らしい演奏でした 彼女はプライベートでは3人の娘の母親ですが,力強い演奏と堂々とした安定感は,母の強さでしょうか

休憩後はシベリウスの交響曲第2番です.今年はシベリウス生誕150周年ということで,日本でも周年記念コンサートがあちこちで開かれますが,7つある交響曲の中でもこの2番は最も頻繁に演奏される機会の多い人気曲です

リハーサル通り,第1楽章の演奏が終わり,第2楽章の弦楽器のピチカートに入ったころ,自席の後方の席で「ピッ,ピッ」という電子音が聞こえてきました.誰かがアラームでもかけっぱなしにしておいたのでしょう どうしてこう懲りないのでしょうか.弦のピチカートは聴きたいけれど,電子音のピッチカートは聴きたくもありません

第3楽章では,ホルンに支えられてオーボエが美しいメロディーを奏でますが,とてもニュアンス豊かな演奏でした 2本のフルートによる演奏も素晴らしかったです

フィナーレはヴァイオリン・セクションの出す音がキラキラ光り,管楽器群が咆哮,オケ総動員による感動的な熱演を展開しました

コバケンはいつものようにセクションごとにメンバーを立たせ,演奏を讃えます.そして,いつものように拍手を制し,語りかけます

「今日は,ミューザ川崎で,日本フィルの皆さんと一緒に演奏出来たことを光栄に思っています 日本フィルの演奏に対する皆さまのオーラが私たちにも伝わってまいりました.アンコールには,北欧を離れて,ドヴォルザークの『ユーモレスク』を演奏します 『ユーモレスク』というと,皆さまはユーモアのある曲だと思われるかも知れませんが,今日は『フェスタ・サマーミューザ』という特別のコンサートなので,人間の一生を表した音楽だという解釈で演奏します.【冒頭を演奏】このやさしい部分は生まれたての状態です.【次のテーマを演奏】この子が成長してセクシーになります.ヴァイオリンにポルタメントをかけました その後は人生で悲しいことや嬉しいことなどいろいろ経験しますが,最後は年をとって静かに過ごし,アーメンで閉じます.それではお楽しみください

そして,弦楽合奏によって『ユーモレスク~人間の一生版』をロマン豊かに演奏し,喝さいを浴びました こういう解釈による演奏も,コバケンのサービス精神の現れでしょう

このコンサートを聴いて,これまで日本フィルに対して抱いていた,地味で古いイメージが払しょくされました その原因は何なのかよく分かりませんが,あるいはメンバーがかなり入れ替わっているのではないか,それが新しいイメージの醸成に繋がっているのではないか,とも思いました ついでに言えば,最後に指揮者と楽員が揃って客席の方に向かって一礼するのは,礼儀を重んじる日本人に対して好印象を与えます そんなことも含めて,この日のコンサートは素晴らしかった

 

          

 

          

 

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昭和音楽大学のコンサートを聴く~プロにも負けない高い水準の演奏!

2015年08月07日 07時01分52秒 | 日記

7日(金).暑い日が続きますね  6月頃だったか,多くの気象予報士が「今年の夏は冷夏になる」なんて言ってませんでしたっけ 今になって彼らの予報成績を採点すれば”零か” ということで,わが家に来てから301日目を迎え,第3者の面前でガールフレンドの白ウサちゃんと熱いキスを交わすモコタロです 

 

          

            こらこら君たち この暑いのに 少しは遠慮しなさい!

 

  閑話休題  

 

昨夕,ミューザ川崎で昭和音楽大学のコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです.プログラムは①ムソルグスキー「禿山の一夜」(原典版),②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」,③ムソルグスキー/ラヴェル「組曲”展覧会の絵”」.②のピアノ独奏は同大学博士課程在籍の加藤大樹,指揮は齋藤一郎です

 

          

 

自席は2Rb4列8番,2階の右サイド最前列左通路側です.4列目で最前列というのは,ミューザ川崎は2階席が二重になっていて,4列目が実質3階席の1列目の位置にあるからです.面白い作りです

学生たちが入場します.プロのオケと違うのは座席の順番に整然と順序良く入場してくることです.これは効率的です オケの後ろのP席と3階席はチケット販売の対象外らしく空席になっています.その他は,ほぼ9割以上の入りだと思います

オケ全体を見回して気が付くのは,これは”女子軍団”ではないか,ということです 全体で84人くらいのメンバーの中で男子は24人程度.ヴァイオリンとヴィオラに限ってみれば男子は36人中たったの2人に過ぎません コンマスこそ男性(多分,学生ではないな)でしたが,これが現在の日本の音楽大学の実態を表した縮図のようです

オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとります 斎藤一郎が登場,1曲目のムソルグスキー「禿山の一夜」(原典版)の演奏に入ります この曲は「聖ヨハネ祭前夜,禿山に地霊が現われる」というロシア民謡を基に書かれた作品です.”原典版”で演奏される「禿山の一夜」は,確かにいつも聴いているそれに比べると,よりワイルドと言うか,気味悪さが伝わってきます こちらの方がはるかに良いのではないかと思います

ピアノが右サイドからセンターに運ばれ,2曲目のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」の演奏に備えます.ソリストの加藤大樹が齋藤一郎とともに登場し,ピアノに向かいます ピアノのソロから入り徐々にテンポアップしてロマンを奏でます 加藤は惜しいことに第1楽章で一か所外しましたが,後半にいくほど乗ってきて挽回しました.なかなかの力演でした 斎藤の指揮による分厚いオケがしっかりソリストを支えました

 

          

 

休憩後はムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」です.冒頭はトランペットの独奏により”プロムナード”が,曲全体のファンファーレのように奏でられますが,ソロを吹いた女子学生が素晴らしかった ここでこの演奏の成功を確信したほどです この学生は後の「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」でミュートによる速いパッセージを鮮やかに吹いて聴衆を唸らせました なかなか良いと思います

「ビドロ(牛車)」で演奏したチューバの女子学生も素晴らしい演奏でした フルートもオーボエもクラリネットもファゴットもホルンも,と挙げていったらキリがないほど管楽器奏者たちの活躍には目覚ましいものがありました もちろん,分厚い弦楽器群によるアンサンブルは言うまでもありません

演奏後,大きな拍手とブラボーが会場を満たしましたが,私の後方の上の方から「ノンちゃ~ん」(と私には聞こえた)という太い掛け声が掛かりました ステージ上の学生たちも客席の聴衆も声の発信地の方を見上げて笑っています 私はン十年前の「ランちゃ~ん」「スーちゃ~ん」「ミキちゃ~ん」というキャンディーズのオッカケ男子を思い起こしました 今の時代はさしずめAKB48か・・・多すぎね? あーた,48人も追っかけられないよ それにつけても,青春って素晴らしいなぁ.恥も外聞もなくて

この日の演奏を聴いて思ったのは,学生たちの演奏水準の高さです もうプロの領域に達しています.これで入場料が1,000円なんて申し訳ないくらいです

音楽大学の学生たちの演奏を聴いていつも思うのは,今はいいけど卒業したらどうするのだろうか,ということです いくつもの音楽大学があり,毎年多くの学生たちが巣立っていく訳ですが,彼らの将来はあるのだろうか.と他人事ながら心配になります 当の本人たちは今が楽しいのかも知れませんが,いつかは現実に向き合わなければなりません.頑張ってください.陰ながら応援しています

 

          

 

          

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大野和士+都響でショスタコーヴィチ「交響曲第5番”革命”」を聴く

2015年08月06日 07時01分09秒 | 日記

6日(木).昨日,暑い中,住民票を取るため池袋にある豊島区役所の新庁舎に初めて行ってきました  マンション一体型の環境配慮タイプの建物で,家賃収入を区の収入源の一部にしようという企てです が,庁舎も高いけど住民税も高いぜ と嘆息しつつ立派な庁舎を後にしました

 

          

 

          

 

ということで,わが家に来てからちょうど300日目を迎え,夕刊の見出しを見て暑がるモコタロです 

 

          

           毎日熱くてたまんないねぇ 甲子園は暑い戦いが始まるって?

 

  閑話休題  

 

昨日,ミューザ川崎で大野和士指揮東京交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①プロコフィエフ「バレエ音楽”シンデレラ”組曲第1番」,②ショスタコーヴィチ「交響曲第5番”革命”」です

 

          

 

午後7時からのコンサートの前に,午後3時半から同じ会場で公開リハーサルがありました そうです.休暇を取りました.それが何か?

ゲネプロは自由席なので2階席の右サイド4列目の席に座りました.ウィークデーの昼間のゲネプロにも関わらず,かなり多くの聴衆が詰めかけています

カジュアルなスタイルのオケのメンバーが入場します おやっと思ったのは,第1ヴァイオリン最後方に会田莉凡さんがスタンバイしていたのです.彼女は都響のメンバーではないので,客員奏者として参加しているのでしょう 彼女の演奏は何回か聴きましたが,パワフルかつ繊細な音楽作りのできるヴァイオリニストです

第2ヴァイオリンのトップにはエンカナ(遠藤香奈子)さんが控えています ちょうどオケのど真ん中に位置しているので,”都響の顔”的な存在になっています コンマスはケルン放送響のコンマスなどを歴任した四方恭子さんです

今年4月から都響の音楽監督に就任した大野和士氏が登場し,さっそくリハーサルに入ります これまで見てきた指揮者は,尾高忠明氏にしても,井上道義氏にしても指揮者用の椅子に腰かけて指揮をとりましたが,大野氏は立ったまま指揮をとります.若さでしょうか

大野氏はプログラム通りリハーサルを進めます.最初にプロコフィエフのバレエ音楽「シンデレラ」組曲第1番を演奏します この曲は「導入部」「ショールのステップ」「喧嘩」「仙女のおばあさんと冬の精」「マズルカ」「舞踏会へ行くシンデレラ」「真夜中」の8つの部分から成りますが,大野氏は途中で止めることなく通して演奏し,ひと通り終了してから数か所おさらいをして休憩に入りました

10分間の休憩後,ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」のリハーサルに入ります この曲も途中で止めることなく通して演奏し,第3楽章の冒頭などをおさらいして終了しました.前回までの練習ですっかり出来上がっていたのでしょう.すべて終わったのが17時10分だったので,休憩を含めて100分かかったことになります 今回のようにゲネプロで,途中で止めることなく演奏する場合は,1回のコンサートで2度も同じ演奏が聴けるので”お得感”倍増です

 

          

 

さて本番です.自席は1C7列14番,1階センターブロック左通路側席です.会場はほぼ満席です オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスといった配置をとります

指揮者・大野和士が登場し,1曲目のプロコフィエフのバレエ音楽「シンデレラ」の演奏に入ります この曲は1941年に着手された,フランスの詩人シャルル・ペローの童話によるバレエ音楽ですが,途中で第二次世界大戦の激化のため44年に完成しました

第1曲「導入部(序曲)」を聴いて思ったのは”弦が美しいな”ということです とくにヴァイオリンとチェロ.それは第2曲以降も同様です

休憩後はショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」です これは第1楽章の冒頭から迫真の演奏です.奇しくも前日の「第10番」に続いてこの日は第5番ということで,ショスタコーヴィチの交響曲を連続で聴くことになりました ゲルギエフ+PMFオーケストラによる第10番も良かったけれど,大野和士+都響による第5番も負けず劣らず素晴らしい演奏でした とくに自席が前から7列目のセンターブロックなので,打楽器の重低音が床を通じて自席へ届き身体を震わせます それに象徴されるような迫力のある演奏でした.都響も,大野新音楽監督のもと,より良い方向に変われば良いな,と思いました

 

          

 

          

 

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ゲルギエフ+PMFオーケストラでショスタコーヴィチ「交響曲第10番」を聴く

2015年08月05日 07時01分12秒 | 日記

5日(水)。わが家に来てから299日目を迎え,ご主人さまの大好物”柿の種”を見張るモコタロです  

 

          

            柿の種を 話の種にして 受けようっていうコンタンだな 

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールでPMFオーケストラ東京公演を聴きました PMFとは「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」の略です。これはアメリカの指揮者・作曲家レナード・バーンスタインの精神を引き継ぎ,夏の札幌で1カ月にわたり世界の若手音楽家を育てる国際教育音楽祭です 今年は世界24か国・地域から85人の若手音楽家がオーディションで選ばれ,そのうち78人がPMFオーケストラ・アカデミーの構成員になっています

当初発表されていたプログラムは下のチラシの通り①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調”皇帝”」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」で、①のピアノ独奏は2015年チャイコフスキー国際コンクール入賞者,指揮はワレリー・ゲルギエフとなっていました

 

          

 

当日会場で配布されたプログラムを見ると,曲目が次のように変更になっていました ①ロッシーニ「歌劇”ウィリアム・テル”序曲」,②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」,③ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」,②のピアノ独奏は2015年チャイコフスキー国際コンクール優勝者ドミトリー・マスレエフ,指揮はワレリー・ゲルギエフ.②の曲目変更はコンクール優勝者マスレエフの希望かも知れません

ゲルギエフはマリインスキー劇場芸術監督・首席指揮者,ロンドン交響楽団首席指揮者を務めていますが,今年からミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任します.彼はマリインスキー劇場で,METで活躍している世界的なソプラノ歌手アンナ・ネトレプコをはじめ数多くの名歌手を育て上げています

さて,自席は1階13列13番,左ブロック右から2つ目です.会場はほぼ満席と言っても良いでしょう 在京オーケストラの定期公演と比べると,若い聴衆が多いことが分かります 演奏者が若ければ(多分,平均年齢は20代半ばか)聴衆も若い人が集まるということでしょうか?あるいは指揮者ゲルギエフの魅力でしょうか

拍手に迎えられて若いメンバーが次々と登場します.コンマスは中国人らしき小柄な男子です オケの配置は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという態勢をとります.ステージは階段状になっていて,後方に行くほど高くなっていますが,東響や読響などのコンサートの時に比べ,後方がかなり高く設定されています.指揮者の意図を確実に後方の演奏者まで伝えるための措置でしょうか

一段と大きな拍手の中,ゲルギエフが登場します 1曲目はロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲です.この序曲は「夜明け」「嵐」「静寂」「スイス軍の行進」の4つの部分から成ります.冒頭はチェロの独奏から入りますが,アジア系の男子による演奏はなかなか聴かせてくれました 「スイス軍の行進」でのトランペットの雄叫びは勇壮でした まずは小手調べと言ったところでしょうか

1曲目が終了後,ステージ上のヴァイオリンセクションの椅子が端にどけられ,左サイドにあったグランド・ピアノがセンターに運ばれます.階段ステージは電動で下げられ,床と同じ高さになったところでピアノが移動します

1988年ロシア生まれ,モスクワ音楽院の大学院を昨年修了したドミトリー・マスレエフがゲルギエフとともに登場します.今年7月1日にチャイコフスキー国際コンクールで優勝したばかりの俊英です

 

          

 

ゲルギエフの合図で第1楽章がピアノのソロから入ってきます ゲルギエフの指揮姿を見ていると,ハンガリー出身の指揮者ゲオルグ・ショルティに似ているなと思います.手先を細かく微妙に動かします マスレエフはゲルギエフにコントロールされたPMFオーケストラに支えられ,ロマン溢れる演奏を展開しました ここまでは,それほど驚くほどのことはなかったのですが,アンコールを聴いてぶっ飛びました

最初にチャイコフスキーの「18の小品」から「踊りの情景,トレパークへの誘い」を,徐々にスピードを上げて見事に弾き切り拍手喝さいを浴びました これでアンコールは終わりか,と思っていると,2曲目にメンデルスゾーン/ラフマニノフの「真夏の夜の夢」から「スケルツォ」を目にも止まらぬ速さで,しかも音楽的に演奏し,会場の聴衆を唖然とさせました 彼にとっては「ピアノ協奏曲第2番」は実力を発揮するには物足りなかったのでしょう.すごいピアニストが誕生しました マスレエフという名前を覚えておこうと思います

 

          

 

休憩後はショスタコーヴィチの「交響曲第10番ホ短調」です.プログラム前半ではタクトを持たずに振っていたゲルギエフですが,後半のショスタコーヴィチはタクトを持って指揮をします.ただし,持っているのかいないのか分からないほど短くて細い,まるで割り箸のようなタクトです

第二次世界大戦後の1945年,ショスタコーヴィチの作曲した交響曲第9番は,ソ連当局が期待していたベートーヴェンの第9のような重厚な曲ではなく,軽く短い曲だったため,当局から批判を受けます それを受けての第10番です.この曲はスターリンが死去した直後の1953年に作曲されました

第1楽章が低弦の重い響きから入ります.日本人女性でしょうか,クラリネットのソロが素晴らしいです 第2楽章は”疾風怒濤”とでも言うか,音楽が疾走していきます ロシアの音楽学者ヴォロコフが1979年に発表した「ショスタコーヴィチの証言」によると,この第2楽章はスターリンを描いたとされています.この”証言”が本当にショスタコーヴィチが述べたのかどうか不明ですが,とにかく勇ましく,目まぐるしく音楽が変化していきます 第3楽章と第4楽章は間を空けずに演奏されます.聴いていて思ったのは管楽器群の素晴らしさです.ホルン,ファゴット,オーボエ,フルート,クラリネット,トロンボーン・・・・・挙げていったらキリがありません それに輪をかけて素晴らしかったのは女性ティンパ二奏者です ショスタコーヴィチ独特のリズムをしっかり捉え,曲に鋭いくさびを打ち込んでいました.まさにエネルギーに満ちあふれた爽快な演奏でした 

最後の音が鳴り終ると,会場一杯の拍手とブラボーが飛び交いました ゲルギエフは管楽器をセクションごとに立たせて演奏を讃えます.何回かのカーテンコールが終わると,若き俊英たちは隣同士でハグを交わし,お互いの演奏を讃え合っていました 若さっていいな,と思いました

PMFオーケストラのメンバーの皆さん,躍動感に溢れた感動的な演奏をありがとう 一人として名前を知りませんが,またいつかどこかで皆さん一人一人の演奏を聴く機会を楽しみにしています

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伊坂幸太郎著「仙台ぐらし」を読む~仙台にはなぜタクシーが多いのか?

2015年08月04日 07時01分06秒 | 日記

4日(火).わが家に来てから298日目を迎え,大学4年生のお兄ちゃんの参考書を前に為すすべを知らないモコタロです 

 

          

           量子力学って何? 漁師力学だったら分かるような気がするけど

          

  閑話休題  

 

7月25日から「フェスタ・サマーミューザ2015」のコンサートを聴くため川崎に通っていますが、JR川崎駅でこんなモニュメントを発見しました 「ザルツブルクの鐘」という時計塔です

 

          

 

なぜザルツブルクかと言えば、川崎市とオーストリアのザルツブルク市は姉妹都市になっているからです その背景についてはミューザ川崎の2階に「ザルツブルク市コーナー」で説明しています 私はン十年前にザルツブルクを訪ね、モーツアルトの生家、ホーエンザルツブルク城壁、大聖堂、そして映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台になったザルツカンマーグートなどを見てきました 小さくて狭い街ですが、自然と共存した空気の澄んだ爽やかな街でした またいつか訪ねてみたいと思っています

 

          

          

                    

  閑話休題  

 

伊坂幸太郎著「仙台ぐらし」を読み終わりました 伊坂幸太郎の作品についてはこのブログでも何度も取り上げているので,プロフィールはもういいですね この本は,伊坂氏が住んでいる地元仙台の出版社「荒蝦夷」で発行している雑誌『仙台学』に2005年から2015年までに連載されたエッセイ集です

 

          

 

エッセイは「~が多すぎる」というテーマで連載されました 「タクシーが多すぎる」「見知らぬ人が~」「消えるお店が~」「機械まかせが~」「ずうずうしい猫が~」「心配事が~」「映画化が~」と続きます

例えば「タクシーが多すぎる」では,人口一人当たりのタクシーの台数が全国で一番多いのは仙台であることをタクシーの運転手から教えられます なぜかと聞くと「規制緩和だ」という答えが返ってきます.その後,タクシーに乗るたびに運転手に声を掛け,タクシーが多いことについて”取材”を重ねます.すると,「繁華街で駐車しているタクシーは,警察が来て移動させる」と言う話が出てきます 「なぜ?」と訊ねると,「他のタクシー運転手が通報しているからだ.警察がタクシーを移動させて空いた場所に自分が停めるのだ」という答えが返ってきます.そんなことを突き止めながら,困ったものだ,と嘆きます

「心配事が多すぎる」では,ちょうどその頃,北朝鮮がミサイルを発射して世界を驚かせていた時期で,伊坂氏は「戦争になったらどうしよう」と嘆いています.どうも彼は心配性ではないかと思います

本の後半は,3.11東日本大震災を経験したときのことを書いています.大きな災害を目前にして,作家である自分は何も出来ないという無力感を抱いたこと,読者に勇気づけられて書く意欲が湧いてきたことなどを率直に綴っています

小説は得意だがエッセイは苦手な筆者によるエッセイ集ですが,小説では見られない伊坂幸太郎の別の魅力が垣間見られます 気軽に読めるエッセイ集としてお薦めします

さて,まだまだ灼熱の夏  は続きそうですが,めげずに今日から6日連続コンサートに挑みます 今日はサントリーホールでゲルギエフ指揮PMFオーケストラ東京公演,明日から日曜日まではミューザ川崎で「フェスタ・サマーミューザ」コンサートです 夏バテなんて言ってられないぞ

 

          

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井上道義+新日本フィルでホルスト「惑星」を聴く~フェスタ・サマーミューザ

2015年08月03日 07時01分05秒 | 日記

3日(月)。わが家に来てから297日目を迎え,あまりの暑さにアサヒ・スーパードライを2本空けてシラを切るモコタロです 

 

          

           2本空けたのは オレじゃねえんだ. 刑事さん,信じてくれ!

          

  閑話休題  

 

昨日、ミューザ川崎で新日本フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ヨゼフ・シュトラウス「天体の音楽」、②サン=サーンス「糸杉と月桂樹」、③ホルスト「惑星」より「火星」「水星」「木星」「土星」「天王星」。②のオルガン独奏は松居直美,指揮は井上道義です

 

          

 

午後3時からの本公演に先立って,午前11時半から同じ会場で公開リハーサルが開かれました かなり早くから並んだので2階最前列の通路側席に座りました.ゲネプロなので楽員はカジュアルなスタイルです 西江コンマスがアロハみたいな気軽な格好していたので,最初は西江王子だと気が付きませんでした 私が応援する新人女性3人(古日山倫世,松崎千鶴,脇屋冴子)の姿もあります

井上道義氏が白のTシャツで登場します.シャツのデザインはオリンピックの五輪マークを微妙に変形させて♯と♭をあしらったもので,井上氏自身のデザインとのことです 本人の説明によるとシャープ ♯ が井上の井に似ているので気に入っているそうです 話をしながら口をもぐもぐさせているのでガムをかんでいるのかも知れません.これは一見,オケや客席に対して失礼な態度かと思われがちですが,彼は1年ほど前に咽頭がんの手術をしているので,咽喉を乾燥させないための工夫だと思われます.人は見かけだけで判断してはいけません

その第一声は「みなさん,本番も聴くの?」,「同じ席で聴くの?」でした.リハーサルだけ聴いて本番を聴かない人は多分いないでしょう 分かっていながら聴くのが井上主義です

総合プログラムの新日本フィルのページに首席チューバ奏者の佐藤和彦氏が「ここが一押し」を書いていますが,井上氏はマイクを持って佐藤氏の席まで行ってインタビューを始めます

「チューパの高い音ってどんなの?」「低いのは?」「口で言っても分かんないから吹いてみて」「新日本フィルってどんなオケ?正直に言わなくてもいいからさ」と佐藤氏をいじり倒していました 佐藤氏はソツなく首席らしい態度で応対していました.おとなです

佐藤氏は「ここが一押し」の中で「道義さんの音楽作りには,何が起きるかわからないわくわく感がある.舞台で凄いことが起こり得る指揮者なので演奏する僕たちもそれを期待しています」と書いていますが,まさか,自分に降りかかって来るとは思ってもいなかったでしょう 自業自得です

リハーサルはプログラム順に始まると思っていたら,2曲目のサン=サーンスの「糸杉と月桂樹」から始まりました この曲は後半がパイプオルガンとオケのアンサンブルになるので,2階のオルガン席の松居直美さんと合わせながらリハーサルが進められます 井上氏はかなり頻繁に途中で演奏を止めて,主にオルガンに注文を出していました.自分でも聴衆からしつこいと思われているのではないかと思ったのか,客席の方を振り向いて「なぜオルガンばかりやり直しているかと言うと,今ここでしか出来ないからなんですよ」とエクスキューズを述べていました 前半のリハーサルに50分かけました

10分の休憩後,ヨゼフ・シュトラウスのワルツ「天体の音楽」のリハーサルに移ります この曲では途中で止めることは少なく,流れに任せることが多く見受けられました.そして,最後にホルストの「惑星」に入ります.この曲では比較的頻繁に演奏しては止め,注文を出して,また演奏するといったことを繰り返します.かなり指示が細かいと思いました.後半のリハーサルにも50分強かけました

 

          

 

さて,本番です.自席は2Lb1列13番,2階左サイド最前列右から2つ目です.会場は9割方埋まっている感じです リハーサルで井上氏が指示を出した通り,楽員は舞台袖からだけでなく客席からも登壇し配置に着きます.メンバーはカラーTシャツを着ています.第1ヴァイオリンはブルー,第2ヴァイリンはホワイト,チェロはイエロー,ヴィオラはピンクといったように基本的にはセクションごとに色分けされています

Tシャツの上にサマージャケットを着けた井上氏が登場,1曲目のヨゼフ・シュトラウスのワルツ「天体の音楽」の演奏に入ります ヨゼフ・シュトラウスは”ワルツ王”ヨハン・シュトラウス2世の弟です.聴いていて思わず身体が横に揺れて来るような優雅な曲です.決して兄に負けていないです

2曲目は晩年のサン=サーンスが第一次世界大戦の終戦を記念し,フランス大統領に捧げた作品です 前半はオルガン・ソロによる「糸杉」,後半が戦勝を祝した「月桂樹」から成ります.2階オルガン席に松居直美さんを迎えます.松居さんは鮮やかなブルーの上下で背中がかなり空いています 井上氏がマイクを持って語ります

「松居さんには背中を大胆に見せてほしいと頼んでおいたんですが,ほどほどで・・・・本当はもっと出して欲しかったんですが・・・・

これを聴いた松居さんは背中で笑っていました オルガン独奏による「糸杉」は圧巻でした サン=サーンスと言えばオルガンですが,曲自体が素晴らしいと思います 続く後半の「月桂樹」は,オルガンとオケによるコラボレーションですが,聴いていてサン=サーンスの交響曲第3番を思い起こしました.もっと演奏される機会があっても良い曲だと思いました.新日本フィルは迫力に満ちた演奏を展開します

休憩後はホルストの組曲「惑星」の中から5つ選んで演奏します.最初は「火星」です 映画「スター・ウォーズ」を知っていて初めてホルストの「惑星」,とくに「火星」を聴いた人は多分,「ホルストはスター・ウォーズの音楽をパクったんじゃないの?」と疑問を持つのではないかと思います 実際は逆で,ホルストの方がずっと先に作曲しましたから,むしろ,パクったとしたらジョン・ウィリアムズの方です それほど,曲の表す雰囲気が良く似通っています.まさに”戦争の音楽”です

次の「水星」の演奏が終わると小休止ということで,千葉工業大学・惑星探査研究センター所長の松井孝典氏をゲストに迎え,井上氏がインタビューします この日のプログラムが宇宙にまつわる音楽なので,話題は宇宙,惑星といった内容です.とても面白い内容でしたが,物忘れの激しい私にはここに再現する能力がありません

どういう脈略か忘れましたが,井上氏が,客席に座って出番を待っていた篠原氏を突然名指しして,「篠原さん,こっちに来てここに座ってくださいよ.彼は話が上手いんですよ」と言います.篠原氏はおっとり刀で第2ヴァイオリン後方の所定の席に座ると,井上氏が

「ここで弾くのと,あちらで(前の方で)弾くのとどこが違いますか?」と訊きます.台本にない想定外の質問に,篠原氏は

「皆さん,こんにちは.今日はようこそお越しくださいました.新日本フィルの第2ヴァイオリン奏者の篠原と申します.通称ブタオと申します.よろしくお願いいたします

と,ソツのない反応を示し会場の拍手を受けます かなり新日本フィル「室内楽シリーズ」のプレ・トークのファンが居るようです そして,

「かつてフランス・ブリュッヘンさんが指揮をされた時,『ヴァイオリンは後ろの方の演奏者の音が強く出てこないとだめです.トイレット・ペーパーは向こうから前に出てくるから良いのであって,手前から向こう側に引っ込んで行った時にはやりにくくて往生しました』とおっしゃっていました そのようなたとえ話で,弦楽セクションの後方の演奏者がしっかり弾かないといけないということを教えられました

と優等生的な回答をして会場の大きな拍手を受け,何かと細かくうるさい井上氏を唸らせました.さすが,トークの天才です

その後,楽員が再度ステージに登場し,「木星」(ジュピター),「土星」,「天王星」を続けて演奏しました 「惑星」が作曲された時はまだ「冥王星」が発見されていなかったので曲になっていません.もっとも冥王星が惑星だったのは2006年までで,それ以降は”準惑星”に格下げされてしまいましたが 「ジュピター」は管弦楽を駆使した熱演でした

最後に,NHK[プロジェクトX 挑戦者たち」のテーマ音楽として中島みゆきが作曲した「地上の星」(2000年)をフル・オーケストラで演奏し,コンサートを締めくくりました クラシックから映画音楽まで幅広く演奏する新日本フィルにとっては朝飯前ですね

 

          

 

何が起こるか分からない,というのが井上道義氏の指揮するコンサートですが,この日は存分にやってくれました 時に彼自身が前面に出過ぎると思うこともありますが,聴衆を喜ばせるというサービス精神の点で言えば,これほど面白いコンサートはありません

オーケストラの楽員にとって,指揮者は立法,行政,司法,マスコミに次ぐ第5の権力なので,何があっても指示には従わなければなりませんが,楽員としては「そんなこと言ってるんだったら,自分でやってみろよ」と言いたくなる時もままあるのではないか,と思います が,そこは”大人の対応”です.特に新日本フィルは大人の集団ですから,聴衆第一で演奏してくれることを信じております.これまでも,これからも

 

          

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日下紗矢子ヴァイオリン・リサイタルを聴く~パガニーニで見せた超絶技巧!

2015年08月02日 07時40分50秒 | 日記

2日(日)。昨日,マンションの管理組合の理事会が開かれ,理事長として出席しました 前から懸案になっていた長期管理費滞納者2名に対する対応について検討しましたが,さきの定時総会の決定を踏まえ訴訟を起こすことを決定しました.理事長本人が裁判を起こすのと弁護士に委任するのと2通りの方法がありますが,私は訴訟手続きをやっている暇などないので,弁護士に委任することにしました はっきり言って,理事長はボランティアです.払うべき費用を払わない人たちにきちんと払ってもらうために裁判で訴えるのに自分の貴重な時間を使うことなど考えられません.次回の理事会に弁護士を呼んで今後の具体的な訴訟手続きについて話を聞くことにしました それにしても,同じ建物の中に住んでいる住民を裁判に訴えなければならないというのは同じ住民として厳しいものがあります 出来れば裁判に入る前に払うべきお金を払ってもらいたいと思う今日この頃です ということで,わが家に来てから296日目を迎え,自分用のおやつを要求するモコタロです 

 

          

          人間のおやつはいらないから ぼくのおやつをちょうだい!

 

  閑話休題  

 

31日(金)午後7時からトッパンホールで日下紗矢子ヴァイオリン・リサイタル「ヴァイオリンの地平2 古典」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタK.303」、②ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調」、③パガニーニ「24のカプリース」より第9番ホ長調、第24番イ短調,④モーツアルト「ピアノとヴァイオリンのためのソナタK.526」,⑤シューベルト「ロンド・ロ短調」で、ピアノ伴奏はマーティン・ヘルムヘンです

 

          

 

自席はF13番,前から6列目のど真ん中です.私はこういう席が嫌いです 通路から真ん中まで入っていかなければならないからです.でも,比較的良い席はここしか取れなかったのです 会場は文字通り満席です

日下紗矢子は2000年のパガニーニ国際コンクールをはじめ世界的なコンクールで入賞している実力者です 2008年からベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の第1コンサートマスターを務め,2013年からは読売日響のコンマスも務めています ピアノを担当するマーティン・ヘルムヘンは1982年ベルリン生まれ.2001年クララ・ハスキル国際コンクールで優勝しています

          

          

 

日下紗矢子が濃紺をベースにしたシックなシースルー・ドレスでヘルムヘンとともに登場,さっそく1曲目のモーツアルト「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ・ハ長調K.303の演奏に入ります この曲はモーツアルトが22歳の時の作品です.当時のヴァイオリン・ソナタというのは,あくまでもヴァイオリンの伴奏付ピアノ・ソナタという性格の音楽でしたが,この作品を聴く限りは,ヴァイオリンがピアノと同じ位置に立って演奏していることが分かります まさに「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」と言えます.通常「ソナタ」というと3楽章構成の曲が多いのですが,この曲は2楽章形式です

二人の演奏を聴いていて思ったのは,若干ヘルムヘンのピアノが前面に出過ぎるのではないか,ということです 時にヴァイオリンの音を完全に消しています.ドイツ出身のヘルムヘンは,ECにおけるメルケル首相のような強気の立場で振舞っているとまでは言いませんが,もう少し自己を押さえても良いのではないかと思います

2曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調」です ベートーヴェンの時代になると,ヴァイオリンとピアノは同等の立場で演奏するように書かれています

第1楽章冒頭から,迫真の演奏です この曲ではヘルムヘンの”強き”の演奏が良い方に向かいました 日下紗矢子との間で丁々発止の演奏を展開します ベートーヴェンはこうでなくっちゃ,という前進あるのみの演奏でした

さて,圧巻だったのは次のパガニーニ「24のカプリース」から第9番ホ長調と第24番イ短調です もちろん日下のソロで弾かれますが,とくに,後にラフマニノフが主題に用いたことで知られる第24番イ短調では,ヴァイオリンの演奏におけるあらゆる技巧を駆使した超絶技巧変奏曲をものの見事に弾き切りました

後半の1曲目はモーツアルト「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ・イ長調K.526」です.私はこの曲が好きで,ヒラリー・ハーンのヴァイオリン,ナタリー・シューのピアノの演奏を時々聴いています.明るく楽しい曲です

 

          

 

この曲に至るとまったくヴァイオリンとピアノが文字通り対等の関係にあります.第1楽章の冒頭を聴くと,やはりヘルムヘンのピアノが雄弁ですが.日下は軽快にモーツアルトの愉悦の世界を表出します

最後はシューベルト「ロンド・ロ短調」です.シューベルトの曲の中では珍しくヴァイオリンの技巧的な扱いが要求される曲です タ短調特有の”暗い情熱”とでも言うような曲想ですが,二人は根性を入れて演奏しました

鳴り止まない拍手に,シューベルトの「アヴェ・マリア」をしみじみと演奏し,拍手喝さいを浴びました

 

          

 

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