「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム

2020年08月25日 19時12分01秒 | 社会・文化・政治・経済

「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム

デーヴ・グロスマン (著), & 2 その他

あなたは羊か狼か、それとも牧羊犬か?

極限状況では心と身体になにが起きるのか?はたして人間は人を殺せるようになるのか?
戦闘の心理と生理について徹底的に研究した衝撃の問題作
名著『戦争における「人殺し」の心理学』待望の続編!

今度は、戦闘の心理と生理について学問的に研究していきたい。名をつけるとすれば「戦闘学」ぐらいだろうか。ジョージ・ワシントン
は「平和を望む者は戦争に備えなくてはならない」と戒めた。これはつまり、つねに戦士が必要だということだ。すぐれた戦士、勇士と
呼べる戦士。平和戦士は戦闘について学び、それに精通しなくてはならない。消防士が火事について学び、それに精通するように。それ
が本書の目的である。人々に奉仕する戦士たちに、本書が少しでも役に立つよう祈っている(「はじめに」より)

内容(「BOOK」データベースより)

極限状況では心と身体になにが起きるのか?名著『戦争における「人殺し」の心理学』待望の続編!戦闘の心理と生理について徹底的に研究した衝撃の問題作。

著者について

デーヴ・グロスマン(Dave Grossman)
学者、著述家、軍人、講演者として国際的に活躍。人間の攻撃性および暴力・暴力犯罪の原因という分野の専門家として世界的に知られて
いる。陸軍士官学校の心理学・軍事学教授であり、また陸軍レンジャーとしての豊かな経験もある。これらをもとにして新しい科学的研究
の分野を創設し、これに「殺人学(killology)」と名づけている。この分野において著者は革命的とも言える研究をおこない、戦争におけ
る殺人、戦争の心理学的代償、世界中でいま暴力犯罪をはびこらせている「ウイルス」の根本原因、および戦時・平時における暴力被害者
の治癒について、人々の理解を深めるために多大な貢献をしている。著書にピュリッツァー賞候補ともなった『戦争における「人殺し」の
心理学』(ちくま学芸文庫)などがある。

ローレン・W・クリステンセン(Loren W. Christensen)
護身術、不良グループ、白人優越論者による犯罪、警察官の生き残り、および警察の関わる致命的武力対決の心理学的影響に関する専門家
として知られる。29年間法執行の世界に身を置いたのち、オレゴン州ポートランド警察署を1997年に退職した。米国陸軍憲兵としてベトナ
ムで3年間勤務したこともある。警察による腕力および武力の使用に関する専門家として、州および連邦の裁判で証言している。著書に
{Deadly Force Encounters: What Cops Need to Know to Mentally and Physically Prepare for and Survive a Gunfight}(『致命的
武力対決――心身ともに銃撃戦に備え、生き残るために警官が知っておくべきこと』)[共著]など多数。

翻訳:安原和見(やすはら・かずみ)
1960年鹿児島県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。主な訳書にH・ストリーバー『2012』、T・ジェリッツェン『外科医』、
D・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』、D・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』などがある。
 
 
 
ベトコンを射殺したアメリカ兵が戦没者記念碑に添えた内容を読んで涙が止まらなくなりました。

書中にて、日本の神風特攻をアルカイダ及びナチと同列に扱って「病んだ文化」と評してくれたことにとても胸のすく思いをしました。
 
 
 
戦争での心理的側面のほか、信頼される上司としての心得まである。値段は高いが、その価値がある読み応えのある本。自衛隊、警察の幹部の方々には必読の本
 
 
以前から戦場心理について興味を持っていましたが、素晴らしい本だと思います。
勉強になりました。
 
 
法執行官として、戦闘時に人間はどのような心理状態・身体の状態となるべきかふまえておかなければいけない、その対処のためどうするか、考えておくための本。

 前作とは、そういう意味で、戦闘を乗り越えるためにどのような準備やアフターケアをしたら良いか書かれた本である。

 多くの参考文献が記載されているが、その多くが邦訳されていないのが残念。
 
 
邦題の「戦争」とは所謂戦争ではなく他者の暴力に対して武力で対抗する状況一般のこと。原題の「On Combat」の方が分かり易いだろう。前著『戦争における「人殺し」の心理学』では、戦場で兵士が敵兵を殺す状況に話を限定し、どんな状況下で兵士達の心理や生理にどんな変化が起きるかを詳述した訳だが、本作では一般の警察官やSWAT隊員等(著者の言葉を借りれば「法の執行者達」)、或いは様々な危機的状況に遭遇した人々(著者は最近頻発する学校での銃乱射事件のひとつに一般住民として関わったことがあるらしい)の事例を取り上げ、非常事態に於て人間がどんな振る舞いをするものかを纏めている。

一応、職業的に武力を用いる必要のある人々の為のマニュアル本として書かれた「戦士学」の本なのだが、別に銃をぶっ放したり殴ったり蹴ったりすることとは無縁の生活を送っている読者にとっても、得るところは多々ある様に思う。これを「戦場」と限定せず、切迫する危険に直面したり高ストレス状況下で何かをしなければならなくなった場合、人間の心-身に何が起こるかを解説したものだと読み替えれば、事件だけではなく事故や災害等に見舞われた人々やその救助活動に従事する人々、緊張を強いられる職場で作業をしなければならない職業の人々等にとっても有益な知見が幾つもある。阪神大地震等の経験を通じて、被災後の被災者達の心のケアに関しては日本でもノウハウの蓄積が進んでいるとは聞くが、被災「中」のことも含めてパニクらずに済む方法を総合的に解説してくれる啓蒙書を誰か書いてくれないものだろうか?

私は著者の、ひたすら戦士を賛美する立場には賛同するものではないが(前著でも気になったが、現場で戦う人間が自分の行為の正当性を確信する必要があるのは理解出来るが、世界中に火種をバラ撒いて回っている張本人の一人に国際テロの脅威がどうのと説かれたくはない)、「理解は力」と云うその姿勢は共感出来る(その力がどういった目的でどう使われるか、と云うことは別問題としても)。事例の取り上げ方が一方的で比較群が皆無だったり、具体的なデータを基にした論証が屡々省略されていたりと、若干なりとも自分の頭で検討してみたい読者には些か物足りない部分もあるが、いざと云う時の心構えをしておきたいと望む読者であれば、本書を読むことは決して無駄にはならない筈である。
 
 
 
著者の前著『戦争における「人殺し」の心理学』では、「戦場で兵士は簡単に人が殺せない」というのがテーマに有り、それを解説・証明するような内容であった。
そして本書は、もっとカバーする範囲を広げて、兵士だけでなく警察等の命に関わる仕事をしている人達が、実際に人間に向けて銃を発砲しないといけないとき、逆に相手から発砲されるときにどのような反応を取るのかを心理学や生理学から説明している。

本書は前著とは違い、読者として兵士や警察等を想定しており、これらの職業についている人達が実際に戦場に出たり銃撃戦を経験したときに起こる現象(例えば時間が流れるのを遅く感じたりとか、記憶が飛ぶとか、大小失禁等々)は誰にでも起こりうることであり、正常な反応だということを予め理解しておいて欲しいというのが目的のようである。
したがって、一般読者向けに書かれていた前著と違い、本書ではところどころ一般読者が置き去りにされる箇所があるが、前著を興味深く読めた人であればそんなに問題無いのではないかと思う。

ハードカバー600ページ超というボリュームで、全編にわたって賛成できるかと言えばアメリカと日本の(また実際に軍人である著者と一般読者との)価値観の違いによって難しいが、前著と同じく興味深く読めた。
一応『戦場における「人殺し」の心理学』の続編という位置づけのようなので、前著を未読の方は先にそちらを読んでおいた方が良いと思われる(ただ、本文中に簡単に内容の説明があるのでそこまで順番に気をつかわなくても大丈夫)。
 
 
 
殺人を仕事にする人に対し、どの様な方法を取ればストレスを感じる事無く暮らす事が出来るのかを説いた、具体的な
リファレンス解説書です。私の考えでは、誰にもで役に立ちます。

何名かの方も気づいている様ですが、戦場という異常な環境下における書き方をしては居ますが、人の死に関する
機会というのは現代社会では確実に増えているのです。
例えば、目の前での交通事故死・殺人などの犯罪・介護による肉親の死。
そうした誰にでも充分にありえる機会を柔軟に克服する為にも、こうした極論を事前に抑えて理解しておく必要が
是非にもあると思っています。
実例で言えば、目の前で苦しむ末期癌の肉親に対して延命処置を望むのか望まないのか、冷静な判断を下す事は
できますか?延命をすれば患者の命は伸びるが、苦しみをも続ける事になる。反して、延命を希望しなければ
患者を助けるという言い方が出来る一方で、悪く言うと自分が死刑判決をしたような後悔に襲われるかもしれません。
こうした決断には残念ながら誰もが遭遇する可能性があるのです…
能動的な殺人だけをついつい見がちになりますが、必然的・受動的な殺人にいきなり遭遇して自分のコントロールに
後になって苦しむよりは事前に紙上だけでも知識を押さえておく必要があると思います。

実際に私は介護で眼前にて身近な人の死に向かいつつあるので、姉妹本の 戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)
と共に自身・家族のメンタル・コントロールにこの本を役立てています。
 
 
第一次世界大戦や第二次世界大戦で実際に敵兵殺戮のために発砲した兵士は15%~20%と言われている。これは暴力は悪と言う倫理概念的な問題と戦地でいざと言う場面に遭遇した場合に心拍数が上昇し極度の緊張状態に陥り正常な判断ができないためと言う、主に二つの要因が該当する。
倫理の問題は聖書では無秩序な暴力は戒めているが、国家からの使命により正当な理由がある場合には聖書は暴力ではなく正義と定義していることで兵士を説得する。極度の緊張状態については、近年模擬弾による練習で被弾の痛みを経験しながら戦闘を続行し任務遂行訓練をすることで緊張耐性ストレス耐性を養うことで解決する。
警官の業務も同様であり被疑者の犯罪行為に対する発砲は暴力ではなく正義であり、正義を実践するために実践同様の状況で緊張耐性訓練により任務遂行力の強化を図っている。
帰還兵や犯人射殺景観の心理面での事故対策が昨今重要な課題となっている。トラウマやPTSDは極度の緊張と敵や味方の死への直面と言った複数の過度のストレスが同時に発生し、精神面の整理ができずに長期にわたり殺戮現象の再現が発生する精神疾患であり、カウンセラーを通じて精神疾患防止策がとられている。
昨今の認知心理学の精神状態解明はかなり進んでおり、どのような事象が脳のどの部分にどのような障害を齎し、精神障害記憶の定着防止をどのように実現するかがかなり高確率で実現できるほど解明されている。
戦争や犯罪はないにこしたことはないが、著者が前半部分で指摘している通り青少年への暴力映像の過剰刺激で、暴力に対する罪悪認識が希薄化し無差別殺人等の凶悪犯の低年齢化が問題となる中、ゲーム業界はロビイストを使いゲームと犯罪の関連を否定し解決に至らない。
犯罪やテロとなる危険因子が一定割合で発生する以上、特殊部隊や警官の正当防衛は必須の防衛手段であり、高確率で適正に発動され、執行官の精神疾患を防止するプログラムの確実化が今後も進展されなければならない。

「感染者責めないで」 文科相、いじめや誹謗中傷に声明

2020年08月25日 18時33分24秒 | 事件・事故

8/25(火) 16:30配信

朝日新聞デジタル

記者会見で差別防止を呼びかけるメッセージを発表する萩生田光一文部科学相=2020年8月25日午前11時8分、文科省、伊藤和行撮影

 新型コロナウイルスに感染した子どもや学校への差別を防ごうと、萩生田光一文部科学相は25日、児童生徒や教職員、保護者らに向けたメッセージを発表した。児童生徒らには「誰もが感染する可能性がある」とした上で、「感染者を責めないで」と訴えている。

【写真】岩手県内一例目として発表された男性の会社に届いた花。中傷が相次いだが、次第に応援のメッセージも。

 文科省によると、全国の学校で集団感染が相次ぎ、感染者らへのいじめや学校への誹謗(ひぼう)中傷が起きていることから、多くの学校で2学期が始まるこの時期にメッセージを出した。

 児童や生徒、学生には「感染した人が悪いのではありません。早く治るよう励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えて欲しい」と呼びかけた。教職員らには子どもを指導する際、感染者や家族を差別しないことに加え、「医療従事者や社会活動を支える人たちへの敬意や感謝も伝えて欲しい」と求めた。保護者らには「自分が差別を行わないだけでなく、身の回りに差別につながる発言や行動があったときは同調せず、『そんなことをやめよう』と声をあげて」と促している。

 文科省は、いじめなどの相談窓口として設置している「24時間子どもSOSダイヤル」(0120・0・78310)で、新型コロナに関する相談も受け付けている。(伊藤和行)


■新型コロナウイルス感染に関する子どもの悩み相談窓口

●24時間子どもSOSダイヤル 0120・0・78310

●子どもの人権110番 0120・007・110

●いのちの電話 0120・783・556

●チャイルドライン 0120・99・7777

●新型コロナこころの健康相談電話 050・3628・5672

(文部科学省の発表から)

朝日新聞社

 

朝日新聞社

 

【関連記事】


梅光学院騒動の真相に迫る、なぜ14人の教師は辞めたのか

2020年08月25日 18時24分12秒 | 事件・事故

長周新聞(2016年3月18日)
 

梅光学院騒動の真相に迫る
なぜ14人の教師は辞めたか
理事長解任署名の背景

 

2016年3月18日付

今年に入ってから、下関市にある開学100周年を迎えた梅光学院で中・高校の教師14人、大学の教員8人が辞めることが明らかになって以後、生徒たちが「先生を辞めさせないでほしい」と署名活動を始め、3月5日には保護者、教職員有志、卒業生らが300人の集会を持って「梅光の未来を考える会」を設立。現経営方針の転換と理事長の解任を求める署名運動を展開してきた。

署名は卒業生を通じて全国区で広がり締切の14日までに1万5361筆が集まった。16日には代表者らがそれを携えて梅光学院を訪れた。ただ、関係者以外の市民の耳に届いてくるのは「とにかく梅光が大変なことになっている」ということ以外には具体性が乏しく、さまざまな噂や憶測ばかりが飛び交い、いったいなにが起こっているのかわからない状態が続いてきた。本紙はこの間の経過について関係者に取材し、流言飛語ではなく何が真実なのかを問うてみた。
 
 下関で100年の歴史誇る私立 「改革」で学校崩壊の本末転倒

 「梅光の未来を考える会」がおこなっている署名は、「梅光学院は、伝統あるミッション・スクールとして、下関を拠点に、質の高い教育を行い、地元の文化の一翼を担ってきた。しかし“改革”の名のもとでの専横的な学校運営により、教育環境は破壊されつつあり、資金の使途に数々の疑念があるばかりでなく、コンプライアンス違反の疑いも浮かび上がっている…梅光学院の未来のために、私たちは、本間理事長の退任と、現行運営方針の転換を強く要求する」としている。
 生徒たちのなかでは「共学化に反対した先生が辞めさせられるのだ」と話題になっているものの、どの教師が解雇されるのかわからない状況が続いている。そのなかでアンケートをとって校長に提出して説明を求めたり、署名活動をしてきたが、学校が子どもたちに真摯に向き合った形跡は乏しい。先日開かれた高校の生徒総会で「10億円を株に運用している」ことが話題に上るなど、学校に対する子どもたちの不信感も強いものがあるようだ。
 梅光学院でいったい何が起きているのか? どうしてそれほどの教員が大量に辞めていくのか? 何と何が矛盾して、その結果、学校の宝であるべき子どもたちの教育環境はどうなるのか? である。

 希望退職募集が発端 異常な人格否定研修会

 問題の発端は、昨年10月下旬、「財政難」を理由に40歳以上の中・高校の教師11人を対象に希望退職の募集がおこなわれたことだった。
 第1回目の募集で、すでに嫌気がさしていた英語教師らの多くが辞表を提出したとされる。その要因として関係する人人が指摘しているのが、2014年度から只木徹氏(統轄本部長、大学事務長、中高校副校長)が主導する英語教育改革と矛盾が生じていたことだ。その英語教育改革とは、文科省が進める「授業をすべて英語で」を徹底するものだったという。基礎になる文法を教えないので、学力の低い生徒になるとついていけず置き去りになる状況も出ていたようだ。公立高校の受験を希望する中学3年、大学受験を控えた高校3年生には対応できない状況も生まれた。子どもたちが喜ばないことを、いいなりになってやらなければならないことに嫌気がさしたのだという。
 だが辞表を提出した教師は11人に及ばず、数年前から中・高校にかかわってきたブレインアカデミーというコンサルタント会社が前面に登場した。全国で50以上の私学の人事制度の構築・導入などにかかわった実績を売りにするコンサルだが、その実態は、最近問題になっているリストラビジネスを手がける人材派遣会社の私学バージョンのようにも見える。
 まずブレインアカデミーによる「再就職斡旋の説明会」が開かれた。当初は希望者のみだったが、直前になって「全員参加」となり退職を希望していない教師も含めて参加することになった。そして11月14、15日の2日間、まだ辞表を提出していない教師を集め、1日5時間、計10時間にわたって「キャリア再開発」と銘打った研修会が開かれた。学院によると「この研修を受けたのは十数人」。講師はブレインアカデミー特別専任講師の肩書きを持つ西條浩氏だった。
 1日目、「人の目を見て話聞けよ!」と罵倒し、顔を上げると「その目はなんだ!」という場面があったり、「こういう発言をすることからして、あなたはこういう人だ」と嫌みな人格評価をするなど、特定の教師に狙いを定めた個人攻撃と人格否定がやられたことに教師たちは戸惑った。普通の人なら腹が立つ内容だが、事前に「会の趣旨に反することをいったり、講師に反対意見をいう人は退出してもらう」「どうしても辛くなったら退場してよいが、なんらかの処分がある」と釘を刺され、教師たちは我慢するほかない状態に置かれていた。
 続く2日目は、参加者の能力を全面的に否定することに力が注がれたという。年末までの「必達5項目」が掲げられ、「今から頑張って90点、100点になる人がこのなかにいるか? せいぜい60点か65点にしかならない」「このなかで努力して学院が希望する点数になる人はいない」「これがあなたたちの中途半端な成果だ」といった調子で教師の能力を否定。そのうえで、「当事者意識」「自責」といった言葉を強調し、「学校の経営状態がこうなったのはあなたたちの責任」「当事者意識を持って学校改革をしていかないといけない。でも能力がないからよそに行ったらどうか」と、「人生の棚卸し」などの言葉を使ってくり返し巻き返し精神的に追い詰めていった状況を、当事者である教師は明かしている。経営陣の「経営責任」をいつの間にか教師たちにすり替えていく手法だったようだ。
 そして最後に研修の成果を発表するプレゼンがおこなわれ、一人ずつ「今後どれだけ貢献できるか」を発表させられたが、西條氏はそれを聞いて「あなたたちのなかで、私がこの人と一緒に働きたい、この人の力を借りたいという人は一人もいない」といい、続いて中野学院長が、「(この研修は)先生を辞めるまで終わらない。あまり無理をなさらず、他の道も探した方がいい」といった内容をのべたという。初めから「辞表を出すように」と囲い込んでいく研修会だったのか、参加した教師たちにとっては脳みそ破壊をやるブレインバスターがいきなりあらわれ、耐えがたい研修会となった。
 その後、2度目の希望退職の募集がおこなわれた。1回目の条件では退職金について「本俸8カ月加算」だったが、2度目は「6カ月加算」に削減されていた。それでも辞表を提出しなかった教師には、第2段階のブレインアカデミーによる「個別カウンセリング」(1人90分)が待ち受けていた。密室でのカウンセリングの後、第3段階は「面接」で中野学院長、只木統轄本部長、樋口学長、只木氏の秘書・辻野氏の4人に囲まれて、「あなたは来年度はいらない」「来年度の学院の構想には入っていない」と戦力外通告がされていったという。3度にわたる圧力で11人の教師が辞表を提出。今年度末で退職する予定の教師は中・高校全体で14~15人に上っている。
 梅光の教師たちの年収は300万~400万円、長く勤めた人で500万円台と、教師としては決して高給ではない。それに対してブレインアカデミーはたった1人を2日間・10時間の研修に派遣しただけで300万円を得た。時給にして30万円である。さらに驚かせたのは学院の顧問弁護士が渦中で口を滑らせ「1人辞めさせるごとに成功報酬100万円を手にしていた」という話が広まったことだった。11人分の成功報酬を得たとすると1100万円、計1400万円になる計算だ。ただ、この真偽について只木氏に問うたところ「まったくのデマだ」とのべていた。

 教員の大量解雇 来年の授業体制組めず

 これほどの大量解雇でもっとも心配されるのは、来年度からの子どもたちの教育がどうなるかだ。
 中・高校では正規の教師の半数が退職し、大学でも来年度の授業予定も組んでいた准教授が、2月24日になって「総合的な判断」という理由で突然雇い止めの通告を受けており、中・高・大学すべてで来年度の授業体制がいまだに組めていないと指摘されている。ある教員はこうした状況について「入学者が増えたというが、レストランで客が増えたのに料理を出さないようなもの。反教育だ」と語っていた。「改革」した末に教師が逃散するように辞めていき、おかげで学校が崩壊するというのでは本末転倒というほかないが、職安に梅光学院の教師募集の求人が幾つも出ていたのを見て、学外でも懸念する声は高まっていた。

 4年前からの改革 「文学は儲からない」

 今回の問題は突然起こったものではなく、4年ほど前から大学を手始めにやられてきた「学校改革」の一環で、それが表面化したものだと関係者は指摘する。背景には、政府・文科省が進める人文系廃止や、少子化のなかで財政難に陥っている地方の私立大学が、生き残りをかけて熾烈な競争をくり広げていることなど、根深い問題が横たわっている。梅光学院も十数年前から定員割れに頭を悩ませてきた。
 梅光学院の「学校改革」は、2011年10月、現・統轄本部長である只木徹氏(名城大学で非常勤講師をしていた)が梅光学院にやって来て、その翌年の2012年春から始まった。非常勤講師として着任した同氏は、まず事務局を廃止して統轄本部を新設。本部長に就任して人事と金を動かす権限を掌握した。1年たった2013年、ガバナンス(統治・支配)強化のために、只木氏が本間政雄氏(元文科省官僚、大学マネジメント研究会会長)を呼び寄せ、現在の本間理事長、只木統轄本部長(大学事務長)、樋口紀子学長、中野新治学院長(中・高校長)の体制ができあがった。
 「学生数を確保する」こと、「人件費比率の削減」が改革の内容で、真っ先に事務職員の給与切り下げがおこなわれた。意見をいう職員には降格人事や左遷など、容赦のない仕打ちがおこなわれたという。このなかで心を病んだり、学院のやり方に納得できず、半数ともいわれる事務職員が学院を去り、半分が非正規職員になっているようだ。
 2014年からは大学教員の給与切り下げと人員削減が始まった。執行部が「金にならない」とターゲットにしたのは文学だといわれる。梅光学院大学は歴史的に日本文学の研究で知られてきたが、2012年に13人いた日本文学科の専任教員を四人まで削減。残りは非常勤講師でまかなう状態になった。1人1人呼び出して「今年辞めたら退職金を○○円出すが、来年になったら半額になる」という手法だった。
 ある教員は、「梅光は文学や語学に力を入れていたのに、文学はもうからないという。かろうじて日本文学は守っているが、英文学や英語学などはなくし、薄っぺらな学問にしようとしている」と危惧していた。辞めた教員を非常勤で補うなど有期雇用に変え、いつ辞めさせても法律上問題のない手法で削減は進んでいる。
 大学教育にかかわった経験のある人物は、「子ども未来学科を設置したとき、子どもの未来を考えられる人材や研究をどのようにしていくか、喧々諤々(がくがく)論議しながら建設してきた過程がある。それが保育士の資格をとれればいいというものに変わってしまった」という。もともと「保育士を育てる教師の育成」を追求していたはずが、保育士資格をとらせるだけに変わった。教授会の発言権を奪って学長に権限を集中させ、理事会で反対意見をいう理事をやめさせるなど、「守旧派」と見なした人人を学外に追いやるなかで「改革」は次から次へと進んでいったという。
 その結果、高校への生徒募集や宣伝広告の強化、給付型奨学金(1億円ほど)の強化、2013年度からは学費を20%減額するなどして学生数は増加した。「地方小規模大学のV字回復」と、教育情報サイトでとりあげられるほどだ。ベトナムなど東南アジアからの留学生の確保にも力を入れたようだ。学生数を基準にする文科省にとっては、今回のような騒動が起ころうと「優秀な大学」である。しかし、「4年前は赤字が1億2000万円といっていたが、この4年で2億ずつ増え、今累積が8億円といわれている」とも指摘されている。そうしたなかで、学院のなかでも「赤字部門」、すなわち経営者の視点から見たときに不採算部門に映るであろう中・高校にも改革の手が伸び始めていった。

 生徒や同窓生の疑問 不透明なカネの使い道

 地方の私立大学が生き残りをかけて懸命になるのは無理もない。大学として存立するために何を為すべきかはどこの大学でも抱えている重要課題だ。しかし関係者の多くが怒っているのは、これらの「改革」が進むと同時に、不透明な金の使い道、執行部にまつわる黒い噂ばかりが拡大し、説明を求めても明らかにされないことだ。
 例えば生徒たちが問題にしているのは2015年度から導入されたタブレットだ。中・高校の全校生徒と教師全員に、およそ300台ものタブレットが一人ずつ配られた。ある生徒は「学習の記録や授業に使えといわれるが、重たすぎて家に放置している生徒もいる」と話す。学校で充電してはいけないので、毎日持ち帰らなければいけないからだ。「礼拝のときに先生がタブレットを活用しなさいというが、先生さえ使えていないのに意味がないと話になる」という。男子を増やすため、サッカー部をつくってレノファと提携を結んだことも話題になっており、「そんなお金があるなら、なぜ先生たちを首にするのか」と子どもたちは疑問にしている。
 さらにこの間、昨年7月から学院が所有している現金資産のうち10億円の運用を始め、昨今の株価下落で目減りしていることも心配されている。また、「4人の執行部が法人カードを持って好きなように使っており、学内の人間はその支出先を知ることができない」「毎月100万円を使い切っているというのは本当か?」「統轄本部長が報酬を1000万円から1300万円に上げてくれといっているのは本当か」等等、金銭にまつわる疑問も多い。さらに宗教上懸念されている問題として、戦後日本キリスト教団とつながりをもってきた梅光学院のなかに、オンヌリ教会(韓国)のチャペルをつくるという噂など、さまざまなものが飛び交っている。
 あと、教員たちや学院に関係する人人に取材するなかで共通して出されていた懸念は、一連の改革や解雇が中・高校をなくすための布石ではないかというものだった。2013、14年頃に、中・高校の生徒数が減っているにもかかわらず、1年契約の常勤講師を退職者数以上に採用しており、「教師が多すぎるのではないか」と疑問視されてきたが、それらが「正規の教師をリストラするための準備、もっといえば中・高校をいつでもつぶせる体制に向かっている」と真顔で心配しているのである。曲がりなりにも中心市街地の丘の上の一等地に位置するのが中・高校で、広大な用地は高値で取引されることは疑いない。「校舎を新しくしたばかりで、まさかそれはないだろう…」という意見と同時に、そうした将来を本気で心配している人人も少なくない。

 統轄本部長に聞く 中学・高校の存続は?

 これらの疑問や噂が目下、同窓生やその周囲を巻き込んで流言飛語のように拡大している。放置することは学院にとっても不名誉で、真相を明らかにすることによってしか打ち消すことなどできない。学院に取材を申し入れたところ、只木氏と小谷財務部長が対応した。まず第一に、教員不足でカリキュラムが組めないのではないかという疑問については、「雇い直しは(教科によっては)ぎりぎりのものもあるが、授業はきちんとできるようにしていく」という説明だった。
 株式運用については、担当の小谷財務部長が回答し「投資信託、株、債権、リートなど組み合わせたファンドラップでやっている。当然ながら規定があるし、理事会でも承認を得て長期の運用でやっている。決して投機的なことをしているとか、ギャンブル的な話はない」と強い口調でのべていた。昨年七月の運用開始からの目減り分について質問したところ、「株式が下がったパーセンテージの半分くらい」とのべていた。
 毎月100万円の限度額ともいわれている法人カードについて只木氏は「会社だったら当然持つ物だ。監事や公認会計士がみんな見る。絶対に証拠が残るから、むしろ明朗会計だと評議員の企業主もいっている」とのべていた。
 そしてもっとも心配されている中・高校の廃止については「過去10年を見て、普通の会計士が見ればつぶすのが正しい選択だという。今は再建しようという意志でやっている」とのべていた。「今」は再建するつもりであるが、今ではないいつかにその意志がどうなるのかはわからなかった。「今は」を強調していたのが印象的だった。
 また、オンヌリ教会について尋ねると、「奇想天外な発想ですね! そういう話があるんですか!」と驚いた表情をして、「キリスト教の学校だから個人的にはチャペルを建てたいが、今は計画はない」とのべた。

 子供たちの未来の為 真相示し教育的解決を

 この間の梅光学院を巡る騒動は、単なる労使問題で片付けることのできない問題を含んでいる。それは同じように財政難にあえぐ地方大学、とくに私学の姿を映し出すものでもある。しかし聞こえてくるのは、大人たちのどろどろした金の話だったり、支配と被支配のそれこそ専横的といわれる学院運営の実態だったりで、文科省官僚出身だった理事長のもとでくり広げられてきた改革の結末は、何ともしれない印象を放っている。それでいったい、学院に通っている子どもたちはどうなるのかがもっとも心配されている。
 少なくとも、梅光学院は誰かがカネを稼ぐための道具ではなく、子どもたちを教育するために理念を掲げ、100年の歴史を紡いできたはずだ。その梅光学院が乗っ取られる、別物のオンヌリ学院か本間学院にされてしまうという懸念が、同窓生を行動に駆り立てている最大の要因のようだ。
 現在、署名運動は広がりを見せており、学校の行く末を巡る論議が活発化している。お金にまつわる疑問にせよ、正面から真相を明らかにすることによってしか解決の道はない。教師の解雇についても、そのように学校を支えてきた人材を次から次へと追い込んでいく運営にどのような未来が待ち受けているのかである。
 「改革」して大学なり学校が崩壊したというのでは、あまりにも惨い結末といわなければならない。現経営方針を転換させたのちにどのような学校にして、子どもたちをどう育てていくのか、大学であればどのような理念によって人材育成の分野で社会的な役割を果たしていくのか論議を深めていくことが待たれている。建設的な力をつなげていくことしか梅光学院の未来はなく、阻害物があるならば取り除き、どう進んでいくのかが問われている。

職員解雇請負するブレインアカデミー?!

2019年9月14日 shigaku-union お知らせ
【ドルトン東京学園】週刊文春で話題の私学コンサル会社「ブレインアカデミー」と学校のつながり


一昨日(9月12日)発売された「週刊文春」では、追手門学院(大阪府)にて行われていた、私学専門コンサルタント会社「ブレインアカデミー」(https://www.brainacademy.co.jp/)による教職員へのパワハラ研修・退職強要の問題が掲載されました。

記事は、以下をご参照ください。

「あなたはいらない」名門・追手門学院 職員への「退職強要研修」音声

https://bunshun.jp/articles/-/14018

実は、ドルトン東京学園も、この「ブレインアカデミー」と契約を結んでいることが、私たちが団体交渉を申し入れた際の学校回答からも確認されました。

過去には、「ブレインアカデミー」の研修に参加をさせられた教員が、研修後、退職に追い込まれていたことも、学内でありました。

私たちは、今回の雇い止めや退職強要、陰湿なパワハラは、この会社の指南もあるのではないかと予想しています。

「週刊文春」の報道にあるように、人権侵害をして人員整理を図るようなコンサルタント会社と手を組み、良い学校を作ろうと準備と努力してきた教職員へ嫌がらせをしたり、彼らを理不尽に辞めさせようとするのは、本人の人生設計を破壊するだけでなく、学園内の教育の質の低下につながるなど、生徒や保護者の方へ悪影響を与えてしまいます。

また、これまでの状況を見ている多くの学内の教員たちは、「明日は我が身」と戦々恐々とし、生徒へ集中しづらい環境に追い込まれています。

学校は、教員への労務管理のあり方を根本的に見直し、教職員の労働環境と学校の教育の質が連動することを理解して欲しいです。


私学教員ユニオン

 HOME私学教員ユニオンとは
私学教員ユニオンは、私立学校(小学校・中学校・高校)で働く教員が集まり、労働環境の改善に取り組む団体です。長時間労働や残業代未払い、パワハラ、雇い止めなど、私立学校で働く教員の過酷・不安定な労働実態を受けて、総合サポートユニオン・私学教員支部として2018年に発足しました。

長時間労働や休憩が取れない、残業代の不払い、パワハラ、雇い止めなどの劣悪な労働環境により、現場の教員たちが安心して働くことができないと、子どもたちへの教育にもマイナスの影響が及びかねません。より良い教育を実現するためにも、教員の労働環境の改善は非常に重要な課題です。

労働条件にお悩みの方、私学教員の労働環境の改善に関心のある方、ぜひお気軽に私学教員ユニオンへご連絡ください。

専任教諭、常勤講師、非常勤講師など、雇用形態にかかわらず、ご相談に対応しています。

◇総合サポートユニオンのウェブサイト http://sougou-u.jp/

労働組合とは?

労働組合とは、憲法や労働組合法で活動や意義が認められている、労働者が自主的に集まって賃金や労働時間などの労働条件の改善をする団体です。

労働者が労働組合を作り、会社と団体交渉(改善に向けた話し合い)を行ったり、宣伝活動などの団体行動をする権利は、法律で認められた基本的な権利です。


「腐ったミカンはいらない」 研修中に暴言、退職迫られた追手門学院の職員らが提訴 8/24(月) 18:35配信

2020年08月25日 17時40分01秒 | 事件・事故

腐ったミカンはいらない」などと暴言を浴びせられ、執ように退職を迫られたとして、追手門学院の職員らが提訴しました。 「あなたのように、腐ったミカンを追手門の中に置いておくわけにはいかない」(研修中の音声)。訴状によりますと、大阪の学校法人・追手門学院は4年前、原告を含む事務職員18人を集め、5日連続のキャリア研修を開きました。原告らはここで外部講師から「あなたはいらない」などと暴言を交え、退職を迫られたと訴えています。「18人の中で、一番負のオーラをあなたは出していました。明確に負のオーラを出していますよ」(研修中の音声)。

原告3人は、その後も学院から退職を求められ、うつ病などで休職に追い込まれたと主張し、約2200万円の賠償などを求めています。原告の男性は会見で「(研修の企画は)1人の人によって行われたわけじゃなくて、学内の上層部のかなり多くの人が関わっていたはずです。なんでそれを止められなかったのか」と話しました。原告側は、研修を受けた18人のうち、11人が退職したとみています。学院側は「訴状が届き次第、内容を確認し対応する」とコメントしています。

ABCテレビ

 

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研修で「腐ったミカン」 追手門学院の職員ら3人が理事長らを

2020年08月25日 17時35分58秒 | 事件・事故

8/24(月) 16:44配信

「腐ったミカンはいらない」などと執拗に退職を迫ったのは違法だとして、学校法人・追手門学院の職員ら3人が理事長らを訴えました。

【実際の研修  講師の音声】
「あなたのように腐ったミカンを追手門の中においとくわけにはいかない。
まだ少しは可能性があって頑張ろうとしているミカンも腐ってしまう。」

学校法人・追手門学院の男性職員ら3人は、2016年8月に職員研修を受けた際、追手門学院が研修を依頼したコンサルタント会社の講師から暴言を吐かれ、退職を迫られたといいます。
原告3人を含む18人の職員らは、5日間にわたり合計40時間の研修を受けさせられ、2017年の3月末までに退職するよう求められました。

研修を受けた職員の内11人が既に退職、9人が心療内科に通院していて、2人が現在も休職中だということです。
男性職員らは研修が終わってからも学院の幹部らから執拗に退職を迫られ、学院の理事長に面談で「退職をすすめるのをやめて欲しい」と申し出ましたが…

【実際の面談  理事長の音声】
「『今後、退職勧奨をやめて下さい。』アホなこと言わんといてくれ。仕事せえへん人、あるいは仕事適さない人。そういうのはね、今、学院としてお金があるわけじゃないですから、だからそれやってくれへんやったら退職勧奨がね何回だってありえるわけやん」

原告の男性職員ら3人はその後もくり返し退職を迫られ、うつ病などを発症し休職を余儀なくされたとして、それぞれ慰謝料500万円を含む総額およそ2200万円の損害賠償と退職の強要をやめるよう求めて、追手門学院やコンサル会社などを訴えました。
【原告の男性】
「(研修)初日にパワハラ言葉のシャワー、これは耐えられないと感じた。」
「わたしは『腐ったミカン』といわれた。理解できない言葉や言動で否定される。内容でなく、人格が否定されるのが非常に辛い。」

追手門学院は訴えについて、「訴状が届き次第、内容を確認して対応してまいります」とコメントしています。

TVOテレビ大阪

最終更新:8/24(月) 16:44
テレビ大阪ニュース

 

 


20歳で奪われた命…「前提にも立てない」両親の無念 船内で飲酒運転、道交法は適用外

2020年08月25日 14時41分51秒 | 事件・事故

配信

いつか、おやじのように-。憧れの父と同じ職を目指していた男性は、成人式のわずか1週間後に夢を絶たれた。

福岡市の貨物船内で後進するトレーラーの誘導作業中、トレーラーとコンテナに挟まれ死亡した。

運転手の40代の男=自動車運転処罰法違反罪で公判中=は飲酒していたが、事故現場が船内のため道交法違反(酒気帯び運転)罪には問われていない。

「多くの遺族が飲酒運転撲滅と声高に言うけど、私たちはその前提にも立てない」。

両親は憤りと無念さを抱え、道交法改正を求める。

3児死亡事故14年 地蔵の前で手を合わせる地元住民  

男性は両親から「クニ」と呼ばれていた港湾運送会社社員の木塚國義さん=福岡県宇美町、当時(20)。

笑顔の遺影の周りには友人との写真が何枚も飾られ、父とおそろいのネックレスや20歳の誕生日に母が贈った腕時計など思い出の品が飾られていた。

「クニは正義感が強くて家族思い。友達も多かった」。母美紀さん(46)は声を詰まらせる。

 「父の背中を見て育ったから同じ仕事をしたい」。父龍二さん(46)の後を追ってトレーラー運転手になるため、就職先を決めた國義さん。「おやじ、どげんしたらいい?」。仕事場や実家で龍二さんに助言を求め、大型免許の取得に向け勉強していた。  

事故は昨年1月20日未明に発生。國義さんは福岡市東区の岸壁に係留中の貨物船内で笛を吹きながらトレーラーを誘導していた。運転手の男は数日後、木塚さん宅を訪れ謝罪し、言った。「酒を飲んでました」

 県警の調べで男の呼気から基準値を超えるアルコール分を検出したが、道交法は主に道路が対象で適用は見送られた。男は自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で書類送検、在宅起訴された。公判の情状面で飲酒は考慮されるとみられる。

 「トレーラーは全長十数メートル。バックはただでさえ難しいのに酒を飲んでするなんて信じられない」。トレーラーの後進に絡む事故を何度も見て怖さを知る龍二さんは、身勝手さに怒りが収まらない。

「プロの運転手がどうして飲酒運転するのか。余計許せん」と美紀さん。大好きなトレーラーに挟まれた最期に「たまらなかったと思う」とおえつを漏らす。  

3児死亡事故から14年、飲酒運転はなくならない。トレーラー運転手と同じプロドライバーの飲酒事故も増えている。「法律を変えれば飲酒運転はなくなるんだろうか…」。両親は道路外でも道交法が適用されるよう法改正を訴える一方、複雑な思いも拭えない。

 「クニを忘れ去られるのは耐えられない」。成人式の日、会いに来た息子を何度も抱きしめた時のぬくもりが、今も残っている。 (梅沢平)

 

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「かて飯」が「おいしい」とは

2020年08月25日 14時41分51秒 | 社会・文化・政治・経済

毎日新聞2020年8月24日 東京朝刊

声・投書

テレビの食リポ番組に違和感を覚えたことがある。若い女性タレントが、山村地域の「かて飯」を食べ「おいしい!」と叫んだのだ。それはまさに飽食の時代の申し子のような声だった。

 戦中戦後に幼少期を過ごした私には、ご飯のかさを増やすため具を混ぜたかて飯は空腹を満たすだけの食べ物だった。食糧不足の時代…

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木村九段、王将戦で藤井2冠と再戦へ!「当たれることが活躍した証」

2020年08月25日 14時27分54秒 | 社会・文化・政治・経済

配信

将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は24日、東京都渋谷区の将棋会館で2次予選の3組決勝を行い、後手の木村一基九段(47)が102手で三浦弘行九段(46)を下し、初の挑戦者決定リーグ入りを決めた。
王位を失った相手の藤井聡太2冠(18)と再戦する。
中盤で銀と飛車を交換し、大駒1枚分のメリットを得た木村だが「ずっと(形勢は)悪いと悲観していました」と意外な心境を明かした。
相手王を包囲するものの侵略に至る決め手に欠き、一方で自王の守備は薄い状態。それでも84手目[後]4五香と上部から抑え込むと、以降は押し切った。  
1997年の四段昇格以来、これが初の挑決リーグ進出。
「千駄ケ谷の受け師」にとっては挑戦22期目での到達だ。
「初めてのことなのでうれしい。(リーグは)いつも解説するものだと思っていたので」と、ひょうひょうとした口調で喜びを表現。藤井との再戦は「(藤井と)当たれることが活躍した証だと思い一生懸命やります」と表情を引き締めた。
 挑決リーグは9月中に開幕。木村は「やけ酒飲んでる時間がなくなって良かったのでは。酒飲んでるよりは将棋指していた方がいい」と頬が緩んだ。11月下旬まで7棋士が総当たり戦を行い、勝者が来年1月開幕予定の7番勝負で渡辺明王将(36)=名人、棋王との3冠=と対戦する。(我満 晴朗)
 

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あおり運転しか生きがいがない56歳男性の怒りのトリガー

2020年08月25日 12時48分01秒 | 事件・事故

8/25(火) 11:16配信
プレジデントオンライン

スピード違反で止められ記念撮影。罰金8万円の支払いは、妻に肩代わりを頼んだ - 撮影=週刊SPA!取材班

東京都に住む配達ドライバーの林弘重さん(仮名・56歳)は、あおり運転をやめられない。ここ5年間で4度の接触事故を起こし、スピード違反で8万円の罰金を払ったばかりだ。なぜ危険運転を繰り返すのか。週刊SPA! 取材班が、林さんに聞いた――。

トリガー」とは、銃の引き金、出来事が起こるきっかけのことです。

【写真】スピード違反で止められ記念撮影。罰金8万円の支払いは、妻に肩代わりを頼んだ

 ※本稿は、吉川ばんび、週刊SPA! 取材班『年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■「わかってないやつのせいで事故が起きる」

----------
林 弘重さん(仮名・56歳)男性
出身/東京都
最終学歴/高校
居住地/東京都
居住形態/持ち家
年収/210万円
職業/配達ドライバー
雇用形態/契約社員
婚姻状況/既婚
----------

 2019年8月。高速道路上で高級外車に乗った中年男性が執拗にあおり運転を繰り返し、車を停車させて男性を殴った「常磐自動車道あおり運転殴打事件」。同乗の女性が携帯で動画撮影をしたことがワイドショーでも注目を集め、危険な行為として社会問題化した。しかし、以降もあおり運転での逮捕は相次ぎ、ついには運転中に歩行者をエアガンで撃つ者まで現れた。

 これらの問題を受けて、政府は同年12月、「あおり運転」について危険運転致死傷罪の適用拡大や免許取り消しといった厳しい行政処分を科す方針を打ち出した。一般では対策としてドライブレコーダーの搭載が一気に広まるなど、まさに2019年は“あおり運転元年”といえるかもしれない。同章では、そんな“心の貧困”とも呼べる人たちを見ていきたい。

 東京都に住む会社員の林弘重さん(仮名・56歳)は、そんなあおり運転をやめられないでいるひとりだ。ここ5年間で4度の接触事故を起こし、スピード違反で8万円の罰金を払ったばかりだが「道路を走るときは、ドライバー同士があうんの呼吸で流れるように走もの。俺は流れに乗って運転しているのに、わかってないやつのせいで事故が起きる」と持論を展開する。

 右折時に対向車の出足が遅いと思えば急接近、青信号で発進するタイミングが“わかっていない”と思えば急接近……と、日常的にあおり行為を行っているのだ。

■昔から車が大好きで運転の仕事に

 「右折時に左折のやつを追い越すんですが、相手の驚く顔を見るのがたまらない。右折後はゆっくり走り、そいつが後ろについたのを確認してから猛スピードで走り去ると、実にスカッとするんですよ。35年以上ドライバーをやっているから、運転技術は並じゃないんです。みんな俺をナメやがるけど、わかっていないだけなんです」

 インタビューのために訪れた昼下がりの喫茶店。林さんは我々を前に一気にまくしたてると、運ばれてきたアイスコーヒーにストローも刺さずグイっと飲んだ。あおり運転をする人の多くが短気で運転に対し自信過剰であるといわれる。配達ドライバーとして長年東京近郊を走り続けてきた林さん。「バカにしやがって」と彼が他者に抱く怒りの裏には、いったい何が潜んでいるのだろうか? 

 「昔から車が大好きでした。だから高校卒業後は運転の仕事に就きたくて、地元の食品工場に配達ドライバーとして就職しました。ほどなく同期入社した現在の妻と結婚し、すぐに子宝に恵まれました。順風満帆だったのですが、体調不良が続いていた30歳の秋にC型肝炎が見つかったんです。それから、長い闘病生活が始まりました」

 当時の治療法は一本数万円もするインターフェロン注射に頼るもので、林家の家計は治療費で一気に苦しくなった。

 「妻は『転職して収入を上げ、私が生活を支える』と言ってくれました。実際に知人の紹介で販売の仕事に転職。最初はなんていい女なんだ、と惚れ直したんですけどね」

■“年下上司”には煙たがられ、妻には家事を押し付けられ…

 新しい仕事を学びながらも、夫の看病と子供の世話までこなす妻。林さんは次第に頭が上がらなくなっていった。1年も経つとC型肝炎はだいぶよくなったものの、検診の際に、今度は肝臓がんが見つかる。入退院を繰り返す林さんに会社はポストをあけていたが、40歳を超えて同期が管理職の椅子に座る頃になっても、林さんはヒラ社員のままハンドルを握り続けていた。

 「仕事内容だけでなく、給与もヒラ社員並み。体調面で会社を休みがちなので仕方ないとは思うけれど……」

 “年下上司”には横柄な態度を取ってしまい煙たがられ、面倒な客の多いルートばかりを押し付けられた。一方、転職先で昇進を続けていた妻は、ついに担当地区でトップの営業成績を飾り表彰されるに至った。

 「アイツに『私は忙しいから、暇なあなたが家事をやって』と主夫宣告をされましてね。だから俺は『バカにするな! 』と怒鳴ってやりましたよ」

 無事に大学を卒業し一部上場企業へ就職した長男からは「親父の給料、俺の初任給より少ないじゃん」と指摘され、情けなさで泣いた夜もあったという。酒を飲めなくなった林さんが辛い心の内を打ち明けられるのは、入院時に打ち解けた同じ病室の仲間たちだけ。しかし、ひとり、またひとりと、あの世へ旅立ってしまった。

■「俺は邪魔するやつに注意をしてやってるだけ」

 50歳を目前にして何度目かの退院後、久しぶりの職場で「ヒモの旦那」という陰口を聞いてしまった。そんな日に限って、空は青く澄み渡っている。見通しのいい交差点で、対向車と林さんが接触事故を起こしたのは、その1時間後のことだった。

 「前の軽自動車が車線変更を繰り返しながら走っていて、イラついていたのは確かです。しかも、運転していたのは女を連れた若い兄ちゃん。調子に乗って運転しているとわかり、右折時に追い詰めたら対向車と事故ってしまったんですよ」

 運よく大事故に至らなかったとはいえ、林さんはこの事故以降、怒りに身を任せると破壊的な行動をとってしまうようになる。妻から精神科に行くことを勧められ、医師からは「冷静さを取り戻すための習慣を見つけるべき」とアドバイスを受けるも、本人には感情に振り回されているという自覚がない。この頃から、粗暴な運転を周囲から指摘されるようになったという。

 「危ないことなんてしていないのに、運転中に助手席の妻が『危ない! 』と叫ぶんです。アイツはわかっていないんですよ。俺は邪魔するやつに注意をしてやってるだけ」

■孤独の毎日でハンドルを握ることだけが生きがい

 55歳を過ぎ、妻のおかげで住宅ローンも完済した。林さんは自身の給与をそのまま小遣いとして使える生活を送っており、何ら問題はないように見える。しかし、不本意ながら主夫めいた生活を送る林さんのプライドは、傷ついていた。

 「ストレス発散のため、ずっと狙っていたSUVを買いました。といっても、名義は妻ですが。それでも、ハンドルを握っている間はすべて自分でコントロールできる。これが唯一の癒やしです」

 馬力の高い新車を手に入れた林さんは、運転技術で圧倒的優位に立てる道路の上で傍若無人な態度をとり続ける。相手が弱いとみるや威圧的な態度をとる林さんだが、高級車や黒塗りの車にはおとなしく道を譲り、決してちょっかいを出さないという。

 「前に、あおり運転をやり返されて、車を停めたら、中からチンピラ風の男が出てきた。『ジジイ、てめぇ殺すぞ』と凄まれて、土下座して許しを得たこともありました」

 自分より弱いとみれば攻撃的になり、強いものには屈する。そんな林さんの左側に座る者はいない。

 「入院先で出会った病室仲間の最後の生き残りが、先週亡くなりました。独立した2人の子どもは家に寄りつかず、妻からは無視されています。孤独だけど、ハンドルを握っているときだけは、まだこの世にいるんだと実感できるんです」

 深い悲しみと孤独感は同情に値するが、身勝手で危険なあおり運転は許される行為ではない。これも心の貧困からくるものなのか。

週刊SPA!取材班

 

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河井夫妻無罪訴え 証人120人

2020年08月25日 12時48分01秒 | 事件・事故

8/25(火) 12:59

2019年の参議院選挙をめぐる買収事件で、公職選挙法違反の罪に問われている前の法相の河井克行被告と妻の案里被告が、初公判でともに無罪を主張した。

今回の裁判は、証人の規模が最大級であることに加え、コロナ禍という課題を抱え、異例づくしとなった。

公職選挙法の規定で、この事件は起訴から100日以内の判決を目指す「百日裁判」の対象で、本来なら10月には判決の見通しだったが、12月までに55回もの裁判が予定されている。

河井夫妻が全面的に争う姿勢のため、証人の数が、異例のおよそ120人にのぼることが大きな要因。

また、ほとんどの関係者が事件の舞台となった広島在住で、高齢者も多いことなどから、感染防止にも考慮し、40人余りについては、広島地裁とのビデオリンク方式での証人尋問を行う、異例の措置がとられる。

被告人質問も年明けにずれ込む見通しで、判決は年を越す見通し。

今回の裁判の判決によっては、国会議員の地位を失う可能性がある。

克行被告については、罰金以上の刑が確定すれば失職。

案里被告も、有罪が確定すれば当選が無効となる。

また、案里被告の場合は、無罪になったとしても、克行被告が総括主宰者として、罰金以上の刑が確定するか、公設秘書の禁錮以上の刑が確定し、連座制が適用された場合、当選が無効となる。

 

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フジテレビ系(FNN)


映画 オフィシャル・シークレット

2020年08月25日 12時48分01秒 | 社会・文化・政治・経済

劇場公開日 2020年8月28日

オフィシャル・シークレット

イラク戦争開戦前夜に英米政府を揺るがせた告発事件を、キーラ・ナイトレイ主演で映画化したポリティカルサスペンス。2003年、イギリスの諜報機関GCHQで働くキャサリン・ガンは、アメリカの諜報機関NSAから驚きのメールを受け取る。

イラクを攻撃するための違法な工作活動を要請するその内容に強い憤りを感じた彼女は、マスコミへのリークを決意。2週間後、オブザーバー紙の記者マーティン・ブライトにより、メールの内容が記事化される。キャサリンは自分がリークしたことを名乗り出るが、告発も空しくイラク侵攻は開始され、彼女は起訴されてしまう。キャサリンを救うため、人権派弁護士ベン・エマーソンらが立ち上がるが……。

弁護士エマーソン役に名優レイフ・ファインズ、記者ブライト役にテレビシリーズ「ドクター・フー」のマット・スミス。監督は「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のギャビン・フッド。

2019年製作/112分/G/イギリス・アメリカ合作
原題:Official Secrets
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

  • キーラ・ナイトレイ

    キャサリン・ガンキーラ・ナイトレイ

  • マット・スミス

    マーティン・ブライトマット・スミス

  • マシュー・グード

    ピーター・ボーモントマシュー・グード

  • リス・エバンス

    エド・ブリアニーリス・エバンス

全てのスタッフ・キャストを見る

2020年8月24日更新


茨城県における新型コロナウイルス感染症流行第1波の記述疫学

2020年08月25日 12時34分29秒 | 医科・歯科・介護

(IASR Vol. 41 p149-151: 2020年8月号)

茨城県では2020年3月17日に初めて本疾患患者が確認され, 5月4日までに168例の報告があった。それ以降, 患者報告がない状態が6月18日まで続いている。

今回, 感染症発生届および保健所が実施した感染症発生動向調査で収集された情報をもとに, 3月17日~5月4日に報告があった168例を第1波と定義し, この間の本県の記述疫学を以下報告する。

患者情報

3月17日~5月4日に本疾患の感染が確定された168例を対象とした。対象は, すべて常法(国立感染症研究所法)による定量リアルタイムRT-PCR検査(以下PCR検査)により確定した。

まず, 患者性別は, 男性82例(48.8%), 女性86例(51.2%)で, 男女差は認められなかった。

患者年齢中央値は48.0歳(範囲0-98歳)であった。年代別分布は10歳未満2例(1.2%), 10代5例(3.0%), 20代33例(19.6%), 30代26例(15.5%), 40代26例(15.5%), 50代21例(12.5%), 60代16例(9.5%), 70代15例(8.9%), 80代15例(8.9%), 90歳以上9例(5.4%)であった。なお, 65歳以上の高齢者は50例(29.8%)であった。

推定感染経路

患者との接触歴が明らかな者は119例(70.8%), 接触歴が不明な者は49例(29.2%)であった。

接触歴が明らかな者119例の内訳は, 県内発生のクラスター関連78例(65.5%), 家族23例(19.3%), 職場同僚6例(5.0%), その他12例(10.1%)であった。

また, 接触歴が不明な者49例の内訳は, 首都圏への移動歴あり(通勤等)21例(42.9%), 渡航歴あり3例(6.1%)(ヨーロッパ渡航2例ならびにアジア渡航1例), 県外の移動歴なし25例(51.0%)であった。

臨床症状

感染症発生届に症状の記載があった者(以下, 有症者)は142例, 無症状病原体保有者(以下, 無症状者)は26例であった。無症状者はすべて接触者調査によりPCR検査を実施し確定した症例であった。

有症者142例は, 3月5日~5月2日に発症しており, 発症者数のピークは4月1日(14例)であった(図1)。発症から診断(陽性確定)までにかかった日数の平均は5.5±4.0日(平均±1SD)であった。症状(重複あり)は, 発熱が最も多く124例(87.3%), 次いで咳嗽81例(57.0%), 上気道症状(咽頭痛や鼻汁等)41例(28.9%), 頭痛30例(21.1%), 肺炎18例(12.7%)ならびに味覚・嗅覚症状18例(12.7%)であった。

人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使用した重症例は8例(4.8%, 8/168)で, 糖尿病, 高血圧あるいは腎疾患等の基礎疾患を有していた。7例が軽快し, 1例が死亡した。死亡した1例は, 基礎疾患治療のため免疫抑制剤を使用していた症例であった。

死亡者数は10例(6.0%, 10/168)で, 全員に糖尿病, 高血圧あるいは腎疾患等の基礎疾患があった。

次に, PCR検査により陰性化を確認した例は104例で, 発症から陰性化するまでの日数は, 20日以内22例, 21~30日37例, 31~40日29例, 41~50日13例ならびに51日以上3例であり, 29.3±10.7日(平均±1SD)であった。

小規模集団発生事例

疫学的関連が明らかな小規模集団発生(クラスター)は, 5事例あった。クラスターの内訳は, 医療機関2事例, 高齢者施設1事例, 障害者施設1事例ならびに職場同僚・家族・友人に感染が広がったものが1事例であった。

クラスター関連患者総数は, 82例(初発患者含む)であり, 無症状者の割合は, 24.4%であった(図2)。年齢中央値は, 有症者48.5歳(範囲19-91歳), 無症状者65.5歳(範囲0-98歳)であった。

まとめ

茨城県の第1波における発症者数のピークは4月1日と推定され, これはほぼ全国と同様であった(図1)。また, 患者の年齢分布は20代が最も多く, 全国と同様の傾向を示していた1)

重症例や死亡例の多くは基礎疾患を有しており, 基礎疾患を有する者は重症化するリスクが高い可能性が再確認された。

また, PCR検査において, 発症から陰性化が確認されるまで, 平均1カ月程度要しており, 療養あるいは行動制限が長期にわたっていたことも推定された。このことが, 本県の本疾患流行第1波において, 入院病床確保に困難をきたしていた1つの要因であったと考えられた。

さらに, 感染経路については, 接触歴が不明な患者のうち首都圏移動者が半数を占めており, 本県の第1波流行は, 首都圏からの感染流入が主たる原因である可能性が示唆された。よって, 今後も県内と併せて首都圏の発生動向を注視していく必要があると思われる。

加えて, クラスター関連の接触者調査におけるPCR検査の結果, 無症状者が2割程度含まれていたことから, 症状がない場合でも日頃からマスクの着用や手洗いなどの予防対策が重要であると考えられる。今後, これらの解析データを利活用し, 本疾患の次なる流行に備えることが必要であろう。

謝辞:ご協力いただきました県各保健所および水戸市保健所の皆様に深謝いたします。

 

参考文献
  1. 国立感染症研究所感染症疫学センター, IDWR, 2020年第23号, <注目すべき感染症> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2487-idsc/idwr-topic/9688-idwrc-2023.html
 
 
茨城県衛生研究所     
 熊本有美 吉田友行 大橋慶子 齋藤 葵 後藤慶子 大澤修一
 樫村 諒 岩間貞樹 永田紀子 柳岡利一   
茨城県保健福祉部疾病対策課
 堀江育子        
群馬パース大学大学院   
保健科学研究科      
 木村博一

新型コロナ「第2波」は死亡率低下 若者感染増が影響か 感染研センター長

2020年08月25日 12時34分29秒 | 医科・歯科・介護

配信

新型コロナウイルス感染者の死亡率について、1~5月の「第1波」は6.0%だったのに対し、6月以降の「第2波」では4.7%に低下したことが24日、鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長の分析で分かった。

 若年層の感染増などが影響したとみられる。同日開かれた新型コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合で公表された。  鈴木センター長は、国内の感染者を第1波(1月16日~5月31日)と第2波(6月1日~8月19日)に分類。第1波の死者は900人で、死亡率は6.0%だったが、第2波は219人で4.7%だった。 

 

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京都市ソーシャルイノベーション研究所

2020年08月25日 11時55分21秒 | 社会・文化・政治・経済

「行政の論理」を超えた事業を展開する

社会的企業育て、集める

市民による「革新」が重要

社会課題の表面だけに目を奪われないことだ。
その一段深い背景で動いている多様な要素を見ないと、イノベーションにつながらない。
例えばシングルマザーや子どもの貧困問題にしても、市場に適応できなかったことから起きている。
だから、市場の場に戻すためにはどういう仕組みづくりが必要かを、考えなければならない。

京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想の実現に向けた事業推進拠点として、平成27年4月にASTEM内に開設されました。

ソーシャルビジネス(社会的価値を創造する事業活動・企業)に対する認定制度の実施やハンズオン支援、イノベーション・キュレーターの養成などにより、ビジネスを通して社会課題の解決に挑戦する企業や、社会課題を生まない社会づくりを目指す人々への支援を行っています。

京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)は、市民、企業、NPO、大学などの多種多様な組織や個人が、京都で社会的課題の解決に挑戦することで、過度の効率性や競争原理とは異なる価値観を日本はもとより、世界にも広めることを目的にした「京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想(※)」の推進拠点として2015年4月に設置されました。

 

構想全体のコーディネート機能を果たすとともに、行政・企業・NPO・大学・中間支援団体などを巻き込んだネットワークの形成や、所属するメンバーの他、多くのパートナーと共に、企業と公的機関とのマッチングを行うパブリックコーディネートに取り組んでいます。

 


 

(※)京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想 イメージ図

silk_クラスター構想図案

 


 

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SILKが
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3つの場

SILKには、日々事業者からの様々な相談が寄せられます。

こんな場所があって活用方法を考えたい、
こういうことができる会社(人)を探している、
京都に新たな事業所を立ち上げたい、
創業や新規事業の相談にのってほしいなど、
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複業という形で携わるメンバーも多く、各々が中小企業診断士やプロジェクトマネージャー、税理士といった仕事での経験をSILKの活動に生かし、3つの場を中心に、変化の波を起こす初動を作るべく奮闘しています。


新型コロナ入院患者の9%が「死亡退院」 - 国立感染症研究所が積極的疫学調査の結果公表

2020年08月25日 11時42分44秒 | 医科・歯科・介護

配信

国立感染症研究所は14日、自治体や医療機関から寄せられた新型コロナウイルス感染症の退院患者に関する積極的疫学調査の結果をホームページで公表した。

6月3日時点の状況(185例)をまとめたもので、入院期間の中央値は16.0日だった。

転帰については、「生存退院163例(88%)、死亡退院16例(9%)、入院中で軽快傾向を認める症例6例(3%)であった」としている。【新井哉】  

同研究所によると、性別は男性が97例(52%)、女性が88例(48%)で、年齢の中央値は55.0歳(四分位範囲40.0-69.0歳)。

50歳代(33例)、60歳代(37例)、70歳代(33例)が入院患者の半数以上を占めた。感染確認の経緯も取り上げており、「国内確認」が151例(82%)、「チャーター便による帰国」が5例(3%)、「ダイヤモンド・プリンセス号乗船者」が29例(16%)となっている。

 何らかの基礎疾患を有した症例が103例(56%)あった。その内訳は、高血圧が39例(21%)、糖尿病が28例(15%)、脂質代謝異常症が24例(13%)、喘息が10例(5%)、悪性腫瘍が7例(4%)、腎疾患が4例(2%)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が4例(2%)、脳血管疾患が2例(1%)となっており、「喫煙歴が15例(8%)で認められた」としている。

 初発症状に関しては、発熱が109例で最も多く、以下は、呼吸器症状(68例)、倦怠感(23例)、頭痛(17例)、消化器症状(16例)、鼻汁(8例)、関節痛(7例)、嗅覚異常(6例)、味覚異常(4例)などの順だった。また、入院時の症状については、呼吸器症状(61例)、発熱(53例)、消化器症状(21例)、倦怠感(13例)、嗅覚異常(11例)、味覚異常(10例)などを挙げている。  

全185例のうち86例(46%)については、対症療法ではなく、新型コロナウイルス感染症への直接的な効果を期待して抗ウイルス薬投与などの治療介入が行われており、「投与薬剤の内訳は、ファビピラビル48例、シクレソニド43例、ロピナビル/リトナビル20例、ナファモスタット3例、ヒドロキシクロロキン硫酸塩3例、レムデシビル2例等であり、このほか3例でステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム1例、シベレスタット1例、これら2剤の使用1例)が実施されていた」と説明している。

CBnews

 

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