3/5(金) 8:59配信
日本テレビ系(NNN)
去年4月に亡くなった碇翔士郎くんの当時の体重は、平均の約半分のわずか10キロほどだった
福岡県の5歳児が餓死した事件で、逮捕された「ママ友」が、罰として男児の食事を抜くよう指示したとみられることが分かりました。男児は10日間水しか与えられず、命の危険にさらされたことも。金を詐取するため食事を管理し、支配を深めていった実態とは―。
■1000万円以上を搾取か
保護責任者遺棄致死の疑いで福岡県警に逮捕された赤堀恵美子容疑者(48)
5歳の男児に十分な食事を与えないまま飢え死にさせたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで福岡県警に逮捕された母親の碇利恵容疑者(39)と、知人の赤堀恵美子容疑者(48)。
ママ友として赤堀容疑者と親しくなって以来、利恵容疑者は急激に痩せていったといいます。そして、去年4月に亡くなった碇翔士郎くんの当時の体重は、平均の約半分のわずか10キロほどでした。
自身も母親である赤堀容疑者が、ママ友の家庭を支配し、その幼い子どもを餓死させるに至るまで、どのような経緯があったのでしょうか。
赤堀容疑者は金をだまし取るため碇家の食事を管理し、これまで1000万円以上を搾取してきたとみられています。質素な生活をやめさせないために、「共通の知人が複数の監視カメラを自宅に設置している」とうそをつき、利恵容疑者を信じ込ませていました。
また、捜査関係者によると、翔士郎くんがいうことを聞かない時などに、赤堀容疑者は「罰として男の子の食事を抜くように」と指示していたとみられています。5歳の翔士郎くんは、10日間にわたり水しか与えられていないこともあったといいます。
■「10日間水だけ」は“命の危機”に
柴田小児科医院・柴田雄介院長
5歳の子どもにとって、10日間水だけという状態は、どれだけ危険なのか。都内の小児科医に聞きました。
柴田小児科医院・柴田雄介院長
「ほとんど意識ももうろうとした状態で、寝たきりでほとんど起き上がれないのではないかと思います。お子さんだと、もともとの体力がありませんし、栄養自体も大人と比べてたくさん必要です。かなり命に危機が迫る状況になっていると思います」
■児相「差し迫った危険なし」
亡くなる1か月ほど前に、翔士郎くんの姿を確認していた福岡児童相談所の所長
亡くなる1か月ほど前に、翔士郎くんの姿を確認していた福岡児童相談所の所長は3日の会見で、「訪問の際、傷やあざは、顔や頭部になく、顔色も良くて、元気に対応していたので、そういうところで、差し迫った危険がないと判断しております」と述べました。
健康状態については正確に把握できている状態ではなかったものの、特に心配することはないと判断したといいます。
2019年8月ごろから、食事の量や回数を減らしていたという、赤堀容疑者と利恵容疑者。碇家が暮らす福岡県篠栗町の教育委員会は、3日の会見で2人の様子を「だんだんと、友人と一緒にいる時間・期間が多くなったと感じております」と説明しました。
近所に住む人も「(赤堀容疑者を)けっこう頻繁に見ましたね」と話します。
■押し入れに閉じ込めも
赤堀容疑者からしつけについて叱責を受け、利恵容疑者は翔士郎くんを押し入れに閉じ込めたという
赤堀容疑者は、精神的にも身体的にも、利恵容疑者らを支配していたとみられます。
利恵容疑者の供述によると、赤堀容疑者からしつけについて叱責を受け、利恵容疑者は翔士郎くんを押し入れに閉じ込めたといいます。
利恵容疑者は調べに対し、「母親として守ってあげられれば良かった。赤堀容疑者にだまされた」と話す一方、赤堀容疑者は容疑を否認しているといいます。
(3月4日『news zero』より)