3/25(木) 16:27配信
「ホームレスを見下していた…」こう話していた元少年2人に、それぞれ実刑判決が言い渡されました。
花を供え、手を合わせる女性…。事件で死亡したホームレスの渡辺哲哉さん(当時81)と、この場所で路上生活をしていました。
渡辺さんと路上生活をしていた女性:
「渡辺さんはここで生活して、代えがたい場所だと私は思うんです。魂も宿っていると思うし、私が生きている間、来たいと思います」
事件があったのは去年3月。起訴状などによりますと、岐阜市の河合橋の下で路上生活をしていた渡辺さんと女性は、複数の少年らに石を投げつけられる暴行を受けたといいます。
女性はその場から逃げて難を逃れましたが、渡辺さんは近くの路上で頭から血を流して倒れている状態で見つかり、その後死亡。
警察は当時19歳だった元少年5人を傷害致死などの容疑で逮捕。このうち2人が傷害致死の罪で起訴された一方、1人が少年院送致に、2人が不起訴処分となっていました。
渡辺さんと路上生活をしていた女性:
「全然知らない人間を、ホームレスを馬鹿にしてやったということでしょ。私たちを狙った本当の理由を、はっきりみんなの前で話してほしい」
3月11日から始まった元少年2人の裁判。
<元少年>
「ホームレスという立場を見下していました」
<別の元少年>
「スリルや恐怖感を味わっていた」
悪質な犯行とは対照的に、弱々しい声で動機を語った元少年2人。検察は、渡辺さんに致命傷を与えた元少年に懲役8年、もう1人の元少年には懲役6年を求刑していました。
迎えた25日の判決…。岐阜地裁は「動機・経緯は理不尽で厳しい非難に値する」として、渡辺さんに致命傷を与えた元少年に懲役5年、もう1人には懲役4年の実刑判決を言い渡しました。
事件から25日でちょうど1年。判決を受け、渡辺さんと一緒に路上生活していた女性は…。
渡辺さんと路上生活をしていた女性:
「渡辺さんのことを思うと、あまりにも軽くて報告できないと思いました。今日は雨ですし、渡辺さんが天国から泣いているような気がします」