みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

乳がん検診の精度をあげる

2009-07-04 00:05:42 | Weblog
という目的のための乳がん学会の模様をニュースが映していたがこれをTVで見ていた時どうも気になったことがあった。
学会の会場はどこかのホールなのかホテルなのかはわからないけれどけっこう広い会場が写しだされていた。そしてその会場は学者さんなのかお医者さんなのか大勢の乳がん学会の人たちらしき人たちで埋まっていた。しかし、その中にあまり女性の姿が見えないのがとても気になった。乳がんという女性に多い病気のことを話す学会の会場にどうして女性の姿が少ないのだろう?
単純に思った疑問だ。
集まっている人たちが学者さんだから?お医者さんだから?
いやいや、昨今の大学や医学部に女性が少ないなんてことはないだろう。医学部だけじゃなくても大学と名のつくところに女性がほんの少ししかいないなんてことがあるわけがない。それこそ、音楽大学などはその9割近くが女性と言ってもいい。普通の大学だってその半数近くは女性なのでは?と私なんかは単純に思ってしまう。でも、世の中の重要なポストにまだまだ女性の数は少ない。別に少なくたっていい分野もあるけれど、今夜ニュースで見た「乳がん」のお医者さんのような分野にナゼ女性が少ないの?
本当にそれでいいのかナ?首をかしげたくなる。

私がいつも読んでいる本がある。というよりは暇さえあればいつも眺めているといった方がいいかもしれない本だ。それぐらい好きな本の一つだ。
「女たちの20世紀」という集英社から出ているムック本で、明治以来の日本で社会的に活躍してきた先駆者的な女性たちを100人集めて彼女らの足跡を紹介している本だ。津田塾大学の創設者の津田梅子、日本画家の梅村松園、作家の与謝野晶子、歌人の柳原百蓮、社会運動家の福田英子など日本の女性の今の地位はこうした先駆者の苦労によって勝ち取られたものだということがよくわかる本だ。
もちろん、平塚らいてうや加藤シズエ、市川房江、土井たかこといった人たちも含まれている。こうした女性たちのことばと行動はとっても重くて深いものがあるが、その中でも明治時代に活躍したフェミニストの女性運動家、福田英子のことばは痛快でカッコいい。
「男はダメだね。位階や勲章に目がくらむからね。そこへ行くと女には勲章ぶらさげて喜ぶような馬鹿はいないから頼もしいよ」。
たしかにその通りだと思う。男が馬鹿なことは世の中の真理だし、もしそう思ってない人がいるならばそれこそ馬鹿だと思う。
地位や名誉を後生大事に床の間に飾っておく男という人種は基本的に人間の真理なんか何もわかっていない馬鹿どもなわけで(もちろん私も含めてだけど)、仕事以外何もできないからこそ「威張って」いるのかもしれない。

とは言っても、最近の男性はこの「威張る」ことすらできなくなっているのが現状で、その意味で言えばまさに「男はつらいよ」になるのだが、映画の中の寅さんはその「男」にさえなりきれない本当に「つらい人」なのだ。
自称寅さんフリークの私は「男はつらいよ」の映画は全巻それぞれ最低3回は見ている(と威張ってみたりして。ハハハハ)。本当にワンパターンの映画なのだけど、あの映画には男という存在の「弱さ」が本当によく描かれていると私は思う。寅さんは映画の中で毎回女性に恋愛しそして失恋するというのがパターンなのだが、実は寅さんが女性から本気でプロポーズされるパターンも何回かある。でも、女性から求愛されると寅さんは必ず逃げてしまう(つまり旅に出る)。「冗談いっちゃいけやせん。私みたいな男に惚れちゃあ、お天とうさまがひっくり返らあ」などと言って冗談ごかして逃げの一手に入ってしまう。つまり、寅さんはいつでも女性には惚れるけれども本気で家庭を持つつもりはまったくない人なのだ。家庭を持つ責任、社会人として生きる責任は寅さんにはまったくない。
社会的に男が男たりえるのは「仕事をして家庭を持つ責任を果たす」こと。それが男だというルールを人類は長い間かかって作り上げてきたのだが、寅さんはそのルールを果たそうとはしない。というよりは果たすことが怖い人なのだと思う。
「男になることがどれだけつらいのか」を寅さんはよく知っているからこそ一匹狼の風来坊でいようとする。風来坊がかっこいいのではなく、「男になるのがつらい」からこそ、「男」から逃げようとする社会の弱者になっているのがフーテンの寅さんの本当の姿なのでは?と何度も何度もあきずに寅さん映画を見る私は考えている。
男でも女でも、やたら「威張る」のはその人に能力がない証拠。
年を取ってから過去の栄光にしがみついて生きる男の人があまりに多いのはきっとこの「男の弱さ」がなせる業なのかナ?
それが証拠に、年取ってからの生き方は女性の方がはるかに強くてカッコいい。