みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

優しくない社会

2011-07-17 20:14:26 | Weblog
もうすぐ地デジがどうのこうのとラジオでも盛んに言っているが(私の家にはTVがないので)、この政府のプロパガンダ・キャンペ-ンを聞くたびに腹が立つ(だから、それのお先棒をかついでいるSMAPのあの方にも腹が立つ=まあ、単に坊主にくけりゃ...の話だが)。
大体においてデジタル化にして一体何の得があるのだろうか?
単に家電メーカーに利益をもたらすためにやっている陰謀?とも思ってしまうが、まあ真相はきっと政財界の魑魅魍魎の中にあるのだろうから私ごときが深く詮索しても詮無いことだけれども、このキャンペーンよりももっと腹が立つのは「詳しくはwebで」という捨て台詞が最近のCMには多いことだ。
内容が知りたかったらインターネットで調べろっていうこの高いところからのモノ言いにはかなりムカっとくる(パソコンを持たない人、使えない人も社会にはかなりいるはずだ)。
例の松本大臣と同じレベルの「傲慢さ」だナとつくづく思う。
でも、中にはきちんと0120-+++++とちゃんとトールフリーの電話番号を画面で知らせてくれる企業CMもあるので、こういうのを見るとホッとする(実家にいる時はTVが見れる)。

何でもかんでもオール電化にしていまう便利な生活がけっして「バラ色の生活」ではないことを日本人は今度の震災で学んだはずじゃなかったのだろうか?
便利さのリスクをどれだけ負う覚悟がみんなにはできているのだろうか?
便利さとは離れた効率の悪い生活を送ることをスローライフというのだろうが、そんなスローな生活とハイリスクの便利社会とどちらを皆さんは選択するのだろうか?
地デジ化で年寄りや貧乏人を切り捨てて、「詳しくはwebで」という捨て台詞で「年寄りは知らなくてもいいよ」と言ってしまう全然「優しくない社会」を作る日本が本来あるべき社会の姿なのかナ?と本気で思ってしまう。

つい最近、介護施設の大手メーカーと「音楽と介護」のコラボを始める話がまとまった。
これで、私が長い間考えていた音楽介護プログラムが少しずつ実行に移していくことができるはずだ。
「音楽も音楽家も世の中の役に立つべき」と私は本気で思っている。でも、音楽も音楽家も「独りよがり」で「我が道」を行くことがカッコよくてアーティスティックだとずっと思われてきたけれど(そう思っている人も未だに多いが)、そんな生き方を始めたのはあのベートーベンだ。
そこから数百年で音楽というのは何かとてつもなく「自分勝手な道に」曲がり続けてきたような気がする。
特に二十世紀後半からの「わかるやつだけわければイイ」という態度で音楽を作り続けてきたいわゆる「業界」という人たちの高ビーな態度が今の「音楽離れ」を作ってきたわけだし、本当に一般ピープルの欲するものは何なのかを考えることを停止してしまった今の日本の音楽業界はかなり前から死に体になってしまっている。
まあ、これもあれもすべて「資本主義」のせいになんて簡単にはできないけれど、「人に優しい社会」というのは少なくとも今の政権政党が考えるような浅薄なビジョンではけっしてできないことだけは確かだと思っている。