今日の「 お気に入り 」は 、ノンフィクション作家 ビル・ブライソンさん の
著書 " The Body ― A Guide for Occupants " の 一節 。
「 A VIRUS, IN the immortal words of the British Nobel laureate
Peter Medawar, is " a piece of bad news wrapped up in a protein."
Actually, a lot of viruses are not bad news at all, at least
not to humans. Viruses are a little weird, not quite living
but by no means dead.
Outside living cells, they are just inert things.
They don't eat or breathe or do much of anything.
They have no means of locomotion. We must go out and collect
them ―― off door handles or handshakes or drawn in with the
air we breathe. They do not propel themselves; they hitchhike.
Most of the time, they are as lifeless as a mote of dust, but
put them into a living cell, and they will burst into animate
existence and reproduce as furiously as any living thing.
Like bacteria, they are incredibly successful. The herpes virus
has endured for hundreds of millions of years and infects all
kinds of animals ―― even oysters.
They are also terribly small ―― much smaller than bacteria
and too small to be seen under conventional microscopes.
If you blew one up to the size of a tennis ball, a human would
be five hundred miles high. A bacterium on the same scale would
be about the size of a beach ball. 」
上掲の一節は 、翻訳本の中で 、次のように 日本語訳されています 。
「 イギリスのノーベル賞受賞者ピーター・メダワーの不朽の言葉によると 、
ウィルスとは『 タンパク質に包まれた悪い知らせ 』だ 。
実際には 、多くのウィルスは少なくともヒトにとっては 、悪い知らせ
でもなんでもない 。
ウィルスは少し風変わりで 、生きているとはいえないが 、決して死ん
ではいない 。生体細胞の外では 、ただの不活性な物質だ 。食事も呼
吸もせず 、ほとんど何もしない 。移動の手段も持たない 。自力では
前進せず 、ヒッチハイクするだけだ 。わたしたちは外へ出て 、彼ら
を集めてこなくてはならない 。ドアノブや握手を介して 、あるいは
空気といっしょに吸い込むこともある 。ほとんどの場合 、ウィルス
は一片の塵のごとく不活発だが 、生きた細胞の中に入れると 、突然
活気に満ちた存在にになり 、どんな生き物にも負けないほど猛烈な
勢いで増殖する 。
細菌と同じく 、ウィルスは途方もない繁栄を誇っている 。ヘルペス
ウィルスは何億年も前から存在し 、ありとあらゆる動物を感染させて
きた ―― なんと牡蠣までも 。また 、彼らは恐ろしく小さい 。細菌
よりずっと小さく 、あまりにも小さいので従来の顕微鏡では見えない 。
テニスボールの大きさに拡大したとすれば 、同じ縮尺のヒトは身長八
百キロメートルになる 。細菌はビーチボールくらいの大きさだろう 。」
( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )
インフルエンザウィルスや新型コロナウィルスは 、ヒトにとっては「 タンパク質に
包まれた悪い知らせ 」そのもの 。ウィルスについてのこんな基礎知識すら知らずに 、
この2年以上もの間 、右往左往してきたのかと思うと 、情けない 。
パンドラの箱のふたが開いたのは 、中華人民共和国の武漢 であることは周知の事実 。
移動の手段を持たないウィルスが 、世界中で蔓延する原因は 、「 人流 」だろうか 、
「 渡り鳥 」だろうか 、それとも「 生きたペット 」の国境を越えた移動だろうか 。
つまるところ 、「 人伝 」なんでしょうね 。
「 人類 ノ 諸悪 ノ 根源 ハ 移動 スル ニ アル 」 らしい 。
鳥インフルや豚インフル発生のときの防疫体制をみると 、そこここの国に 、昔も今も
あると聞く「 収容所 」という「 三密 」の場所を思い浮かべる 。
見たくないものは 、見ない 、見せない 、聞きたくないことは 、聞かない 、聞かせない
のが世のならい 。
ウィルスは 、高熱やエチル・アルコールには弱いのかな ?
一旦 、感染したら居なくなることはなさそうな 、不死身か 、お前は ?
さてと 、翻訳本には 、こんな一節もありました。話題としてはこっちの方が楽しい 。
「 オックスフォード大学のアンナ・マチン博士によると 、人は誰かと
キスをしているとき 、免疫反応に関連する組織適合遺伝子の見本を
取っているのだという 。その瞬間には第一に考えてはいないかもし
れないが 、要するに 、相手が免疫の観点から見てよいパートナー
になるかどうかを試験しているのだ 。」
( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )
この一節の英語本の原文は、次のとおり 。
「 According to Dr. Anna Machin of Oxford University,
something you are doing when you are kissing another
person is sampling his or her histocompatibility genes,
which are involved in immune response. Though it may not
be the matter uppermost on your mind at that moment,
you are essentially testing whether the other person
would make a good mate from an immunological perspective. 」
( 出典 :Bill Bryson 著 " The Body ― A Guide for Occupants " .
Knopf Doubleday Publishing Group. 刊 )
著書 " The Body ― A Guide for Occupants " の 一節 。
「 A VIRUS, IN the immortal words of the British Nobel laureate
Peter Medawar, is " a piece of bad news wrapped up in a protein."
Actually, a lot of viruses are not bad news at all, at least
not to humans. Viruses are a little weird, not quite living
but by no means dead.
Outside living cells, they are just inert things.
They don't eat or breathe or do much of anything.
They have no means of locomotion. We must go out and collect
them ―― off door handles or handshakes or drawn in with the
air we breathe. They do not propel themselves; they hitchhike.
Most of the time, they are as lifeless as a mote of dust, but
put them into a living cell, and they will burst into animate
existence and reproduce as furiously as any living thing.
Like bacteria, they are incredibly successful. The herpes virus
has endured for hundreds of millions of years and infects all
kinds of animals ―― even oysters.
They are also terribly small ―― much smaller than bacteria
and too small to be seen under conventional microscopes.
If you blew one up to the size of a tennis ball, a human would
be five hundred miles high. A bacterium on the same scale would
be about the size of a beach ball. 」
上掲の一節は 、翻訳本の中で 、次のように 日本語訳されています 。
「 イギリスのノーベル賞受賞者ピーター・メダワーの不朽の言葉によると 、
ウィルスとは『 タンパク質に包まれた悪い知らせ 』だ 。
実際には 、多くのウィルスは少なくともヒトにとっては 、悪い知らせ
でもなんでもない 。
ウィルスは少し風変わりで 、生きているとはいえないが 、決して死ん
ではいない 。生体細胞の外では 、ただの不活性な物質だ 。食事も呼
吸もせず 、ほとんど何もしない 。移動の手段も持たない 。自力では
前進せず 、ヒッチハイクするだけだ 。わたしたちは外へ出て 、彼ら
を集めてこなくてはならない 。ドアノブや握手を介して 、あるいは
空気といっしょに吸い込むこともある 。ほとんどの場合 、ウィルス
は一片の塵のごとく不活発だが 、生きた細胞の中に入れると 、突然
活気に満ちた存在にになり 、どんな生き物にも負けないほど猛烈な
勢いで増殖する 。
細菌と同じく 、ウィルスは途方もない繁栄を誇っている 。ヘルペス
ウィルスは何億年も前から存在し 、ありとあらゆる動物を感染させて
きた ―― なんと牡蠣までも 。また 、彼らは恐ろしく小さい 。細菌
よりずっと小さく 、あまりにも小さいので従来の顕微鏡では見えない 。
テニスボールの大きさに拡大したとすれば 、同じ縮尺のヒトは身長八
百キロメートルになる 。細菌はビーチボールくらいの大きさだろう 。」
( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )
インフルエンザウィルスや新型コロナウィルスは 、ヒトにとっては「 タンパク質に
包まれた悪い知らせ 」そのもの 。ウィルスについてのこんな基礎知識すら知らずに 、
この2年以上もの間 、右往左往してきたのかと思うと 、情けない 。
パンドラの箱のふたが開いたのは 、中華人民共和国の武漢 であることは周知の事実 。
移動の手段を持たないウィルスが 、世界中で蔓延する原因は 、「 人流 」だろうか 、
「 渡り鳥 」だろうか 、それとも「 生きたペット 」の国境を越えた移動だろうか 。
つまるところ 、「 人伝 」なんでしょうね 。
「 人類 ノ 諸悪 ノ 根源 ハ 移動 スル ニ アル 」 らしい 。
鳥インフルや豚インフル発生のときの防疫体制をみると 、そこここの国に 、昔も今も
あると聞く「 収容所 」という「 三密 」の場所を思い浮かべる 。
見たくないものは 、見ない 、見せない 、聞きたくないことは 、聞かない 、聞かせない
のが世のならい 。
ウィルスは 、高熱やエチル・アルコールには弱いのかな ?
一旦 、感染したら居なくなることはなさそうな 、不死身か 、お前は ?
さてと 、翻訳本には 、こんな一節もありました。話題としてはこっちの方が楽しい 。
「 オックスフォード大学のアンナ・マチン博士によると 、人は誰かと
キスをしているとき 、免疫反応に関連する組織適合遺伝子の見本を
取っているのだという 。その瞬間には第一に考えてはいないかもし
れないが 、要するに 、相手が免疫の観点から見てよいパートナー
になるかどうかを試験しているのだ 。」
( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )
この一節の英語本の原文は、次のとおり 。
「 According to Dr. Anna Machin of Oxford University,
something you are doing when you are kissing another
person is sampling his or her histocompatibility genes,
which are involved in immune response. Though it may not
be the matter uppermost on your mind at that moment,
you are essentially testing whether the other person
would make a good mate from an immunological perspective. 」
( 出典 :Bill Bryson 著 " The Body ― A Guide for Occupants " .
Knopf Doubleday Publishing Group. 刊 )