「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

さいはひなるかな Long Good-bye 2025・02・22

2025-02-22 06:40:00 | Weblog

 

  六十年ほど前に習って 、六十年後の今も憶えているドイツ

 語に " Salz der Erde " ( 発音は ザルツ デア エルデ  )  が あ

 る 。

 ドイツ語の講義で使われた教材の中に出てきた言葉で 、邦

 訳は「 地の塩 」 。ドイツ語の先生から 、運悪く指されて 、

 言葉の意味を問われたので 、よく覚えている 。宗教と縁の

 薄い 日本家庭 で育ったので 、初見の言葉であった 。しど

 ろもどろになりながらも「 世の中になくてはならないもの 、

 世をぴりっとひきしめるもの 」ではないか と答えたような

 記憶がある 。

  第二外国語として選択したドイツ語クラスの授業で 、そ

 ドイツ語の先生が 植田敏郎さん であった 。当時 クラス担

 任の先生は 、やはりドイツ語専門の 小塩節さん 。

  植田さん 、小塩さん 、ともに高名なドイツ文学者であるこ

 とは 後に知った 。おバカで能天気な 学生だった頃の話 。 

  七十七になって 、「 地の塩 」という言葉を 、原典の文語

 訳を読んではじめて目にした 、おバカで能天気な 高齢者 。

  今日の「 お気に入り 」は 、「 地の塩 、世の光 」 。「 山

 上の垂訓 」は  、幼い頃より「 偉大な生涯の物語 」や「 ベ

 ン・ハー 」で お馴染みではあるのだが 。

  ドイツ語学習で習ったことは 、結局 、世の中のためには一

 つも役立てていないのは 遺憾である 。

  引用はじめ

 「  マタイ傳福音書

  第五章
   1 イエス群衆(ぐんじゅう)を見(み)て 、山(やま)
   にのぼり 、座(ざ)し給(たま)へば 、弟子(でし)
  たち御許(みもと)にきたる 。2 イエス 口(くち)を
  ひらき 、教(をし)へて言(い)ひたまふ 、3 『 幸福
  (さいはひ)なるかな 、心(こころ)の貧(まづ)しき
  者(もの) 。天國(てんこく)はその人(ひと)のもの
  なり 。4 幸福(さいはひ)なるかな 、悲(かな)しむ
  者(もの) 。その人(ひと)は慰(なぐさ)められん 。 
   5 幸福(さいはひ)なるかな 、柔和(にうわ)なる者
  (もの) 。その人(ひと)は地(ち)を嗣(つ)がん 。
   6 幸福(さいはひ)なるかな 、義(ぎ)に飢(う)ゑ渇
  (かわ)く者(もの) 。その人(ひと)は飽(あ)くことを
  得(え)ん 。7 幸福(さいはひ)なるかな 、憐憫(あは
  れみ)ある者(もの) 。その人(ひと)は憐憫(あはれみ) 
  を得(え)ん 。8  幸福(さいはひ)なるかな 、心(ここ
  ろ)の清(きよ)き者(もの) 。その人(ひと)は神(かみ)
  を見(み)ん 。9 幸福(さいはひ)なるかな 、平和(へ
  いわ)ならしむる者(もの) 。その人(ひと)は神(かみ)
  の子(こ)と稱(とな)へられん 。  10 幸福(さいはひ)
  なるかな 、義(ぎ)のために責(せ)められたる
  者(もの) 。 天國(てんこく)はその人(ひと)のもの
  なり 。11 我(わ)がために 、人(ひと) なんぢらを罵
  (ののし)り 、また責(せ)め 、詐(いつは)りて 各様
  (さまざま)の惡(あ)しきことを言(い)ふときは 、
  汝(なんぢ)ら幸福(さいはひ)なり 。 12 喜(よろこ)
  びよろこべ 、天(てん)にて汝(なんぢ)らの報(むく
  い)は大(おほい)なり 。汝等(なんぢら)より前(まえ)
  にありし預言者(よげんしゃ)たちをも 、斯(か)く責
  (せ)めたりき 。
  13 汝(なんぢ)らは地(ち)の鹽(しほ)なり 、鹽(しほ)
  もし効力(かうりょく)を失(うしな)はば 、何(なに)
  をもてか 之(これ)に鹽(しほ)すべき 。後(のち)は用
  (よう)なし 、外(そと)にすてられて 人(ひと)に蹈(ふ)
  まるるのみ 。14 汝(なんぢ)らは 世(よ)の光(ひかり)
  なり 。山(やま)の上(うへ)にある町(まち)は隱(かく)
  るることなし 。15 また人(ひと)は燈火(ともしび)を
  ともして升(ます)の下(した)におかず 、燈臺(とうだ
  い)の上(うへ)におく 。かくて燈火(ともしび)は家(い
  へ)にある凡(すべ)ての物(もの)を照(てら)すなり 。
  16 かくのごとく汝(なんぢ)らの光(ひかり)を人(ひと)
  の前(まへ)にかがやかせ 。これ人(ひと)の汝(なんぢ)
  らが善(よ)き行爲(おこなひ)を見(み)て 、天(てん)に
  います汝(なんぢ)らの父(ちち)を崇(あが)めん爲(た
  め)なり 。・・・  」

  引用おわり 。

 

  ( ついでながらの

    筆者註:「 植田 敏郎( うえだ としろう 、1908年1月17日 -
        1992年10月21日 )は 、日本のドイツ文学者・翻訳
        家 。静岡高等学校教授 、東京外国語学校教授 、
        学習院教授 、学習院大学教授 、一橋大学教授 、
        東北歯科大学教授を歴任 。

        経 歴
         広島県広島市生れ 。旧制広島高等師範学校附属
        中学校 、旧制広島高校を経て 1931年東京帝国大学
        独文科卒 、同年渡欧 、ウィーン大学 、ボン大学 、
        ベルリン大学で学び 1936年帰国 。1937年静岡高等
        学校教授 。専門はゲーテ時代のドイツ文学で 、の
        ち東京外国語学校教授 、学習院教授 、1949年学習
        院大学教授 、1953年一橋大学社会学部教授 、1971
        年定年となり東北歯科大学教授 。1973年『 クリュ
        ス選集 』の翻訳により日本翻訳文化賞受賞 。1992
        年『 巖谷小波とドイツ文学 < お伽噺 >の源 』で
        日本児童文学学会賞受賞 。

         児童文学の抄訳 、再話など 、特に日独の児童文
        学の架け橋となる著作翻訳を多数手掛けた 。また
        ビールに関する随筆も多い 。晩年 、比較文学的な
        著作も上梓した 。

        「 小塩 節(おしお たかし、1931年1月10日 - 2022年
        5月12日 )は 、ドイツ文学者 。中央大学名誉教授 。
        フェリス女学院理事長 。妻・小塩トシ子(1931- 、
        フェリス女学院大学名誉教授 )は英文学者 。

        経 歴
         長崎県佐世保市生まれ 。父は牧師小塩力 。旧制松本
        高等学校文科乙類を経て 、東京大学独文科卒 、同大
        学院修了 。

         1958年 、国際基督教大学専任講師 、準教授 、1967
        年からNHKの『ドイツ語講座』を1985年まで担当 。

         1970年 、中央大学文学部教授 、のち常任理事 、在
        職のまま1985年から1988年まで駐西ドイツ・日本大使
        館公使 、ケルン日本文化会館館長 。

         1997年中央大学退職 、名誉教授 、フェリス女学院院
        長 、2004年理事長 。

         国際交流基金理事 、ひこばえ幼稚園園長などを歴
        任 。ひこばえ学園長 、ケルン大学名誉文学博士 。
        2015年にキリスト教功労者を受賞 。

         2022年5月12日 、敗血症のために東京都三鷹市の病院
        にて死去 。91歳没 。

        。。(⌒∇⌒)! 。。

        「『 偉大な生涯の物語 』( 原題: The Greatest 
        Story Ever Told )は 、1965年にアメリカ合衆国
        によって制作された 、イエス・キリストの生涯を
        描いた史劇映画である 。配給はユナイテッド・ア
        ーティスツ 、企画・監督は ジョージ・スティー
        ブンス( 数シーンはデーヴィッド・リーンが担当)。
         マックス・フォン・シドーがキリスト役でハリウ
        ッドデビューし 、当時の映画スター多数(チャール
        トン・ヘストン 、ロディ・マクドウォール 、ヴァ
        ン・ヘフリン 、サル・ミネオ 、シドニー・ポワチ
        エなど )が共演した 。本編は 70mmシネラマ・ウ
        ルトラ・パナビジョン70システム で撮影され 、19
        65年2月15日に ニューヨークで公開された 。 」

        「『 ベン・ハー 』( Ben-Hur )は 、1959年のアメ
        リカ合衆国の叙事詩的映画 。ルー・ウォーレスに
        よる小説『 ベン・ハー 』の3度目の映画化作品で
        ある 。ウィリアム・ワイラー監督 。チャールトン・
        ヘストン主演 。同年アカデミー賞で作品賞・監督賞・
        主演男優賞・助演男優賞をはじめ11部門のオスカ
        ーを受賞 。この記録は史上最多記録でその後長く続
        き 、『 タイタニック 』(1997年)、『 ロード・
        オブ・ザ・リング/王の帰還 』(2003年)がようや
        く同じ11部門受賞で並んだが 、現在もアカデミ
        ー賞の史上最多受賞作品の一つである 。

        概 要
         アメリカのルー・ウォーレスが 1880年に発表した
        小説『 ベン・ハー 』を原作に 、1907年に15分の
        サイレント映画で製作され 、1925年に同じサイレ
        ント映画で2度目の映画化 。これはラモン・ノヴァ
        ロがベン・ハーを演じ 、大ヒットとなった 。そし
        て この2度目の映画にスタッフとして参加したウィ
        リアム・ワイラーが 34年後に監督として 70ミリで
        撮影し 3度目の映画化をしたのがこの作品である 。

         主人公ベン・ハーをチャールトン・ヘストン 、メ
        ッサラを スティーヴン・ボイド 、他にジャック・
        ホーキンス 、ハイヤ・ハラリート 、ヒュー・グリ
        フィス が出演 。チャールトン・ヘストン がアカデ
        ミー賞主演男優賞 、ヒュー・グリフィス が助演男
        優賞を受賞し 、ウィリアム・ワイラーはこの映画
        で3度目の監督賞を受けている 。」

          以上ウィキ情報 。 )

        

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