・・・ お肌のお手入れも必要かな ・・・ )
今日の「 お気に入り 」は 、作家の村上春樹さんが 、
1994年か1995年頃に書かれたエッセー「 うず
まき猫のみつけかた 」( 新潮文庫 )の中の数節 。
引用はじめ 。
「 四月十七日 。さてボストンの通りに猫が顔を出し始
めると『 いよいよ 』のボストン・マラソンである 。
僕はこの冬のあいだずっと真剣に長編小説の執筆に集
中していたので 、ほとんどレースに向けての走り込
みができなかった 。まあ僕は小説家であって 、職業
的ランナーじゃないんだから 、これはしょうがない。
本来ならば準備不足で今年は出場を見あわせようかと
いうところなのだが 、ボストンにいるのも今年が最
後だし 、まあ少しくらいタイムが悪くてもいいや 、
レースそのものを楽しもうと思って出てみた 。」
「 僕がボストン・マラソンを走るのはこれで通算四回
目ということになる 。当日の体調も風邪気味であま
りおもわしくなく 、結果的には情けない成績だった
けれど 、でも今回もとにかく一歩も歩くことなく最
後までしっかりと完走できてよかった 。スタート後
少しして『 ああ 、今日はこれはぜんぜんダメだ 』
と思ったので 、始めからペースを落とし 、三時間
四十五分くらいのタイムでいければいいやという計
算で走ったのだが 、それでも最後でふらふらにばて
た 。」
「 ほんとにしんどかった 。やっぱりフル・マラソン
だけは 、体調が万全でないときには無理して出るも
のじゃないですね 。この次は小説なんか書いてない
で 、ちゃんと走り込んで調整をやるぞと 、唇を噛
みしめて固く決心をした次第である 。」
「 でも文章を書くときでもそうだけれど 、人間いつ
もいつも調子がいいとは限らないものである 。長く
やっていれば 、山もあれば谷もある 。調子の悪い
ときは悪いなりに 、自分のペースを冷静に的確につ
かんで 、その範囲でなんとかベストを尽くしてやっ
ていくというのも 、大事な能力才能のひとつであろ
うと思う 。 そんなに無理をしないで 、首をすくめ
てこつこつとしのいでやっていれば 、そのうちにま
た少しずつ調子は戻ってくるのだから 。」
引用おわり 。
マラソン と 人生 、共通点はあるようで 、長丁場 。
はなもあらしものりこえて 、サステナブル は難しい 。
。。(⌒∇⌒);。。
( ついでながらの
筆者註:「 長 丁 場 ( ながちょうば ) 日本語 名詞
・長い道程 。
・長期間の仕事 。長い時間がかかるものごと 。
語源
宿場と宿場の距離が長かったことによる。
関連語
長町場 」
「 ① 宿場と宿場との間の道のりが 、距離的 、
時間的に長いこと 。 また 、長い道のり 。
② 仕事などが一段落するまでに時間が長く
かかること 。 また 、時間の長くかかる
物事 。
③演劇などで 、時間が長くかかる一連の場
面 。」
以上 、コトバンク ほか による 。)