高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、47年の歴史をもつ共同購入の会です。

原発に代わるエネルギー その1

2014-03-27 09:00:00 | 脱原発
『消費者リポート』No.1552より転載します。

ガスコンバインドサイクル発電とガス市場

電力不足が騒がれる今、注目を集めているのが、「ガスコンバインドサイクル発電」(GTCC)です。燃料は天然ガス(LNG)で、以前に比べ、同じ量の燃料から数倍の電力をつくり出すことができるといわれます。「原発がなければ電力が立ちいかない」と主張されていますが、世界のエネルギーの趨勢は原子力からガスへの移行が常識になりつつあります。

発電効率は原発の約2倍

石炭は世界に広く分布する燃料で、価格も安定しています。天然ガスも石油に比べれば供給事情は安定しており、石油、石炭に比べると燃焼時のCO2排出量が少なく、SOXやばいじんを出さず、化石燃料の中では比較的「クリーンな」エネルギーです。
現在、全国約 22の発電所に導入されているGTCCの効率は原発の約 2倍。効率のよいGTCCに火力発電の 3割を切り替えれば原発は必要ないのです。
首都圏は国内電力需要の 3割を占める巨大市場で、関西、中部、中国電力も算入をうかがっています。ガス業界は電力自由化の鍵を握る存在であり、経産省もガスの小売り全面自由化を検討し始めました。

インフラ整備や消費者保護へ始まる見直し

一方で、ガス市場は大手のガス会社(一般ガス会社)のいわゆる都市ガス( 209社、約2897万件、販売量 389億㎥/年)と 70戸以上の団地内に設置する簡易ガス装置による供給( 1452社、142万件、1.8億㎥/年)と事業者数最多 2万1052社、2500万件、77億㎥/年の LP(プロパン)ガスがあります。一般ガス事業者の料金格差は関東内でも最大 3.25倍、全国ベースでも事業者ごとの価格差は 3.7倍です。また、LPガスは一般ガスと比較して、全国ベースで 1.86倍と割高です。一般ガス料金は規制により安定しており、LPガスは自由料金ですが、地域での中小業者の独占により高止まりしています。
原発に代わるエネルギーとして注目すべきガス等は地域差や供給態様も多様であるために、供給のインフラの整備や消費者の保護の観点からの見直しが始まっています。

(日消連共同代表 古賀真子 記)




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