”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

玉ねぎを干しているのを見て…

2023-06-21 00:21:59 | 野菜

農業や家庭菜園をなさっているブロガーさんの多くが、

今の時期、玉ねぎの収穫を終え、

長期保存に向けて、玉ねぎを吊るして干していらっしゃいます。

 

       【画像お借りしました】

  

我が家の家庭菜園は、とても小さいものなので、

玉ねぎを200個も300個も作った経験はなく、

干して保存する間もなく、使い終えている状態です。

  

そんな私ですが、ブロガーさんたちが玉ねぎを干している様子を拝見して、

色々な疑問が次々に沸いてきました。

野菜栽培の経験も乏しく、実践を伴わない中で理屈ばかりこね回している

と、御不快に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、

玉ねぎの長期保存に関する疑問から、考えたこと、調べたことをまとめてみます。

  

※お読みになりたくない方は、どうぞスルーしてください。

  

 

●どうして、中生・晩生品種が長期保存に向くの?

長期保存に向く品種というと、中生・晩生品種が必ず挙げられています。

素人考えでは、それらの品種は

 ・もともと水分量が少ないのか?

 ・糖度が低いのか?

 ・辛みが強いのか?

など共通する特徴があるのではないかと推測しました。

 

そこで、中生・晩生品種の特徴を調べてみると、全品種に共通することは

病気に強い ということでした。

病気に強い → 保存中の腐敗病にも強い  と考えられます。

  

●中生・晩生品種を栽培すれば貯蔵はうまくいくのか?

栽培の仕方(施肥のタイミング)が貯蔵性を左右します。

収穫末期になって、肥料分が残っていると、貯蔵が劣り、腐敗が進みます。

大きく立派にできた玉ねぎほど腐敗しやすく、硬く皮の薄い玉ねぎは長期保存ができます。

遅い時期の施肥は避けることが大切。

  

●乾燥方法 なぜ根は切り落とし、葉は15cmくらい残すの?

 ・玉ねぎを収穫するタイミングは、葉が倒れてから1週間後が目安。

  葉が倒れるのは、「光合成した栄養がすべて実に溜まりましたよ!」

  という合図です。

 

 ・収穫した玉ねぎは、そのまま畝に横たわらせて2~3日天日に当てて乾燥させます。

  

 ・葉を15cmほど残して余分な部分を切り落とし、根っこもすべて切り落とし、

  さらに吊るして乾燥させます。(これがブログで最近よく拝見する景色ですね。)

  

 では、なぜ葉を15cmほど残して切るのか?

 これは、萌芽葉(玉ねぎの新しい芽)が出にくくなるためです。


   【萌芽葉の出ている様子がわかる画像をお借りしました】

 

 萌芽葉ができると、これらに養分が移り、成長すると玉ねぎが萎んでしまいます。

  

 では、根を切り落とすのはなぜ?

 空気中の水分を吸収できなくなるので、乾燥が早く進み、傷みにくくなります。

  

 

●干しているのは、皮? それとも実(球)?

 玉ねぎを干すことにより、水分が飛び、貯蔵性が高まる・・・

 これは、どこを見ても書かれていることです。

 しかし、貯蔵物の玉ねぎを切ってみても、かすかすに乾燥しているわけではなく、

 新玉ねぎほどではないにしても、みずみずしさはあります。

  

 私は、干し野菜もやっており、これはカットした玉ねぎを半日ほど干したものです。

 結構、乾いています。

 極端な例かもしれませんが、貯蔵物の玉ねぎはここまで水分は飛んでいません。

  

 ここからは、私の推測になりますが、玉ねぎを干して乾燥させているのは

 実(球)もさることながら外皮を乾燥させるのが目的なのでは?

  

●外皮に含まれるケルセチン

 玉ねぎの外皮には抗酸化作用のあるケルセチンが含まれており、

 玉ねぎの内部を紫外線から守ってくれる働きがあります。

 「皮付きの玉ねぎを1週間天日干しにすると、ケルセチンの量が4倍になる。」

 という報告もあります。

 

 以上のことから玉ねぎを干して乾燥させているのは、皮のケルセチン効果も

 狙っているのではないでしょうか?

  

 

このようなことを、ここ数日考えておりました。

実践の伴わない野菜オタクをお許しください。

  

この記事を書くにあたって、

毎日、読み応えのある農業記事をアップしてくださっているkazmelonさん、

干したあとの玉ねぎの保管方法について教えてくださったgengengengeさん、

そして、私のしつこい質問にも丁寧に答えてくださったお野菜の先生、

心から感謝申し上げます。

  

また、ここまでお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。

コメント (2)
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