ずっと疑問に思っていたことがあります。
それは、農産物の統計を見てみると、お茶の生産量や産出額が
「仕上げ茶」ではなく「荒茶」で表されていること。
例えば、こんなふうに。
荒茶というのは、生葉を蒸す工程、揉む工程、乾燥する工程など、
各工程を経て製造されたものですが、まだ半製品の状態。
それに仕上げ加工をして、初めて製品となります。
私たち消費者は、「荒茶」を口にする、いや、目にすることさえほとんどなく
製品となった「緑茶(仕上げ茶)」の状態でいただきます。
それなのに、なぜ半製品の状態の「荒茶」が統計の材料となるのか?
これは、調べてみなくては!!
まず、お茶農家さんにお聞きしました。
お茶農家さんの見解は、「荒茶」がすべて飲料用になるわけではないから、
「緑茶(仕上げ茶)」の量だけでは、正確な生産量や産出額とは言えないのではないかとのこと。
そう、今、お茶は化粧品や消臭剤、衣料品などにも使われていますからね。
さて、次は静岡県経営管理部情報統計局統計利用課さまにお聞きしてみました。
ご担当者さまは、お茶農家さんのご意見もお認めになった上で、
「お茶は、統計の種類によって、扱われる段階が違います。」とご説明くださいました。
農業関係の統計調査では、「荒茶」の状態で調べます。
それは、大半のお茶農家さんが関われるのは、「荒茶」の工程までだからです。
もちろん、収穫した生葉の一部を、ご自分の工場で仕上げ加工までなさる方もいらっしゃますが、
大半は「荒茶」の状態で出荷されます。
ということは、お茶は「荒茶」の状態までが農産物、
仕上げ加工された「緑茶」は工業製品となります。
ですから、「緑茶(仕上げ茶)」の出荷量や出荷額は工業統計調査の項目となり、
「緑茶(仕上げ茶)」の支出金額や購入数量は家計調査の項目となります。
農産物の統計に「荒茶」が使われる理由、これで納得できました。(^-^)