醤が特に効果を発揮するのが生魚を食べるときです。
特に脂の乗った魚は、醤和えにすることにより、魚の旨味を引き出すとともに保存もききます。
醤が登場したことにより食材と調理の範囲が大きく広がりました。
のちの万葉集では<醤酢に蒜搗(ひるつ)き合(か)てて鯛願ふ 吾にな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)>と詠まれており、
鯛を醤酢で和えて食べていたことがわかります。」と永山氏。(※)
人間のすべての土台とも言える食事。
何を食べるかによって、人間の頭脳と体も形成されるわけですから、
食事には細心の注意を払いものです。
食材を大切にしたと料理といわれるのが和食。
その中で食材そのものの旨味を活かす調味料がしょうゆなのです。
外国で豆腐が食べられ、寿司バーがはやるなど、和食が世界的にブームを呼んでいる現在、
私たちも和食の基本にかえって、改めてしょうゆの価値を見直してみてはいかがでしょうか。
そして、古代人のように健康で長生きできる人生をエンジョイしたいものです。』
(※)永山久夫氏・・・食文化史研究家。食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。
【 動物性脂肪の融点 】
以前 動物性の脂が悪いと言われていたのは「人間の体温では溶けないから・・・」っと言われているからですが 実際はそんな事無くて 羊肉以外は溶け出す事が分かっています。
実際に何度くらいで溶け出すのか
以下は 僕自身が放射温度計で実際に計ってみたデータです。
動物性脂肪の融点(溶け出す温度)
鶏 大よそ28度~32度
豚 大よそ25度~40度
馬 大よそ30度~43度
牛 大よそ32度~50度
羊 大よそ42度~45度
バター大よそ28度~35度
良質で高級な肉ほど低い温度で解ける傾向があります。
(低温で溶けるので 舌触りが滑らかに感じる)
全体として低温で溶けるのは オレイン酸等の低温で溶ける脂肪酸比率が高い。(オレイン酸の融点は16.3度)
一般的に牛や豚にはオレイン酸が
40~50%近く含まれています。
それが食感を変えて美味しくさせる理由のひとつでもあります。
成分としてオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
ミリスチン酸、リノール酸、α-リノレン酸 パルミトレイン酸等が複雑に絡み合って構成しています。
また「どんな油なら大丈夫ですか?」っという人が多いですが
どの油なら大丈夫という事ではなくて
・動物性、魚介類、植物性等の油をバランスよく摂る事
・油は摂取過多になりやすいので 油を摂り過ぎない事
この2つが重要です。
どんな油にも一長一短があり「これさえ使えば大丈夫!」
などという都合の良い便利な物は存在しません。
万物すべての物はバランスで成り立っています。
あと個人的には・・・
あまり精製した油よりも 加工度合いの低い物の方がマシと考えます。
理由は 精製した物は味覚上 異常に軽く感じ
過剰摂取に気付きにくいからです。
ショートニングやマーガリンが良い例です。
また現在 販売されているサラダ油等の大半は
遺伝子組み換え作物から作り出された製品です。
非遺伝子組み換えで 圧搾抽出で作られた物なら
最低限度として使用したい物ですが
何より極力使わないくらいでちょうど良いので
お肉を焼く時は 特にサラダ油等に頼らず
肉の脂を利用する等が良いでしょう。