在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”セッラ・デッラ・コンテッサ 2003” ベナンティ

2007-10-10 06:40:21 | Sicilia シチリア
“Serra della Contessa 2003” Benanti –Sicilia
品種は、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョ。
19世紀にワイン界の歴史を大きく動かした(それも悪い方向へ)のは、ブドウネアブラムシ、つまりフィロキセラである。イタリアにもフィロキセラはやってきたので、フランスほどではないにしても被害は大きかった。しかし、未だに、フィロキセラに侵されていないブドウの樹がわずかだか残っている。エトナ山も、その高度ゆえ、フィロキセラがやって来なかった場所の一つである。このワインは、エトナ山の、樹齢75年から100年の畑の、フィロキセラに侵されていないブドウの樹から採れるブドウで造っている。
色は濃い目のルビー色。色に深みがある。
香りは、森の木の実のコンフィ、ドライのスミレ、やや甘い感じがパイプタバコ、アニス、リコリースなど。そして、ミネラル臭が奥にある。なかなか良い奥行きを感じる。
味は、インパクトがある。甘いくらいで、まろやかさを感じる。Grassoと言う感じ。タンニンは若いが柔らかく、味の強さ良し、持続性も充分ある。シチリアのワインだしで、当然ボディがあり、後味が甘く心地良い。

”エトナ・ロッソ・ロヴィテッロ 2003” ベナンティ

2007-10-10 06:38:14 | Sicilia シチリア
“Etona Rosso Rovitello 2003” Benanti –Sicilia
ベナンティを初めて飲んだのは、シチリアだったと思う。もうかなり前のことになるが、シチリアのレストランで勧められた。ラベルが結構印象的だったので(樽にまたがった太っちょで、バッカスだと思う)記憶に残った。その頃は、安くてちょっと良いだけのワインを造っていたというイメージがあるが、ある頃からとても良いワインを造るようになったと思う。シチリアのその他大勢のワイナリーから、今では、シチリアの名ワイナリーの一つになっている。
品種は、セッラ・ディ・コンテッサと同じ。つまり、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョ。セッラはセレクションされたブドウで造られているが、こちらはそうではないノーマルタイプと言えるか。
色はやや透明感のあるルビー色。セッラより薄め。光沢は良い。
熟した赤い木の実、スミレ、バラ、スパイス、リコリースなど、セッラと似ているがややシンプルで、比べると奥行きが違うのがわかる。腐葉土、カカオなどが出始めている感じもある。
味は、ボディがあり、タンニンの質も申し分ない。酸がワインをきれいに支えている。味の持続性も良く、後味が心地良い。
セッラよりシンプルでmeno impagnativo。(飲みやすい、というような意味。)