在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”キャンティ・ルフィナ・ポッジョ・グァルティエーリ 2000” ファットリア・ディ・グリニャーノ

2007-10-27 01:10:13 | Toscana トスカーナ
“Chianti Rufina Riserva Poggio Gualtieri 2000” Fattoria di Grignano -Toscana
キャンティ・ルフィナの生産できる地域はフィレンツェの西になる。
キャンティには本当に多いが、これも、侯爵が15世紀に別荘を創建だそうだ。あ~、羨ましい!
さて、キャンティの試飲会(キャンティ・クラシコのではない)で飲んだが、私の周りの何人もの人が良いと認めたワイナリー。
他、3種を試飲したが、確かに、安定した味、心地よい香り、適度なボディなどで、なかなかのワイナリーである。こういう発見は嬉しい。
品種は、サンジョヴェーゼ90%、他(黒ブドウ)10%とある。つまり、キャンティに昔よくあったように(というより義務だった)白ブドウは使っていないということ。
熟成は、バリックで15ヶ月。
色は、程よく凝縮感のあるルビー色で、つやがとても良い。
香りは、とてもきれいにスミレの香りがある。そして、サンジョヴェーゼらしく、マラスカ(サクランボの一種)marasca、桑の実mora、プルーンなどの森の木の実、やや辛口のスパイスがきれいで、タバコ(黒)、リコリースの香りが混じる。
味は、タンニンがとてもきれい。キャンティにしては上等の質で、程よい刺激になっている。ボディも良く、味の持続性も良く、後味に、カカオ、カフェなどが心地良い。

”イル・マット 2003” ファットリア・ディアネッラ・フチーニ

2007-10-27 01:07:36 | Toscana トスカーナ
 “Il Matto delle Giuncaie 2003”Fattoria Dianella Fucini -Toscana
フィレンツェの西、レオナルド・ダ・ヴィンチを生んだヴィンチ村にあるワイナリー。
キャンティの地域で、キャンティ・クラシコの生産地域ではないが、キャンティ・モンタルバーノChianti Montalbanoの地域である。
キャンティでは、元貴族が何百年もの昔から代々集落を所有しているパターンが多いが、ここもその一つで、13世紀の教会、16世紀の造られた別荘はメディチ家が使っていたものだそうで、ワインを語る=歴史・文化を語る、という一面を見せてくれる。
「イル・マット」の格付けはDOCGキャンティではない。ピラミッドで言えば、DOCのさらに下となるIGT=Indicazione GeograficaTipicaである。(でも、そんなことは品質には関係ないので、深く考えないように。)ところで、イタリア語でmattoは、気狂いのことである。
品種は、サンジョヴェーゼ100%。
熟成は、バリック12ヶ月。
色は、凝縮感の良いルビー色。
香りは、最初、乳製品風latticiniの臭いがある。その他、やや揮発酸volatileが強い感じ。小さなスミレ、バラの香り、ヴィッショラ(サクランボの一種)visciola、スモモ、そして、コショウの香りがある。
味は、酸がやや酸が立つ。そのせいもあり、エレガントな感じが出ている。ボディは普通で、タンニンが酸にやや負けて細身だが、質は良い。後味も程よく長い。
一緒にキャンティ(こちらはDOCG)も試飲したが、とても澄んだ味わいだった。値段と品質のバランスが良いのも嬉しい。

”キャンティ・リゼルヴァ・ヴィーニャ・ラ・クエルチャ 2003” カステルヴェッキオ

2007-10-27 01:05:14 | Toscana トスカーナ
“Chianti Colli Fiorentini Riserva Vigna La Quercia 2003” Castelvecchio –Toscana
(ワインは中央)
トスカーナのキャンティは、アグリトゥーリズモが多い。最近は、アグリトゥーリズモとは何ぞや?が、日本でも良く知られるようになったので、旅なれた方に結構人気があるし、日本語HPを作って日本人獲得にがんばっているところもある。そして、多くの(略して)アグリで、ワイン、オリーブオイルなどを造っている。アグリの方が有名か、ワインの方が有名かはそれぞれだが。。。
このワイナリーもアグリを併設している。
品種はサンジョヴェーゼ。他、混じっているかは聞かなかった。(こちらが東洋人と見て、感じが良い人とそうでない人がいるのである。。。)
色は、なかなか凝縮感の良いルビー色。
香りは、程よく奥行きがある。スミレの花に、サクランボ、ブルーベリーなどの森の木の実、パイプタバコなどの甘いスパイスの香りが出ている。他に、甘いチョコの香りもある。
味も、フルーツの甘さがすぐに感じられる。ボディもあり。強さも良く、タンニンは若いが結構質が良い感じ。最後にほろ苦さが残り、カカオの風の味となり、アマレーナ(サクランボ一種)amarenaが混じって広がる。
ラベルから想像できるように、伝統+モダン路線を狙っているワインと想像できる。