在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ヴィーニャ・フラミニオ 2004” ヴァッローネ

2007-10-28 06:19:42 | Puglia プーリア
“Vigna Flaminio 2004” Vallone -Puglia
隠れた名品(隠れてない??)“グラティッチャイアGraticciaia”(ネグロアマーロ100%)を造るワイナリー。グラティッチャイアは、干したブドウで造る辛口赤ワイン。アマローネに似ているが、アマローネは室内で干し、グラティッチャイアは外でも干すところが違う。南イタリアでは、まだ、ブドウを外に干すところが結構残っている。
そんなわけで、グラティッチャイアは、当然値段が張るし(それでも40ユーロ前後。さすが、プーリア!)生産量も少ないが(25000本)、それ以外のワインは生産量も多く、10ユーロ以下と、嬉しいプーリア値段(?)である。しかし、決して悪くない。
ワイナリーは、細長いプーリア州の、だいぶ南に位置するレッチェにある。
品種は、プーリアの土着品種ネグロアマーロ70%、アブルッツォ州で特に有名なモンテプルチャーノ20%、マルヴァジア・ネーラ10%(普通のマルヴァジアは白だが、これは黒ブドウ)。
色は、濃い目のガーネット色で、つやがとても良い。
香りは、よく熟したフルーツがきれい。サクランボ、ブルーベリー、プルーンなど。そして、ドライの花の香りとスパイス臭。スパイスは、甘い香りと辛い香りがうまく絡む。香りの奥には腐葉土もある。革、カカオなどがもう少しで出てきそうな感じ。ロゼにもあったが、アルコールがやや立つ感じがある。
味は、プーリアらしく、ボディがある。熟したフルーツが甘くまろやかな感じ、しかし、そこに、アニマル臭的な南イタリアらしい臭みとカカオなどのほろ苦さが混じる。味は強く、持続性も良い。熱い感じが、南イタリアを充分感じさせる。
余談だが、ネグロアマーロという、イタリアではこのところかなり人気のロック・ポップスグループがある。何でネグロアマーロ?というと、プーリア州出身だからだそうだ。とても良いネーミングだと思う。おかげで、品種ネグロアマーロの知名度もぐっと上がった。品種ネグロアマーロがお好きな方は、ぜひ、ネグロアマーロを聴きながら飲んでください。


”ロザート・ヴィーニャ・フラミニオ 2005” ヴァッローネ

2007-10-28 05:54:06 | Puglia プーリア
 “Rosato Vigna Flaminio 2005” Vallone -Puglia
ちょっとややこしいが、赤と同じ名前のロゼ。イタリアにはロゼはあまり多くはないが、プーリア州のロゼは全国的に有名。明るいきれいなバラ色で、白と赤の中間的存在で、夏の肉料理、冬は魚料理に合わせても良い。
品種は、赤と同じで、比率も同じ。つまり、ネグロアマーロ70%、モンテプルチャーノ20%、マルヴァジア・ネーラ10%。
色は、濃い目の玉ネギ色を明るくした感じ。プーリアに多い明るいバラ色と比べると、落ち着いた色調。
香りは、フルーツ臭がきれいに立つ。イチゴ、レッドベリー、サクランボに花の香りが混じり、プーリアらしい華やかさのある香り。アルコールがやや出る感じあり。シンプルだが、とても好感が持てる。
味は、プーリアらしく、ロゼなのに結構ボディがある。フルーツの香りが口の中に広がる。
酸はほどよく、塩味が効いている。アルコールの熱さが後味に出る。持続性まずまず。

”ビスィディアエ 2006” セッラカヴァッロ

2007-10-28 05:51:35 | Calabria, Basilicata カラブリア他
“Besidiae 2006” Serracavallo -Calabria
カラブリアという南の暖かい州で造られる、ペコレッラ、リースリング(寒冷地に適している)とシャルドネのブレンドというちょっと(かなり)変わったワイン。
どうして、カラブリアでリースリング?と聞いたら、畑の標高が平均で600m、ペコレッラの一番高いところで1200mになると言う。
カラブリア州は縦に長いが、その北部にはポッリーノ山脈というかなり深い森の山々がある。そこに位置するので、これだけの標高になる。
まだ比較的新しいワイナリー。あまり知られていない。
品種は、ペコレッラ30%、リースリング30%、シャルドネ40%。
色は、麦わら色と黄金色の中間くらい。
香りは、ややくさいが、ペコレッラというヤギという名前のように、アニマル臭があっても不思議はない。確かに、ヤギの臭い?しかし、そういうと、けなしているように思う人がいるかも知れない、決してそうではない。また、青っぽさがやや出るので、ネギ系の臭い、そして、さわやかな柑橘系の香り。
味は、結構個性的。塩辛さがある。酸もまずまずあり、ほろ苦さが、胡桃の渋皮風。
ラベルの感じなども含めて、若干国際的なビジネスを意識している感じがなくもないが、まずまずよく出来ている。今後に期待したい。