在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”カンポグランデ (ヴィンテージなし)” カステル・ノアルナ

2007-10-25 21:24:15 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Campogrande” Castel Noarna -Trentino
世の中には、面白いワインを造る人がいる。と言っても、シャンペンは普通、いろいろなヴィンテージのワインを混ぜて(ベースワインを)造るので、そう考えると別に変わったことではないようにも思うが、このワインは、シャルドネの2001年、2002年、2003年ヴィンテージを合わせて造った。だから、当然、ノンヴィン(ノンヴィンテージ)である。
どうして、ブレンド?と聞いたら、ちょっとやってみたらなかなかいけた、という回答をもらった。
品種は、シャルドネ100%。ヴィンテージの比率はわからず。
色は、やや濃い目の麦わら色で、黄金色に近い。つやがとても良い。
香りは、熟したフルーツの香りがきれい。そして、若干酸化した感じのリンゴの香りも出てくる。木が最初はほのかに、そしてだんだんと出てきて、やや強いかも。バター風の香りもある。香りは強く、程よい複雑性がある。
味は、わりとインパクトがある。ボディがかなりあり、酸はほど良く、塩味が結構強い。香りにあった若干酸化した感じのリンゴ臭があり、後味に感じるほろ苦さが心地良い。
ワインの面白さは、収穫年の天候に左右される違いもあるわけだが、こういう遊び心(いや、生産者は真剣なのかも知れないが。。)のあるワインもたまには良いかも知れない。
なお、ワイナリーは、こういう変なワインばかり造っているのではなく、白はノズィオーラ、赤はラグレインなどの地元の土着品種を中心に、ちゃんと普通のワインも造っている。